高取山〜仏果山:小二子連れハイキング
- GPS
- 05:30
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 606m
- 下り
- 605m
コースタイム
13:20仏果山山頂(おやつ)‐16:00頃愛川ふれあいの村
天候 | 薄曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
愛川ふれあいの村に入村記録を残しました。登山ポストはありませんでした。 愛川ふれあいの村の中の自然観察路から高取山への登山道につながっています。 目立った危険箇所はとくにありません。 高取山〜仏果山の間の尾根は細めで、かるめの鎖場もあります。 ヒルはここ数日雨が降らなかったのでいませんでした。 雨降った後は気をつけた方がいいようです。 |
写真
感想
「パパー、眺めいいよー」
頭上から、ソラの嬉しそうな声が聞こえる。
丹沢の山並みは7歳の男の子の心も解きほぐすようだ。
「そっかー、パパも行くー」
高取山山頂にある展望台。
僕はその階段を少し笑いながら登りはじめた。
途中からここまで、
僕達は一言も口をきかなかった。
歩き始めて1時間も経たない頃、
「もう、いいよ。帰ろう。」
「あー、ムリ。もー、ムリ。」
ソラが駄々をこねている。
どうみても余裕がある。ただの甘えだ。
「あ、この花なにかな?写真撮っといてよ」
僕も大人だ。彼の気を散らそう頑張る。
「あー、ヤダ。もう、ヤダ。」
「あ、また猟銃の音が聞こえるね。鹿獲れたかなぁ?」
「もう、いいよ。もどろ。」
「まだ半分も歩いてないよ。がんばれ、がんばれ。」
「あー、無理。もう、無理。」
バシッ!
バシッ!
叩いてしまった。
「うるさい、行くぞ」
自分の衝動的な行動に自分で驚きながら言う。
ソラが頭を抱えて泣きはじめた。
ノブチャンが
「あー、なんてタイミングの悪い〜」
うろたえてソラに駆け寄る。
僕は
「魂の叫びの交換こそ真のコミュニケーションなのだ」
などと訳のわからんことで自分を納得させながら、
山頂へ向かって登り始めた。
「大丈夫?目にあたったの?かわいそうにねぇ」
背後からノブチャンの媚びる声が聞こえる。
おもしろくない。
かまわず山道を行く。薄曇だけど明るい山道だ。
一人で来ればもっと静かな山だったのに。
僕の横をソラが駆け抜けて行った。
なんだ、元気じゃないか。
ぐねぐね曲がりながら山頂へと進む細い登山道を
ソラはどんどん登って行く。
ときおりソラの姿がしばらく見えなくなる。
「迷ってないかな」少し不安になるけど、
僕は動物としての息子の本能を信じなおす。
動物として「生きたい」という気持ちがあれば、
わざわざこんなにわかりやすい山道を
自分から迷うようなことはないだろう。
「荷物はあたしが持つから、
先に行って捕まえてきてよ〜」
ノブチャンが情けない声で後ろから僕を呼ぶ。
「大丈夫、大丈夫」
草むらの巻き道を曲がると、
ソラの怒りながらも不安な顔が遠くに見えた。
僕の姿を認めると、さっと上を向き、
追いつかれまいとドンドン先を行く。
僕はソラの「生きる」本能と、
親との距離を正しく判断し自分の安全を確保する能力を
目の当たりにして、
気分良く新緑の乾いた道を歩いた。
「ヤッホー」
どこかの子供達の声。すぐ近くに聞こえる。
もうすぐ頂上だ。
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