夜叉が池(過去レコです)。
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- GPS
- --:--
- 距離
- 5.9km
- 登り
- 622m
- 下り
- 616m
天候 | 晴れのち雨。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
左程の危険個所はありませんが、ロープの掛けられている場所もあります。 |
写真
感想
2009年9月12日の土曜日、大学時代のクラス会が開かれるのを機に、親友のSさんから「クラス会の翌日に三周ヶ岳に登ろう」とメールでお誘いがあり、二つ返事で一緒に登ることにした。クラス会ではいい年をしたおっちゃん達が学生時代に戻り、しこたま飲んで楽しいひと時を過ごした。翌9月13日(日)、朝7時前Sさんを旅館まで迎えに行き、一路揖斐へ。昨日は大雨だったが、天気予報では今日は晴れ。でもザックには雨具も入れ、ツェルトに防寒服、水2Lと弁当に果物、日帰り登山にしてはしっかり装備している。R303を走り、坂内村の川上から入った池の又林道は落石がゴロゴロ転がっている。細い山道、対向車が来たらどうやってすれ違うのか心配しながら運転し、幸い誰とも出会うことなく無事終点の駐車場に到着。駐車場には、すでに数台の車がとまっており、これから登る準備をしているグループもいる。8時50分、駐車場から沢に下り、沢に掛けられた木橋を二つ渡る。雑木林には秋の気配がほのかに漂っている。沢から岩肌に刻まれたステップの登り、これから始まる急な勾配の連続Sさんはいつものようにドカドカと登って行くが、二日酔い気味のわたしにはつらい。Sさんの姿は見えなくなり、あとから来た人にも追い越される。汗がタラタラ、心臓バクバク。花の写真を撮っているSさんに追い付くも、すぐに再び差がついてしまう。でもわたしはマイペース。30分程すると昨晩のアルコールも抜け、身体も慣れ、心臓も落ち着く。花の写真を撮りまくっているSさんを置いて先に登る。ブナとコナラの山道は勾配も緩やかになり、アップダウンを繰り返しながら、Sさんの靴音も聞こえなくなったがかまわず先に進む。振り返ってもSさんの姿は見えず、しばらく待ってもやってこない。何かあれば大声を出すだろうと、一人調子良く進む。山側から流れ込む沢が幾筋も現れ、それらは全て白い日傘を広げたようなセリ科の花で埋め尽くさている。登山道の脇には至るところに湧水があり、紫色のツリフネソウが惜しげもなく咲いている。1時間程で幽玄の滝に着き、ここでザックを下ろしてひと休み。しばらくするとSさんもやってきて滝をバックに互いのデジカメで撮り合う。幽玄の滝から少し登ると夜叉壁を仰ぎ見るようになり、そして昇龍の滝が現れる。昨日の雨で水量も多く、長い壁をつたって流れ落ちるさまはまさに昇龍、夜叉ヶ池の龍神伝説を思い起こさせる。ロープの付けられた岩場が続き、濡れた斜面を慎重に登る。ここを登るのは3度目だが、こんなに険しかったかな。この前は雨で風も強く、今日よりコンディションは悪かった筈だが何とも思わなかったのに。花の写真を撮りまくってなかなか来ないSさんを、県境稜線上で待って夜叉ヶ池に降りる。木道沿いに見慣れぬ花が咲いている。Sさんが、「バーソブか、ジーソブ」、と説明してくれる。池には今の季節にふさわしくないオタナジャクシの群れ。以前来た時には、モリアオガエルの卵が池の端の枝からぶら下がっていた事を思い出す。このオタマジャクシ達、いつカエルになるのだろう。木道に座って池を眺めていると、福井県側から腕章をつけたおじさん二人がやってきたので話しをする。おじさん達はボランティアで夜叉ヶ池のパトロールをしていると云う。この池にしかいないヤシャゲンゴロウとその生息環境を守るため、毎月1回は登って来て水質調査や自然環境の調査をしているとの事。「バーソブとジーソブの区別は難しく、今度専門家に聞こうと思っている。一般の人にはツルニンジンと云うと覚えてくれる」、とか、「今、池の中にいるオタマジャクシは寒くなったら死んでしまい、カエルにはなれない」、とか、「先日東海テレビの東海の秘境という番組で夜叉ヶ池が紹介され、それから訪れる人が多くなった」、とか色んな話しをする。Sさん、「わたしもそれを見て来る気になった」。な〜んだ、そうだったのか。三周ヶ岳まで行くのは止め、ちょっと早いがここで昼食を摂ることにする。オムスビを食べ、ナシを剝いてデザートにする。帰りはわたしも花の写真を撮りながら下ることにする。Sさんが全部花の名前を教えて呉れる。池のまわりでツルニンジン、カメバヒキオコシ、テンニンソウ、ヤマアジサイ。池から登って三周ヶ岳方面に足を伸ばし、夜叉ヶ池を俯瞰する。リンドウはまだ蕾だが、ホツツジ、ミソソバが咲いている。雲行きが怪しくなり、風が出始め、Tシャツ一枚では寒いほど。11時半に下山開始。岩場には、カライトソウ、イワショウブ。幽玄の滝には、登って来る時には気がつかなかったダイモンジソウが群れ咲いている。面白い形の小さな花たち、ヤマジノホトトギスは2階建て、モミジハグマはかざ車のよう。それにしてもSさんは、どんな小さな花でも知っている。下りでは、何組もの人達と行き交い、昼過ぎになっても登って来る人も多い。紅葉にはまだ早いこの季節なのに、夜叉ヶ池は今、大人気。途中、雨がポツリと降り出し、やがて本降りとなるも上空は明るい。登山道にはブナの枝が被っているので左程濡れないので雨具は着ずにそのまま下る。雨は降ったり止んだり、駐車場に帰り着いた時は青空となっていた。全ての花の写真を撮りながらであったが、下りは1時間半の行程であった。帰りに道の駅「ふじはし」の日帰り温泉で汗を流し、ビールはぐっと我慢して帰途についた。
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