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Yamareco

記録ID: 2060451
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ハイキング
ヨーロッパ

オーストリアアルプス最高峰グロス・グロックナー(大鐘打山)周回

1991年08月10日(土) 〜 1991年08月12日(月)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
41.3km
登り
4,993m
下り
5,637m

コースタイム

ドイツ・オーストリア・ハンガリー・チェコの旅の途中の山旅、第二弾はオーストリアの最高峰、グロス・グロックナー山(3798m)を周回するハイキングでした。第一弾の Kreuzspitzeハイキングの記録はこちらです。https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2060463.html

この時はモスクワで語学研修のためひと夏過ごした帰りだったので、何の装備もなく、地図と怪しげな雨具、水筒くらいは持っていましたし、天気予報は気にしていたと思いますが、平地と同じ服装でスニーカーといういで立ちで歩きました。

一日目には Zell am Seeの町からバスで Franz-Josef Hoheという標高2500mの登山口まで入るだけで、少し下がった登山口にあるGlocknerhausに宿泊。二日目は氷河を渡って登り返し、東から南、西南へとGrossglocknerの山腹を巻いて歩いてから一旦下り、Kaiserbachという川の流れる谷に出て、それをさかのぼった個所にある山小屋に宿泊。三日目はKaiserbach を上り詰めて2500mくらいのKaiser Törl (御門乗越?)から2762m のMedelzkopfの頂上を往復し、北側に降りました。ちょうどGrossglocknerを3分の2くらい周回した感じでしょうか。

山小屋といってもアルプスの山小屋はしっかりしたもので、食事は立派な食堂でとり、寝床は当然ベッド(寝台列車か蚕棚のように二、三段になっていたかもしれません)で、快適に過ごせました。ですが、二日目に泊まった宿は現在地図でも名前が出ていないようなので、ひょっとすると営業を停止したのかもしれません。
天候 晴れ
アクセス
利用交通機関:
バス
往路はツェル・アム・ゼー(Zell am See)の町からバスを乗り継いで登山口のフランツ・ヨーゼフ平(Franz-Josef Hohe)まで行った。
復路はやはりバスでZell am Seeに戻った。
コース状況/
危険箇所等
危険個所なし。
バスで到達できる最高点、Franz-Josef Hohe (皇帝フランツ・ヨーゼフ平)から見るGrossglocknerの尖頂。
バスで到達できる最高点、Franz-Josef Hohe (皇帝フランツ・ヨーゼフ平)から見るGrossglocknerの尖頂。
フランツ・ヨーゼフ平から少し下がった場所にある山小屋、Glocknerhausに泊まって、翌朝見たGrossglockner 山頂の朝焼け。
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フランツ・ヨーゼフ平から少し下がった場所にある山小屋、Glocknerhausに泊まって、翌朝見たGrossglockner 山頂の朝焼け。
氷河を渡って登り返し、尾根の乗越まで登ったところで見るGrossglockner (中央)とJohannisberg (3453m) (右)。その手前にGlockner氷河が流れ下っている。
氷河を渡って登り返し、尾根の乗越まで登ったところで見るGrossglockner (中央)とJohannisberg (3453m) (右)。その手前にGlockner氷河が流れ下っている。
尾根の乗越から山の南側、Salmhutteがあるあたりに回り込むと雪は少なく、Grossglocknerも優しい表情を見せている。山頂に向かう人も多数あったが、私はご覧の通りの平地歩き装備なので、山の周囲をめぐるハイキングにとどめた。
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尾根の乗越から山の南側、Salmhutteがあるあたりに回り込むと雪は少なく、Grossglocknerも優しい表情を見せている。山頂に向かう人も多数あったが、私はご覧の通りの平地歩き装備なので、山の周囲をめぐるハイキングにとどめた。
Salmhutteのある谷間から一つ峠を越えた先の、Kodnitzerbach の谷間から見上げるGrossglockner. 頂上への一般ルートは、正面の岩峰の右側から山の裏に回って山頂右側の雪の斜面を上がるのだろう。
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Salmhutteのある谷間から一つ峠を越えた先の、Kodnitzerbach の谷間から見上げるGrossglockner. 頂上への一般ルートは、正面の岩峰の右側から山の裏に回って山頂右側の雪の斜面を上がるのだろう。
Studlhutteのある鞍部を超えるとTeischnitzbachの谷に入って下っていく。上流にはGrossglocknerと左にHoffmanspitze (3722m)が見える。
Studlhutteのある鞍部を超えるとTeischnitzbachの谷に入って下っていく。上流にはGrossglocknerと左にHoffmanspitze (3722m)が見える。
Teischnitzbachの激流。日本の沢とは全く違う感じだ。
Teischnitzbachの激流。日本の沢とは全く違う感じだ。
正面がMuntanitz (3232m).
正面がMuntanitz (3232m).
少し山が低めだが、近くの山腹に緑がなければヒマラヤあたりの山に見えなくもない。この日はこの川(Kaiserbach) をさかのぼったところにある小屋に泊まった。
少し山が低めだが、近くの山腹に緑がなければヒマラヤあたりの山に見えなくもない。この日はこの川(Kaiserbach) をさかのぼったところにある小屋に泊まった。

感想

アルプスを歩いたのはこの1991年の山旅以降ありませんが、山小屋が充実していて快適に歩ける、というのが当時抱いた感想です。アルプスには夏場になると、ヨーロッパ一円、広くは世界各地から観光客・登山客がやってくるので、小屋もそれに応えるべく充実している、ということでしょうか。この時の山旅でも、行きのバスの中ではロンドンから来た女性、歩いている途中では、まだ分解していなかったユーゴスラビアから来た二人組などに会いました。

快適な二泊三日の山旅でしたが、この時の旅行は下界ではトラブル続きでした。直前のKreuzspitzeハイキングの後、パスポートをなくして、地元の人に届けてもらって事なきを得る、ということがあり、前の記録にも書きましたが、その後もトラブルが続きました。

8月9日の夜、インスブルックから列車で湖畔の避暑地であるZell am Seeに着いたのですが、ちょうどその日は「湖畔納涼祭」のようなお祭りの日で、Zell am Seeの宿はどこも一杯でした。仕方なく駅近くの公園のベンチで寝たのですが、その際に財布を落としてしまい、誰かが持ち去ったのか、こちらは探しても見つかりませんでした。当面必要な現金は別の袋に取り分けて持っていましたが、アメリカン・エキスプレスのクレジットカードが入っていたので、電話をかけてカードを使用停止にし、それからバスで山に向かいました。

山から下りて、Zell am Seeから次はザルツブルグ、その次はウィーンに向かいました。都市間の移動についてはユーレイルパスを持っていたのでお金がなくても大丈夫でしたが、手持ちの現金には限りがあり、クレジットカードはウィーンのアメックスのオフィスに行かないと再発行できません。ザルツブルグからウィーンに到着する頃には手持ちの現金はほとんど底をついていました。アメックスのオフィスに行くと、再発行には2日位時間がかかるといわれ、その途中で手持ちの現金が尽きました。ウィーン西駅で駅寝をして凌ごうと思ったのですが、深夜に駅員さんに追い出され、駅前の工事現場でグーグー寝て一晩明かす羽目になりました。

翌日カードは再発行され、現金を引き出して、さらにブダペスト、プラハへと楽しい旅をつづけることができましたが、つくづく自らの不注意ぶりに驚くとともに、よくも無事に行ってこられたものだと思います。若い時でないとできない旅行というのは確かにあるのです。

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