槍ヶ岳敗退



- GPS
- 15:52
- 距離
- 23.1km
- 登り
- 1,730m
- 下り
- 1,714m
コースタイム
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 6:29
天候 | 1日目雪 2日目晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
今シーズンはテン泊でスキーがしたくてあれこれ試行錯誤中で今回初めてテン泊装備を背負って新穂高に来た。タナケンは60Lのザックパンパン&全方位外付けでいったい何が入っているのだと問い詰めると鍋セットを持ってきたという。マジか、雪の中ギリギリ2人用のクロスオーバードームの中で鍋をするとはなかなかクレイジーだ。背が高い方のODガス缶の上にバーナー付けてそのでかい鍋を沸かすとか多分倒れるかな。そして結露もやばいと思う。そのテントを使うたびに鍋の匂いがするかも。
というわけで槍平の冬季小屋を覗くと誰もいなかったのでここを使わせてもらうことにした。誘惑に負けたのだ…
寝袋などの荷物をデポして夕方まで暇すぎるので奥丸山にでも登ることに。
調子が良かったらそのまま尾根を歩き飛騨沢を滑ろうかということになった。雪も強くなりガスでイマイチ視界が悪い。地形が見えず取り付きがよくわからないので歩きやすいところを詰めたらいきづまった…急斜面を巻いて尾根に上がろうとしたところで目の前の雪に亀裂が入った。死んだと思った。時間が止まったような数秒後に上からめっちゃ雪が流れてきて全身で受け続けた。気づくと下にいたタナケンの隣に腰まで埋まって立っていた…速攻でシール剥がして直滑降で降ったけど雪が深くて滑らない。ゴーグルも着けてないから顔が冷たい。凹んだ。寝る準備をしてふて寝した。恥ずかしいから言わなかったけどめっちゃ怖い夢にうなされた。
夕方男性1人が小屋に到着したので起きたらけっこう積もってる。除雪して静かに鍋パーティー。タナケンの4次元ザックからビールも出てきて下界と変わらない。腹一杯になると全てがどうでもよくなった。こうなると山にいる理由がわからなくなる。家でいいじゃんって…
20時頃2人組みが雪まみれで小屋に到着した。かなりサバイブしてきたようで自分らは携帯電波ない場所で半日ボケてたからけっこう焦った。まあなんとか大丈夫そうで良かったです。
2日目朝起きて外に出ると天気が良すぎる。タナケン叩き起こして昨晩の鍋の残りを火にかけアルファ米をぶっ込み雑炊を作った。卵と海苔もあるのでマジでうまい。腹がいっぱいになりすぎて二度寝したくなったがなんとか準備して外に出た。
小屋は誘惑が多過ぎてダメだw
うちにいるよりゆっくり休んだしコンディション完璧すぎて時間も余裕だし今日は間違いなく落とせると信じてやまなかった。しばらく沢床を進んでいくが吹き溜まりで雪が深い。おまけに両サイドから崩れると生き埋めになるかもしれないので千丈沢乗越の尾根を目指して高度を上げる作戦にする 昨日のこともありかなりビビってる。
トラバース気味に行くと木々がなくなり相変わらず膝下ラッセルで斜度も上がるしスキーのトレースが切り取り線になっている気が…
稜線から吹き下ろす風が雪を撒き散らし大斜面が波打って見えたり流れ落ちる滝のように見えたりマジ不気味。一歩一歩がマジで怖い。
ん、足元がズレたたような気がして固まる… 後ろのタナケンが今バフって言いましたよね?とか言ってくる。もう無理だった。そっと滑走準備をした。タナケンヒールのビンディングが入らず焦ってめちゃバンバン蹴り込んでる、やめてくれw
見に行くとブーツのかかとの溝が完全に凍りついていた。ウィペットでガリガリほじって取った。滑り始めるが昨日と同様埋まって滑れない…ジーニアスとポンツーンでスタックするとかもう無理です勘弁してください。そしてトドメは槍平からシールを貼ってラッセルですわ。今日は天気がいいから誰か上がってくるかなとか淡い期待もむなしく穂高平の夏道分岐までひたすら丸一日ラッセル(タナケン元気すぎるので7:3くらいで回すq:)
今年はラッセルしてないとか嘆いてたら10倍増しくらいで願いが叶いました。神様ありがとう。
追記:初日に登った場所辺りは小屋まで到達するようなでかい雪崩がたびたび起こる場所だと知った。無知は怖い…
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