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Yamareco

記録ID: 193736
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ハイキング
富士・御坂

富士山(往路:須走口-復路:御殿場口)

2011年08月08日(月) 〜 2011年08月09日(火)
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コースタイム

10:00須走登山口‐16:00
7:00‐11:00頂上‐14:00頂上‐17:00御殿場口
天候 晴れ時々曇り時々雷雨
過去天気図(気象庁) 2011年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
往路:御殿場駅‐須走登山口
復路:御殿場登山口‐御殿場駅
コース状況/
危険箇所等
危険な個所はなし。道に迷うことも危険な道もなし。

強いて言えば
・雨や雷が鳴るかもしれない変わりやすい天気。
・御殿場口の大砂走は誰が楽しいと言ったか?きつ過ぎる。

山ならどんなものでも美味く感じる。
山ならどんなものでも美味く感じる。
雲がかかってきた。
雲がかかってきた。
ご来光。感動した。
ご来光。感動した。
感動した。2回言いました。
感動した。2回言いました。
大沢崩れ?から見たその先の景色。
大沢崩れ?から見たその先の景色。
御殿場口の茶屋で食べたカレー。手作り感たっぷりで美味しかった。富士山さようなら!
御殿場口の茶屋で食べたカレー。手作り感たっぷりで美味しかった。富士山さようなら!

感想

初めての登山。山好きな会社の上司の前で「富士山登る」と豪語してしまったため、富士山に登るはめになった。そして富士山をなめてたと気付いた。こんなに辛いとは。

当初、一番過酷と言われる御殿場口から登って上司をびっくりさせるつもりだった。しかし登山当日にバスの時間を間違えたため須走口へ変更。登り始めは短パンTシャツでサクサク進むが、2時間も登ると足が上がらない。おまけに7合目目前で急速に雲に覆われ、遠くで鳴り響く雷の音にあっという間に囲まれる。周りの登山者は3,4人で心細い。恐怖で泣きだす子どもも。正直自分も怖い!痛い足を引きづりながら7合目の小屋に辿り着き、長パン、フリースに着替える。寒い。雨具も持っていなかったので小屋で購入。もしかしたら新聞の見出しに「軽はずみな夏の登山者また遭難相次ぐ」って載るかと思った。※数日前にも遭難者の記事があった。

雨も止み、宿泊予約をした8合目「江戸屋」へ急ぐ。まったく腿があがらず足が進まない。右膝も痛い。そんな状況で唯一の救いは振り向いた時に遠くに見える、御殿場の町や箱根の雄大な景色だった。

スポーツ用品店で無料で配られていた冊子「富士山へ行こう」に書いてあるコースタイムから大幅に遅れて8合目に到着。もう足が・・足がっ・・。

初めての登山と初めての山小屋。案内された寝床は廊下に面した隅っこの寝袋。窮屈だけどとっても安らげた。すぐ横になったものの、折角だからとまた起きて外に出てみる。家から約1時間の電車と、約4時間の登山でこんな雄大な景色が見られるなんて、33年間生きてきて知らなかった。こんな近くにあったなんて。
周囲にいる人たちがみんな他人に思えない。都会の街中と違って、話しかければ親しく言葉を返してくれる気がする。17時から食堂で夕食。単独登山者は単独同士のテーブルに集められる。大体の人たちがビールを飲みながらカレーを食べる。みんな全く山の知識がない自分に、どこの山は良かった、富士山はもうこんなに登ってるんだ、と色々楽しさを教えてくれようとした。良い人ばかりだ。小屋の外では御殿場の花火大会が眼下に見える。小さくいくつもの花火を咲かせては消えていったのが印象的だった。

翌朝、と言っても暗い2時過ぎ頃から周りの人が起き始め、登山の準備をしている。ヘッドライトを頭に付けて、温かそうな格好で小屋を出ていく。それが本格的な装備なんだろう。自分は一回限りの山登りだからと思って有り合わせのフリースやシャカシャカした長パンで登ってきた。恐らくこんな格好じゃ来ちゃいけないんだろうなって思った。実際外に出てみるとかなり寒い。明るくなっても気温が上がらなかったりして、出発できるのかも心配になった。徐々に明るくなり始め、雲海から光が差し始める。雲の切れ間から差す光っていままでは雲の上から差してくるものだったけど、今日は雲の下から光が差してきた。

7時頃に小屋を出発。足は相変わらず痛い。けど頂上がどんなところかすごくワクワクするから歩き続けることができた。

10時。やっと10合目に到着。感無量。なんも言えねぇ。
コーラ500円?喜んで買った。うまい。格別な味。
周りはワイワイ賑やかで、単独登山者はこういう時に達成感を共有できる人がいないから寂しい。まぁ会社の上司に報告して登山は今回限りだから良いけど。山岳会とかに入れば友達もたくさんできて達成感を共有できるんだろうか。

辺りを見回していると標識があって、それぞれの下山口名称が書いてあった。この際だから御殿場口からいっちょ帰るかと思って見てると、ん?「頂上剣ヶ峰→」??頂上が剣ヶ峰だって知らなかった。なんも言えねぇ・・・。

お鉢巡りをしながら剣ヶ峰を目指す。痛い足を引きずりながら、火口の氷に一人「ほほぅ〜」と感嘆の声を上げる。こっちは山梨県側かなと火口と反対側へ目をやると、うっそうと茂った森の向こうに小さい町が見える。富士吉田だろうか?湖は河口湖畔?西湖?足元はすごい崖で、落ちたらどこまで転げるんだろう?と考えていたら、「大沢崩れですかね。すごいですね」と後ろから声がしてきた。ストックを両手に青基調に統一された登山服の若い単独登山者だった。白いタオルを巻いている自分とは違って、彼の青い帽子と笑顔が印象的だ。「写真撮ってもらえませんか?」1枚撮り、「僕も撮りましょうか?」と言われ、撮ってもらった。途中まで一緒に歩いたが、また離れて歩いた。暫くして絶景ポイントでまた合流し、二言三言話しながら歩いては離れた。寂しがり屋な性格のくせに、実際は誰かと居ることに窮屈を感じてしまう。相手に迷惑をかけてしまうのではと心配もある。
その単独登山者は一人でもとても楽しそうだった。山に登り続ければまたどこかで会えるだろうか。

剣ヶ峰の測候所に到着。梯子を登り展望台へ行くと、遠くに綺麗な山並みが見える。周りの人の会話から南アルプスだと知る。

下山は御殿場ルートにした。大砂走は慣れれば楽と聞いていたからだ。実際はめちゃくちゃしんどかった。痛む右足を砂に取られながら、立ち止まろうにも立ち止まれずに大股で歩くしかなかった。途中霧に包まれ、一本の細いロープが霧に吸い込まれる。それを頼りにだだっ広い砂場をひたすら歩く。標準タイムを大幅に遅れて5合目の茶屋に到着。そこで食べたかき氷とカレーは最高だった。駐車場にある案内所のおばちゃんは自分の疲れた顔を見て、「また来る顔だな」と言ったが、悪いがもう来ることはない。

もう2度と山に登ることはないだろう。日焼けで顔中が痛い。後日日焼けした皮の下から新しいホクロが一つできていた。なにより疲れた。

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