爺ヶ岳 2670m
天候 | 晴れ、曇り、雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2006年09月の天気図 |
写真
感想
9/12(火)[鹿島槍ケ岳から続く]4時過ぎに目が覚める。窓の外を見る。一面濃いガスだ。
雨でないのはいいとしても、ご来光は期待できそうもない。
今日は、扇沢発10:55のバスに乗りたい。5時に出れば、約6時間ある。足が疲れているとしても余裕だろう。準備を整え、大もすっかり出して玄関へ。食堂では食事が始まっている。ここは早い。5時からだ。朝昼兼用の弁当を受け取って出発。5:15だ。
玄関を出て食堂の前を通る。昨夜の夕食と同じメンバーが食事をしている。
林の中の道を降って行く。間もなく最低鞍部となり、爺ヶ岳への登りとなる。
未だ明けきっておらず、その上一面濃いガスで暗澹たる感じだ。
今日は流石に足が疲れている。傾斜は急ではないが登りはこたえる。でもこの登りは多少アップダウンがあったにしても標高差せいぜい300mだ。先ずはゆっくり登って身体を馴らすことだ。
北峰らしいピークは中腹を巻いて行く。道は稜線から西側に少し下がった所に付いている。暫らく行くと最高峰である中央峰への分岐点、巻き道を右に別けて山頂へ上って行く。
一頑張りで頂上に着く。ガスが濃くて何も見えない。写真を撮って、咽喉を潤すだけで下山にかかる。今朝受け取ったおにぎり2つのうちの1つを、歩きながら食べるようにポケットに入れる。昨夜同宿の3人のパーテイが登って来た。彼らは食事を終え、もうここまで来たのだ。ドマノの人たちはゆっくりしているようだ。
細長い山頂を反対方向に降りて行く。間もなく道は平坦となり、緩やかにアップダウンする。暫らく行くと左手に3つ目のピークである南峰だろう、小高く聳えている。これは中腹を巻く。
暫らく行くと這い松帯となり視界が開ける。行く手に種池山荘だろう、赤い建物が見える。
雷鳥が居る。カメラを向けても逃げない。人間は危害を加えないことを知っているのだろう。その間に3人のパーテイが追い越して行った。
ガスが濃くなって種池山荘は見えない。雨がポツポツ降ってきた。種池山荘で一休みして、序でに雨具を着ることにしよう。
道が稜線の左側になり巻くように行くと種池山荘に着いた。7:40、略予定通りだ。
3人のパーテイは丁度出発して行くところだ。
中に入ってみる。誰もいない。玄関の隣の土間の部屋で休ませてもらう。
水分を補給。雨具を着て、今朝もらったおにぎりをポケットに入れる。
扇沢への道は玄関から真直ぐ下って行く。7:50だ。扇沢発が10:55だから、3時間ある。
ガイドブックでは2時間40分だから余裕だ。
いきなり結構急な坂だ。間もなく樹林の中となる。
暫らく降って行くと「石ベンチ」がある。
更に降って行くと「一枚岩」という看板が大きな樹の幹にくくりつけられている。周りは樹林の中で、一枚岩は見当たらない。そのような岩があるような雰囲気でもない。
右側の視界が開けた。「滑落注意」「落石注意」の看板が立っている。右側は切れ落ちて、下は扇沢の谷である。せせらぎの音が聞こえる。せせらぎというのには大きすぎるのだが。左側は崖が切り立っていて、崩壊していて石だ落ちてきそうな所もある。
崖の中腹を横切って付けられた道を緩やかに降って行く。
谷の下手に扇沢の駅がありそうな感じだがガスで見えない。
道端にケルンがある。「ケルン」という看板も立っている。「扇沢40、3,30種池山荘とある。今9:50、余裕だろう。明日明後日の筋肉痛を少しでも軽くするためにも、ゆっくり、足に負担をかけないで降ることが大事なのだ。
「八ツ見ベンチ」の看板がある。晴れて折れば、ここから八峰キレットがみえるのだろう。
扇沢のせせらぎが益々大きくなってきた。急な坂をジグザグに降って行く。
扇沢が見える。ダムがある。下手に扇沢大橋が霞んで見える。登山口だ。
「爺ヶ岳登山口、標高1350m、扇沢駅まで15分」とある。
道路の向こう側に車が4、5台停まっている。そこから年配の男性がやって来て、笑顔で話しかけて来る。
「団体に会いませんでしたか」
「会いましたよ、ノマドの」
「女の人が迎えに行ったけど・・・」
「鹿島槍の吊尾根で会いましたよ」
「僕の家内です。ノマドさんには去年幌尻へ行った時お世話に・・・」
「幌尻に行ったんですか。僕札幌ですよ・・・」
10時35分になってしまった。急ごう。雨が強くなってきた。
舗装道路だが結構な上り坂だ。駅の標高は1420m、標高差が70mもあるのだ。
やっと駅に着く。10時48分だ。
切符売り場へ直行。扇沢行きのバスは右奥です、と。いわれた通り行ってみると切符売り場があり、その前にバスが停まっている。間に合った。バスは空いている。
登山スタイルの人も4,5人いる。ただし全く濡れていない。今朝室堂の方からずっと乗り物で来たのだろう。
水道があったのでボトルに水を詰める。
バスは、何回か乗った見覚えのある道を走る。定刻11:30少し前に大町に着く。
駅で東京までの乗車券と松本からの急行券を買う。
尾久へ電話する。留守で、留守電を入れる。
上り列車が出発した。あれ?ここで、時間がたっぷりある、と勘違いしていたのだ。
考えてみれば6分しかなかったのだ。
あれに乗っておれば、松本発12:54、新宿着15:37で、尾久でちょっとゆっくりできるところだったが、1時間ほど損してしまった。
12:05まで時間があるので、駅前へ出てお土産を買う。
大町発12:05の電車に乗る。山側だけがボックスの車両だったので4人掛けのところに高年の女の人がいたがその向かいに座る。ここしか空いていなかったのだ。
その人は熱心に「大糸・・」というミニ地方紙を読んでいたが
「山へ行って来たんですか?」「五竜から鹿島槍、爺ヶ岳を縦走しました」。
控えめな人だったので、途切れ途切れだったが、松本に着くまで話をすることとなった。鹿島槍も爺ヶ岳も登ったことがある、と。一緒に登る人が居ないので何処に行ったらいいかわからない、とも言う。「山愛好者のグループに入ったらいいですよ」と応えた。
松本に着く。ここで時間が40分ある。尾久へもう1度電話する。今度は由美子さんが出る。
昨夜山小屋から電話したが、電波の状態が悪くて通じなかったことも伝える。
雨が降っているので、駅まで迎えに行くからついたら電話呉れ、と。
東京からの「あずさ」が入って来た。これが新宿へ引き返すのだ。掃除をする間暫らく待ってから乗り込む。
自由席も空いている。雨具が未だ乾ききっていないので前の座席の後ろに引っ掛けて置く。ヤッケも少し湿っているので着乾きといこう。
もう一つは、今夜はおそくて、明日の朝は早いから、電車の中で少しでも寝ておくことだ。
体を冷やさないように多めに着こんで、座席をリクライニングにして目にハンカチを当てる。以前はこの時期の列車は、僕には冷房が効き過ぎだったが、クールビズが言われだしてからは気にならなくなった。
目が覚めたら八王子だった。1時間以上眠ったようだ。
新宿について尾久に電話する。結梨が出て、向かいに大きなパチンコ屋がある出口で待っておれ、と。山手線に乗り換えて田端で降り、いつもの出口へ。出てみると確かに道路の向うに大きなパチンコ屋がある。間もまく由美子さんの車ややって来て、助手席に結梨が乗っている。乗り込んで、5分ほどで尾久の家に着く。
陽太郎はテレビを見ていたようだ。そのうちに泰夫も帰って来て、みんなで夕食。
6:30陽太郎が剣道の稽古に行くのに一緒に乗って田端まで送ってもらう。
今回は縦走も無事果たし、尾久にも寄れたし、充実した旅だった。
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