奥三界山・付知(つけち)川・東股沢より


- GPS
- 32:00
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 634m
- 下り
- 628m
コースタイム
6月17日C1標高700m(7:00)→魚止滝捲き終わり(9:00)竜ヶ髭二股(11:00)→百間滝(12:40〜13:30)休み(〜14:00)→林道にあがる(14:30)→不動滝駐車場(16:30)
アクセス | |
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コース状況/ 危険箇所等 |
美濃の松原と、初めて沢に登る。松原は幼少の頃より湧き水に心躍らせる渓谷好きだ。いまは湧き水の里、美濃の蕨生(わらび)集落にて一軒家暮らしをしている。 美濃東部の飛騨川流域はいわば木曽川との裏表。豊かな森にゴルジュの良い渓谷がある。御嶽山の南にある奥三界山は仏教的な命名が、なにやら登る気をそそられる。結果、沢はすばらしいのだが、林道でずたずたにされた上流部、遊歩道で興ざめの下流部、無用で野暮な堰堤の量がむごい沢だ。無垢な頃のこの川に来て、奥三界山まで遡行できたなら幸せなことだったろうな。 一日目 付知川の付知渓谷は、最近整備された渓谷遊園地の風情。木道の遊歩道とあずま屋が完備していて、この川の上、中、下流三カ所ある核心部の下流部分のゴルジュが、すべて遊歩道の上から俯瞰できる。それも承知で「名所」不動滝よりも下流から入谷する。 早々にゴルジュを泳いで突破、不動滝8mの左フェースはフリーで直登。シーズン初の飛び込み、滝登りに一挙に心臓が高鳴る。滝を登ると、はるか上に観光客のギャラリーがたくさん。梅雨時のせいで、水量が多い。小滝と淵を突破していくと、仙樽の滝8m、直登不能で遊歩道の吊り橋を渡り、上流へ。中ノ谷二股にはバンガロー村があり、しらける。その後延々河原を歩き、程良いところでテン場とする。堰堤が多い。 二日目 夕べの快適なたき火にウィスキーを飲み過ぎ、二人とも吐き気に耐えて棒ラーメンを食べ、出発。最初の核心は4mの魚止め滝。青島さんの野良犬通信の記述では、右へつって中央シャワークライムとあるが、水量が多くて全然ダメ。二人とも激流の中、粘りに粘って抜けられない。仕方なく左岸のイヤーな感じの草付きを高捲く。上空よりこの滝のすぐ上にも深い釜付きの3m滝を発見。まとめて捲くと、かなり時間を食いそうな上につまんないので、この間に懸垂で降りる。シーズン初の20m空中懸垂で、やっと度胸も付いてきた。降りたところは滝の落ち口でキケンなので、アンザイレンして松原君が釜に飛び込み対岸の右岸フェースにとりつく。一度ずぶぬれになった後は、飛び込み、シャワーとゴルジュの中を進んでいく。 沢が明るく、水がきれいだ。だが中流部では古い時代に作られた堰堤や、作って間もない巨大堰堤と側面の丸はげ斜面が顔を出し、右岸数百メートル上にある林道からの落とし物、鉄板やゴムホースが目に付く。竜ヶ髭谷分岐を越えてまもなく4m+7mの二段の激流ほとばしる滝。左フェースを登り、二段目は右フェースを抜ける。冷たい水しぶきをかぶりながらホールドを探すのはホントにスリルだ。その後美しい小滝、滑床を次々進み、この沢最大の百間滝35mをアンザイレン。右壁を松原君がトップで行く。後半の濡れたつるつるのフェースがいやらしい。滝上でしばしくつろぐ。 計画ではこの先詰めて奥三界山まで行こうとしていたが、林道がずたずたに入り、怒りと悲しみを増幅するのが目に見えていたのと、時間が押していたので、滝のやや上、いかにも林道の影響でできた崖崩れの斜面を登っていき、林道に出て、下ることにする。橋や石垣の様子などから林道は古い時代に造られたものらしいことがわかる。ここは森林資源で知られる木曽と裏表なのだから、さぞや名古屋営林局管内ではドル箱なのだろう。深い林道もうなずける。だが、渓谷からあがってきた身にはやはりむごい現実だ。林道から見る上流部は、伐採の後が虎刈り状態だった。 帰りの車は付知川から白川流域にぬけ、飛騨川との二股にある白川口まで行って、やっと食堂。白川は里山と調和した、のどかで良い川だった。釣り人だらけだったが。食堂は釣り人のおっさんだらけ。 |
写真
感想
美濃の松原と、初めて沢に登る。松原は幼少の頃より湧き水に心躍らせる渓谷好きだ。いまは湧き水の里、美濃の蕨生(わらび)集落にて一軒家暮らしをしている。
美濃東部の飛騨川流域はいわば木曽川との裏表。豊かな森にゴルジュの良い渓谷がある。御嶽山の南にある奥三界山は仏教的な命名が、なにやら登る気をそそられる。結果、沢はすばらしいのだが、林道でずたずたにされた上流部、遊歩道で興ざめの下流部、無用で野暮な堰堤の量がむごい沢だ。無垢な頃のこの川に来て、奥三界山まで遡行できたなら幸せなことだったろうな。
一日目
付知川の付知渓谷は、最近整備された渓谷遊園地の風情。木道の遊歩道とあずま屋が完備していて、この川の上、中、下流三カ所ある核心部の下流部分のゴルジュが、すべて遊歩道の上から俯瞰できる。それも承知で「名所」不動滝よりも下流から入谷する。
早々にゴルジュを泳いで突破、不動滝8mの左フェースはフリーで直登。シーズン初の飛び込み、滝登りに一挙に心臓が高鳴る。滝を登ると、はるか上に観光客のギャラリーがたくさん。梅雨時のせいで、水量が多い。小滝と淵を突破していくと、仙樽の滝8m、直登不能で遊歩道の吊り橋を渡り、上流へ。中ノ谷二股にはバンガロー村があり、しらける。その後延々河原を歩き、程良いところでテン場とする。堰堤が多い。
二日目
夕べの快適なたき火にウィスキーを飲み過ぎ、二人とも吐き気に耐えて棒ラーメンを食べ、出発。最初の核心は4mの魚止め滝。青島さんの野良犬通信の記述では、右へつって中央シャワークライムとあるが、水量が多くて全然ダメ。二人とも激流の中、粘りに粘って抜けられない。仕方なく左岸のイヤーな感じの草付きを高捲く。上空よりこの滝のすぐ上にも深い釜付きの3m滝を発見。まとめて捲くと、かなり時間を食いそうな上につまんないので、この間に懸垂で降りる。シーズン初の20m空中懸垂で、やっと度胸も付いてきた。降りたところは滝の落ち口でキケンなので、アンザイレンして松原君が釜に飛び込み対岸の右岸フェースにとりつく。一度ずぶぬれになった後は、飛び込み、シャワーとゴルジュの中を進んでいく。
沢が明るく、水がきれいだ。だが中流部では古い時代に作られた堰堤や、作って間もない巨大堰堤と側面の丸はげ斜面が顔を出し、右岸数百メートル上にある林道からの落とし物、鉄板やゴムホースが目に付く。竜ヶ髭谷分岐を越えてまもなく4m+7mの二段の激流ほとばしる滝。左フェースを登り、二段目は右フェースを抜ける。冷たい水しぶきをかぶりながらホールドを探すのはホントにスリルだ。その後美しい小滝、滑床を次々進み、この沢最大の百間滝35mをアンザイレン。右壁を松原君がトップで行く。後半の濡れたつるつるのフェースがいやらしい。滝上でしばしくつろぐ。
計画ではこの先詰めて奥三界山まで行こうとしていたが、林道がずたずたに入り、怒りと悲しみを増幅するのが目に見えていたのと、時間が押していたので、滝のやや上、いかにも林道の影響でできた崖崩れの斜面を登っていき、林道に出て、下ることにする。橋や石垣の様子などから林道は古い時代に造られたものらしいことがわかる。ここは森林資源で知られる木曽と裏表なのだから、さぞや名古屋営林局管内ではドル箱なのだろう。深い林道もうなずける。だが、渓谷からあがってきた身にはやはりむごい現実だ。林道から見る上流部は、伐採の後が虎刈り状態だった。
帰りの車は付知川から白川流域にぬけ、飛騨川との二股にある白川口まで行って、やっと食堂。白川は里山と調和した、のどかで良い川だった。釣り人だらけだったが。食堂は釣り人のおっさんだらけ。
実家のカレンダーの写真にもあった付知峡へ。岩質もあって(溶結凝灰岩)やや暗目の印象を持った。滝とゴルジュの配置程良く、また一見難しい滝も意外に登れてしまう不思議さ。百間滝は立派な存在だ。しかし、余りに痛々しい周辺の山の姿は、見るに耐えん。そんな訳もあり(時間的余裕も無く)奥三界山へは辿らず林道下山、白川にて焼きそばとビールで締めて、米氏に手を振った。
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裏木曽・付知川東股谷
パーティー;米山、松原
6/16 入渓(1130)泊(1400)
/17 発(700)百間滝(?)林道(?)車着(?)
実家のカレンダーの写真にもあった付知峡へ。岩質もあって(溶結凝灰岩)やや暗目の印象を持った。滝とゴルジュの配置程良く、また一見難しい滝も意外に登れてしまう不思議さ。百間滝は立派な存在だ。しかし、余りに痛々しい周辺の山の姿は、見るに耐えん。そんな訳もあり(時間的余裕も無く)奥三界山へは辿らず林道下山、白川にて焼きそばとビールで締めて、米氏に手を振った。
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