自主山行 笠ヶ岳
コースタイム
【一日目】バス新大阪8:00〜新穂高ロープウェイ16:00→わさび平小屋17:10
【二日目】わさび平小屋03:55→秩父沢05:40〜05:55→鏡平小屋8:30〜9:00→弓折分岐10:05〜10:35→抜戸分岐14:50→笠ヶ岳山荘16:30
【三日目】笠ヶ岳山荘06:10→笠ヶ岳06:30〜06:50→笠ヶ岳山荘07:10→抜戸分岐8:45→杓子平11:00〜11:30→笠新道登山口15:00→新穂高温泉(佳留萱山荘)16:30
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
写真
感想
自主山行、7名で笠ヶ岳に行ってきました。最高のお天気・最高の景色堪能しました!
360°の大パノラマ、はるか富士山まで望めました。
「一度は行きたい笠ヶ岳 二度とは行かない笠ヶ岳」メチャクチャ ハードな山でした。
昔、明石家さんま主演の「男女7人夏物語」というトレンディドラマがあったがトレンディに程遠い男女7人が北アルプスの笠ヶ岳を計画しました。
当初の計画では笠新道を通って笠ヶ岳行く予定でしたが、偶然にも、私達と同じコースを先行された山の会の先輩が肌で感じたアドバイスを私達にくれました。笠新道を通って笠ヶ岳を目指すなら「死ぬ気で登りなさい」・・・。要は難行苦行であるということ。難行苦行が苦手な私達は先輩のアドバイスに従い距離は倍以上も遠い小池新道を迂回することにしました。この時点では小池新道コースにも難行苦行が待っているとは露知らずの7人組でした。
【1日目】新大阪発新穂高ロープウェイ直通のバスに乗り込む。8時間余りバスに揺られ新穂高ロープウェイ着。今日の目的地わさび平小屋へ。わさび平小屋は山小屋であるが里に近いせいか民宿の風情がある。風呂も有り、石鹸も使える。部屋も大部屋であるが1部屋私達にあてがわれる。明日からの山行の無事祈ってまず乾杯。
【2日目】本来ならば、寝静まっている時刻なのだが今日の行程を考え3時に起床。3時55分わさび平小屋を後にする。足は動いているが体は眠っている状態。ヘッドライトを付け足元を照らす。目を上に転じれば満天の星が輝いている。坂本九の「見上げてごらん夜の星を♪♪」をいつしか口ずさんでいた。夜が明け、周りの山あいが姿を現す。焼岳、遠くには乗鞍岳、御獄山の雄姿がそびえ立つ。小池新道から鏡平小屋に近づくに連れ、西穂高岳、ジャンダルム、奥穂高岳、北穂高岳、大キレット、南岳、中岳、大喰岳そして、北アルプスの盟主、槍ヶ岳の全容が明らかになりました。過去3度、雨やガスに泣かされ、ただ北アルプスに行っただけだったが、4度目にしてこれらの雄姿を眺める。そして鏡平小屋から眺める槍ヶ岳は神々しい威容さで私達を魅了してやまない。
しかし、魅せられた槍穂連峰も弓折分岐までだった。弓折分岐から笠ヶ岳山荘までは稜線歩き。ネットで見る限り稜線は穏やかであったが、実際歩いてみるとゴロゴロ石の稜線。弓折分岐から最初のピーク弓折岳。ピークで笠ヶ岳が見えるかとおもいきゃ見えない。がっくりしながら次のピークを目指す。次のピークは先ほどよりも高度がある。高度計を見ると2650mを表示。地図を見ると大ノマ岳。今度こそ笠ヶ岳が見通せるかとピークに立つ。しかし笠ヶ岳は見えない。またしてもがっくり。それからアップダウンの繰り返しが何度か続いた。
しかし笠ヶ岳の山容は現われない。歩きだして8時間、そろそろ疲れもピークにかかろうとしたとき、ガレ場から「雷鳥」が姿を現わす。勇気づけてくれる。稜線分岐に差し掛かると遥か遠くに笠ヶ岳。余りの遠さに気が萎える。日が暮れるまでに山小屋に着かなければと気を取り直し笠ヶ岳山荘を目指す。抜戸岩をくぐると笠ヶ岳山荘の赤い屋根そしてカラフルなテントが岩場に張り付いているのが視界に入る。青息吐息でようやくキャンプ場にたどり着く。キャンプ場の岩に「ガンバレあと一息」の文字。文字に励まされ、笠ヶ岳山荘に到着。所要時間12時間30分。地図のコースタイムは9時間だった。疲れた!
【3日目】4時起床。小屋から槍ヶ岳の御来光に手を合わせる。ザックを山荘に預け、笠ヶ岳山頂へ。そこで待っていたのは360度の大パノラマの展開でした。昨日の難行苦行もこの360度の大パノラマを観る為への1里塚だとおもえば納得。これらの360度の大パノラマは笠ヶ岳ならではの景観。遠くは富士山、御獄山、白山、目前には北アルプスの名峰が360度展開している。乗鞍岳、薬師岳、立山連峰、劒岳、黒部五郎岳、槍ヶ岳、穂高連峰、焼岳等々。感動は、つきないが笠ヶ岳を後にする。笠ヶ岳山荘に立ち寄り水を補給し下山準備をする。当初、下山コースはクリヤ谷を下山し中尾高原口に出る予定だった。小屋の人に下山コースを相談するとクリヤ谷コースは中上級者向きで、下山する人は1割にも満たない。殆どの人が笠新道で下山。それに雨などで増水するとクリヤ谷は渡れないことも有りうるとのこと。ミィテイングの結果、笠新道で下山に変更。抜戸の分岐までは来た道。キャンプ場の岩に「サヨナラ」の文字が私達を見送ってくれた。ガレ場を出ると稜線が遥か遠くまで見渡せる。その先に槍ヶ岳。絵になるカットである。しかし、よく歩いたものだ。
笠ヶ岳の大パノラマの景観もよかったがこの稜線から見渡す北アルプスの景観も素晴らしい。笠ヶ岳独特の笠を伏せたような山相もくっきり浮かんでいる。往きは疲労困憊で景観も目に入らなかったが、帰りは達成感がなせるわざか自然に景観が目に入る。稜線を離れ笠新道の分岐。ガレ場の急坂を慎重に足を運ぶ。ガレ場の間からまたしても「雷鳥」が姿を現わす。別れを惜しんでくれるかのごとく。ガレ場を過ぎ高山植物が散在しているお花畑の杓子平で昼食。北アルプスの自然を愛でながら食後のコーヒタイム。贅沢の極み。しかし景観を愛でる余裕もここまで。杓子平から樹林に囲まれた急斜度の下りの連続。これが登りだとまさに難行苦行の世界。先輩の言葉が蘇える「死ぬ気で登りなさい」・・・あながち誇張でなかったと実感する。下りでよかった!ようやく笠新道の登山口に下り立つ。自主山行のもう一つの目的、佳留萱山荘へと向かう。
山荘の露天風呂に身をゆだね、山行の疲れを取る。疲れも取れ反省会。反省会の席で山荘の女将がどこの山に行かれたのですかと聞く。笠ヶ岳と答えると、女将は「一度は行きたや笠ヶ岳、二度は行きたくない笠ヶ岳」といった。7人の男女は声をそろえて「はい、そうです」と答えた。(HA、UN)
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