記録ID: 21821
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
富士・御坂
富士山(富士宮口)
2006年07月22日(土) [日帰り]


コースタイム
富士宮口五合目(01:30)→
天候 | お天気は、下界は曇りでしたが、5合目以上の全行程、ほとんど晴れでした。 |
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過去天気図(気象庁) | 2006年07月の天気図 |
コース状況/ 危険箇所等 |
たかが5800歩。されど5800歩。 富士山に登るには4方向からの登り方があります。 今回はメンバーが富士宮口の方面に仕事を持っていたので、富士宮口から登りました。 富士宮口の五合目は2400m。頂上までは約3km、標高差約1300m。 たいした数字ではないのですが、通常の地上では感じていない空気の薄さ、すなわち酸素が如何に人類の生存で大事かを身にしみて体験しました。 そして、「5800歩」。この数字は富士宮口五合目から富士山の頂上までの歩いた万歩計で計測した「歩数」だったのです。 我々一行(男4名)は、深夜に集合して、富士宮口の五合目にタクシーで1時頃到着しました。 真っ暗な駐車場でそらを見上げると、なんと「天の川」が目に飛び込んできました。昨年ハワイ島でみることができましたが、富士山の上とはまた格別でした。しかし、登り始めてからは天の川を眺める余裕は全くありませんでした。 7月の22日、お天気は5合目以上は全行程、ほとんど晴れでした。 富士宮口の「新5合目」には売店、食堂がありますが、深夜の到着なので真っ暗でした。この売店が開いていないことも誤算でした。というのも高度順応の為に、5合目で40〜50分程度休もうと思っていたからです。富士登山のハイシーズンにせめて屋根がある休息場所を準備してくださると助かるのですが・・・。 大きな富士山のルートが描いている看板から登山口が開始。記念撮影をしてから、いざ、出陣です。 そうそう、富士山は山岳信仰の山で、富士山自体が神様ですので、登り初めには「どうぞ、富士山に登らせてください。」とお願いし、頂上の浅間神社では、「登らせていただき、ありがとうございました。」とお礼を述べて、無事下山できることを祈願します。そして、無事に五合目に戻ることができたら、「本当に富士山に登らせていただき感謝してます。」と御礼をすることが肝要です。 さて五合目からゆるやかなカーブを歩くと、「ハイテクトイレ」があります。なにしろ環境省が二億円かけて作ったトイレだそうです。富士山ではトイレは全てチップ制(¥200)です。 ここを、01:40に通過しました。 「新6合目」は、少し急なのぼりを経てから、ずっと緩やかな坂が続き「標高2490m」の新6合目にへたどり着きます。 ここには01:50到着。たった400歩! ここ「新六合目」には、『雲海荘』と『宝永山荘』が並んでおります。 この新六合目を越えたあたりから、本格的な山登りとなります。 次の、山小屋の『御来光山荘』までは距離があるので、途中は十分休息をとることをお勧めします。といってもいやでも休憩しなければ登れませんが・・・! 7合目は、標高が2780mの『御来光山荘』には、03:00に到着!メンバーはかなりバテテきた模様。まだ「1750歩」でした。 この7合目を過ぎてからの登山道は砂礫の斜面が多く、また滑りやすいです。 ようやく2800mまで辿りつきました。 風がかなり強いのでつらい! 7合目を超える頃あたりがしらみはじめました。 また、3000mを超えると酸素が急に薄くなるのを感じるとメンバーの一人が云っておりました。 8合目の小屋に着いたときの自分の酸素飽和度は85とかなり少なくなっておりました。いわゆるドクターストップ状態です。しかし、過去に登山の経験により低酸素に素早く順応することができたので、急な動きをしない限りは大丈夫でした。 06:30 ところで、メンバーの中で一人は高度順応がスムースにできず、今回は下山することにしました。 山では登ることよりも下山する決断をするのが非常に大事です。山は逃げないので、潔い決断が遭難を回避します。 というのも山では自分一人ひとりが責任をもって行動し、頂上に行ったら、下山も自分の足で降りる必要があるからです。 大変賢明な選択でした。実際、頑張ると云ったら、全員で下山していたでしょう。 8合目から9合目はただただ目の前の小石と睨めっこしながら、一歩一歩、そしてまた一歩を牛歩のような進軍でした。この頃、メンバーの一人が「人生の中で一番辛い経験をいましている!」と叫んでました。実際、この辺りが本当に辛かったです。 9合目の雲海荘には07:30到着しました。 9合5尺の小屋には09:00ようやく到着。もう一息なのでゼリー状エネルギー補給剤でエネルギーの補給をして出発しました。 最後の小屋を後にして、目の前にそびえたつ頂上を目指した最後の踏ん張りでした。 頂上直下には山道における最終の鳥居があり、それをくぐると「やったぜ!富士は日本一の山」(Goal! You’ve Come a long way!)の看板があり、記念撮影をしました。 ついに山頂!10:15登頂!しかし、5合目からはたったの「5800歩!」。1万歩は超えたかな?と思っていたので以外でした。でもこの一歩一歩が偉大な一歩なのです! 頂上に着いてから、浅間大社奥宮の鳥居をくぐり、無事に登頂できたことの御礼をいたしました。 浅間大神(木花之佐久夜毘賣命・このはなさくやひめのみこと)は女性の神様とのことです。なお、奥宮ではご朱印をいただきました。なんとご朱印をいただくには地上の3倍強をお納めさせていただきました。富士宮口の山頂にある山小屋の「頂上富士館」では、「赤いキツネ」をいただきました(なんと、金800円也)。 また、富士山頂郵便局から登頂記念の葉書「登頂証明書(ただし、自分で記入するのですが・・・)」を家内に送りました。 公衆トイレは頂上富士館の裏側にあり、7月の中旬にオープンしたばかりの真新しいトイレでした。トイレの管理人さんに、このトイレが開設してからようやく一週間ぶりに晴れたので、今日は太陽をいっぱい浴びているといっておりました。 富士山の旧測候所までは約300mですが、疲れ果てて断念しました。また火口を一周するお中道めぐりも下山の体力のことを考え、断念し、次回に持ち越すこととしました。 「これから下山!」 富士宮口は同じルートを下山するので、登り優先の登山道では、途中の待ち時間があるので、砂走りを楽しみたい方はこのルートの選択をしないことをお勧めします。 下山の途中開始に古傷の膝が痛みだし、大丈夫かな?なんて心配しました。 さらに、メンバーの一人が転倒した際に、右手で全体重を受けたみたいで、一瞬冷や汗ものでした。9合目の小屋で暫く休息してから下山を再開しました。 ひたすら無言の下山をし、ようやく5合目にたどり着いたのは15時半を回っておりました。本日の行軍は約14時間。休息が頂上で1時間、あとは数え切れないほどの休息でようやく富士山の頂上を制覇することができました。 五合目では先に下山したメンバーが迎えてくださいました。 タクシーを待つ間は、本日昇った富士山が聳えておりました。通常は山から降りてすぐに、バスとかに乗るので、たった今征服した山をじっくり見ることはないのですが、感無量でした。 20代の頃に北アルプスを縦走していたので、歩くことは苦にならないのですが、やはり登りだけの8時間は身体と精神的なものがしっかりしていないと無理なのでは?と痛感しました。 やはり、富士山は信仰の山であり、登りの途中には修行の山というスピリチュアルを実感しました。必ず頂上に立つという強い信念と精神力そして、体力と天候が上手く合致しなければ、なかなか極めることは大変とつくづく思ったしだいです。 また、今回は腹式呼吸(息をゆっくり「スーッ」と吐いてから、おなか一杯に空気を吸うを繰り返す。)をして酸素をできる限り肺に送りこむようにいたしました。 今回の登山では、携帯酸素とステッキが大活躍しました。 また、20年前にはステッキは普及していなかったのですが、今回両手のステッキを持ち、登りと下りにとてもとても重宝しました。 最後に、富士登山はけっして甘くみてはいけません。やはり、修行の山と思って、健全な体力と健全な精神が必要と思いました。また、予定には余裕が必要です。メンバーは第一線で仕事をバリバリしている面々でしたので、前日までの激務が登山に響きました。 次回には深夜、途中の山小屋でゆっくり仮眠をして、明け方から登り始める方が体力の消耗、高度順応の点からベストではないかと思った次第でした。 我が家のキッチンの窓からも真冬には富士山がみえるので、はやく富士山を我が家から拝みたい気持ちで一杯です。 50歳を記念して富士山に登った夏の思い出でした。 |
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