武利岳 1876m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2005年08月の天気図 |
コース状況/ 危険箇所等 |
8/5(金) 桑園−札幌IC−(道央道)−旭川JCT―(旭川紋別道)−上川−大雪ダム−銀泉台−奥の平―コマクサ平―第4雪渓―赤岳―小泉岳―赤岳―第4雪渓―コマクサ平―銀泉台―石北峠−丸瀬布・道の駅 |
写真
感想
目が醒める。5:40だ。空は狭いがすっきり青空である。昨日の白雲岳のガスと風が恨めしい。昨日は久しぶりで、いきなり標高差約1100mの上り下りだった。然も昨夜は久しぶりの車中泊、疲れが残っている。足も筋肉痛だ。気力は充実しない。ただ、1日休めば何とかなりそうな気がする。今日の武利岳は偵察ということにして、後日また来るとしよう。
車中泊は矢張り大変だ。今夜は温根湯温泉・ビジネス観光ホテルにしよう。電話すると、幸い予約が取れた。
道の駅を後に、昨夜の道を引き返す。昨夜は不安で淋しい気持ちで通ったが、今日は日が照って明るい。
途中、山彦の滝を見学。広い駐車場があり、トイレもある。山道を200m登る。これが結構応える。滝は水量が少ないが、薄くて、レースのカーテンを吊り下げた感じだ。落差は、28m一気に落ちていてなかなかの迫力だ。滝壷から飛沫が流れている。
国道を500m行った所にまた看板があり、鹿鳴の滝だ。今度は駐車場がない。路側に止め、山道を200m登る。この滝は途中で幾筋にも分れ、規模も小さく、3段に別れでいるので、滝としては見劣りがする。
国道から別れ、林道に入る。走り易い道が続く。
やがてガタガタ道となり、ジグザグに坂道を登って行く。
登山口に着く。広い駐車場があり、鳥居と祠がある。車が5台止まっている。
早速準備をしていると、若いカップルが準備を終えて登って行った。
僕も、祠に手を合わせてから出発した。しっかりした車道が続いている。やがて坂が急になり、石もゴロゴロしていて、4WDでもやっと、という感じだ。
1合目に着く。車道はここまでだ。ただしここまで車で来る人はいないようだ。
もう少し行ってみよう。踏み均された歩き易い道が続いている。いきなり凄く急な所もある。先ほどのカップルは遥か先に行ったようで、鈴の音も聞こえない。
2合目に着いて、一休みする。「3合目は見晴らしのいい岩場」となっている。3合目まで行ってみよう。急な登りが多くなる。
大抵は樹林の中で日陰だが、所々陽射しが照りつける。今日は、昨日の疲れのクーリングダウンの意味もあるのだからと、ゆっくりゆっくりと心がけていたが、それでも汗が流れる。道端に岩が目につくようになり、3合目が近い感じだ。
やっと3合目に着く。岩場というほどではないが、右側が切れ落ちた崖で、高度感もあり、見晴しがいい。
もう少し行ってみたい気もするが、ここで引き返す。
復路、誰にも会わない。時間的に、これから登る人はいないのだ。
登山口駐車場は、出発した時と全く同じ状態だった。地下足袋を脱ぎ、荷物を納めて出発。温根湯温泉を目指す。
ビジネス観光ホテルはこの前礼子と一緒に泊まったホテルだ。
早いからだろうが、ホテルの駐車場は今日もがら空きだ。
早速風呂に入り、脚を屈伸したり揉んだりする。
8/7(日)今日は武華岳だ。疲れも脚の痛みも少し残っている感じだが、今回の4つの中では1番易しい山だ。宿に連泊を申し込んで出発。
途中、今日武利岳にしよう、という考えが浮かぶ。体調さえ良ければその方が道順がいいのだ。それに奥深い山だから日曜の方が登山者もいて心強いだろう。武華岳は国道から近いからウイークデーでも人が登るだろう。不安はあったが、今日は武利岳、と決める。
登山口に着くと、今日も車が5台止まっている。準備していると1台やって来て、高年男性が2人降りて来た。挨拶をして先に出発する。
1合目で休んでいると、快調な鈴の音が聞こえる。先ほどの2人だ。快調な歩調で、挨拶だけして休まずに登って行った。僕よりかなり年上と見たが、元気な人たちだ。
明日、明後日もあることだ、ゆっくり、エネルギーを温存しながら登ろう。
初めは上の方で2人の鈴の音が聞こえ、姿も見え隠れしていたが、やがて鈴の音も聞こえなくなった。
2合目を過ぎ3合目が近い所で2人が休んでいる。「どうぞ」と道を譲られたが、僕も一緒に休む。暫らく話し込む。
僕が、「13年生まれです」というと「何時の?」と。「昭和」というと、「我々は大正14年だ」と。80才だ。それにしては元気だ。
2人のうちの1人(以後Aさんという)はかなりのベテランで、道内の山は勿論、本州でも、鳥海、早池峰、岩手山など登った、と。
3合目を休まず通過、僕にとってはここからは未知の世界だ。ここからは尾根で、崖を攀じ登る所もある。中年のカップルが下りて来た。このピ-クを越えて、一旦下がって、その向こうが頂上だ、と。まだやっと4合目なのだ。でも焦る事はない。
5合目、6合目は惰性で登ったように思う。
ギザギザした尾根が続いていて、その中央部が頂上のようだ。その尾根を5人の登山者が声を掛け合いながら登っている。
7合目でAさん達が休んでいる。少し前に休んだばかりだったので先に行く。この辺りから高山帯となり、岩礫剥き出しの痩せ尾根となる。小ピークの連続で、鎖のかかった崖もある。
これまでこの山は、ガイドブックでしか知らなかったが、この険しさには驚いた。愛別岳などに匹敵する。
8合目を過ぎ、もうそろそろ9合目か、と思うがなかなか9合目の看板がない。
そのうちに行く手のピ-クに小さな物が立っている。頂上のようだ。
小ピークを幾つか越え頂上に着く。先行の5人が弁当を拡げている。年配の男性1人、若い男女各2人である。ストーブで調理している。カボチャスープが美味しい、などと、賑やかに頂上での食事を楽しんでいる。
この頃から急にガスが押し寄せてきて視界が悪くなる。展望も利かない。
写真を撮ろうとしたら、若い女の人が、主人らしい人に、「撮ってあげたら」と。
それでは、とカメラを渡そうとしたがレンズが出てこない。電池切れだろう。
一昨日からとりまくったから。予備の電池は車の中だ。
食事をしているとAさん達がやって来た。
話の弾みで、写真が撮れないことを話す。するとAさん、撮って送る、と。箸の包み紙に住所を書いて渡す。
雨がぽつぽつと落ちてきた。みんなは動く気配はない。一足先に出発。
雨が強くなってきた。岩礫剥き出しのやせ尾根だ。岩が濡れて滑るので、崖の下りは特に慎重に。
8合目辺りまで来ると、濡れた草の露でズボンがビショ濡れになる。少しでも軽くするため、雨具のズボンは持ってこなかったのだ。ザックカバーも持ってこなかったのでザックの上から雨具を着る。
4号目辺りまで来ると、地下足袋の中まで水か沁みてきた。
順調に、しかし膝を庇いながらゆっくり下って行く。登山口駐車場に着くと車は3台になっている。
先ず、濡れた足袋を脱いで脚を乾かす。
今夜の宿・温根湯温泉を目指して出発。
ホテルに着いて、チェックインの時、足袋が濡れたので玄関の隅に置かせてくれ、と頼む。それならボイラー室へ、と。序でに手袋と靴下も置かせてもらう。
明晩の宿・菅野温泉に電話して予約する。
今夜は丁度夏祭りで、花火の音が賑やかだ。行って見たい気もするが、明日のことを考えるとそれどころではない。廊下の窓を開けて4、5発だけ見るにとどめ早めに寝る。
数日後Aさんから写真が送られてきた。差出人は「釧路市春採 山田義勝」となっていた。そして年末、奥さんから「夫 永眠」の喪中はがきが来た。あんなに元気だったのに。山田さんのご冥福を祈る。
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