八甲田山 (大岳) 1584.36m
コースタイム
840m
7:05 7:30
―仙人岱―大岳―上毛無岱―下毛無岱―酸ヶ湯温泉
過去天気図(気象庁) | 2005年06月の天気図 |
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コース状況/ 危険箇所等 |
ホテル・シバタ―(国道103号線・八甲田十和田ゴールドライン)―酸ヶ湯温泉―地獄湯 840m 7:05 7:30 ―仙人岱―大岳―上毛無岱―下毛無岱―酸ヶ湯温泉―(国道103号線・八甲田十和田ゴー 1230m 1600m 1470m 1080m 1040m 9:50 11:00 11:45 13:05 13:40 ルドライン)―奥入瀬渓流―十和田湖畔、休屋、国民宿舎・十和田湖温泉(泊) |
写真
感想
仙人岱付近には広大な雪原が残っていた。頂上付近の道には崩壊を防ぐための工事が施されていて痛々しい感じだった。
天気 晴れ
今回の最後、11番目の山である。これまで10座のうち月山、岩手、岩木、3つも断念している。今日は最後だ、何とか登頂を果たしたい。
カウンターで確認した道順で、国道103号線・八甲田十和田ゴールドラインを南下する。田茂やち岳山麓・ロープウエー乗り場に着く。看板が出ている。「機械整備のため、7月15日(金)まで運休」と。仕方ない。酸ヶ湯から登ることにする。更に南下すること10分で酸ヶ湯温泉に着く。温泉旅館があり、朝早いのに結構にぎわっている。そう云えば今日は日曜だ。温泉旅館の周りは混み合っていたので、もう少し行ってみると、道路の横に広い駐車場があり、登山案内所、トイレがある。10台ばかりの車が止まっており、登山スタイルの人たちが準備をしている。
ここは標高約900m、大岳山頂との差は700m弱である。
天気は心配なさそうなので、防風・防寒のため雨具、水、食料だけ持って出発。一昨日早池峰の監視小屋に雨具のズボンを置き忘れてしまったので、雨に降られたら困る所ではある。それにしても、吾妻山ではカメラを忘れるし、物忘れが酷くなったものだ。
道路を渡って登山道に入る。道は緩やかだが、所々雪が残っている。道は掘れて、所々川となって、雪解け水が流れている。またいたる所木が倒れこんで道を塞いでいる。歩き辛いことこの上ない。
高年カップルが追い越して行った。2人とも手に傘を持っている。ストック代わりだろうか、珍しい人だ。このカップル(以後、Aさんと書く)以降、前後しながら登り、降り、酸ヶ湯温泉に着いたのは略一緒だった。
ソロの中年男性が降りて来た。早い人もいるものだ、と思って「早いですね」と声を掛ける。「どこかで会いましたね」と。思い出せない。「一昨日、早池峰で会ったじゃないですか」。やっと思い出した。名古屋から来た人だ。暫らく立ち話をする。仕事の都合で皆と一緒に来れないので、偵察を兼ねて1人先に来た、今朝は4時に発った、と。それにしても凄いスピードだ。この後北海道に渡って幌尻、羅臼などに登るという。熊にはくれぐれも気を付けてください、と云って別れる。
やがて沢音が聞こえる。硫黄の匂いがして来る。地獄湯だ。剥き出しの広い沢で、傾斜もきつい。道は沢の左岸に付いている。
登りきると、広い高層湿原に出る。仙人岱である。木道を暫らく行くと右手奥に山小屋が有る。木道の脇にベンチがあり、7,8人の男女が休んでいる。ベンチが満員なので、道端の草原で昼食とする。そこに入ったらダメ、と注意される。柵もロープも張ってないのでいいだろう、と思っていたが、矢張りダメらしい。
ベンチの横に板で囲った池があり綺麗な水が湧いており、ビニールのパイプから流れ出ている。水を補給して出発。左手に大岳が聳え、時々ガスが流れている。
木道を暫らく行くと雪原が広がっている。踏み跡が左手、大岳の方へ続いている。右手には、小岳を経て高田大岳へ行く踏み跡が付いている。
章夫は先に登って行った。
緩やかな広い雪原を登りきると、大岳山頂直下で潅木の林となる。ここからは乾いた道でやがて森林限界を越える。辺りは這い松や草だけとなる。広い敷石の道がジグザグに付けられていて、道の上側は、石を金網で囲ったものがずらっと並べられている。
これだけのことをやっておけば環境にも大丈夫だろう。工事は大変だったろうが。
間もなく山頂に着く。山頂はなだらかで広い。章夫は誰か知らない人と話をしながら景色を眺めていた。「俺を乗り越えたな」と思った。また、知らない人と話をしている。「性格が開けてきたのかな」と思った。
数年前狩場岳に行って下山後、アプローチの道を走っていたら前方にとぼとぼと歩いている人がいて、僕が「乗せてあげよう」と云ったら章夫は「知らない人 嫌だ」と云った。あの頃はまだ対人恐怖症(?)が抜けていなかったのだ。今日の様子は格段の進歩と見て取れた。
小岳、高田大岳、井戸岳、赤倉岳、田茂やち岳、硫黄岳が眺められる。少し離れて端正な形の櫛ヶ峰が目を惹く。
風が強いのでゆっくり休んで、という訳には行かない。
下山は、上毛無岱、下毛無岱を回って酸ヶ湯温泉に降りる。こちらも先ずは敷石の道をジグザグに急降下して行く。降りきると、小屋があり湿原が広がっている。上毛無岱だ。
広場がありあちこちで登山者が休んでいる。ベンチでストーブを燃やして料理をしている人もいる。
小屋に寄ってみる。無人の避難小屋である。鐘があったので鳴らしてみる。
この一帯、夏にはお花畑になるようだがまだ時期が早い。水芭蕉、イワカガミぐらいである。
白い小さな花が咲いていたので、偶々先を歩いていたAさんに尋ねてみた。「ヤマイチョウ。葉っぱが公孫樹のような形をしているから」と。弘前に住んでいて、毎年来るが、今年は雪が多い、とも。
やがて急な木の階段となる。それが延々と遙か下まで続いている。子供に配慮したのだろう、段差が小さい。降りきると、また湿原が広がっている。下毛無岱だ。
木道を暫らく行くと、板で床を張った休憩所があり、ベンチもある。一休みする。
湿原が終り、道は林の中に入る。急な下り坂が続く。やがて温泉街が見えてきた。
降りたのは、温泉旅館の下の所だった。温泉旅館の前を歩いていると、先に降りていた章夫が、車で迎えに来てくれていた。
靴だけ履き替えて早速出発。国道103号線・八甲田十和田ゴールドライを南下、奥入瀬渓流に着く。渓流は国道と並行して流れている。車を止めて流れを見物する。雲井の滝という看板があったので車を降りて見学する。
不思議だったのは、車は下り坂を下っているのに、渓流は車の進行方向と反対に流れている。部分的なことか、というとそうでもなさそうだ。錯覚でもないと思うのだが。
奥入瀬渓流を後に、やがて十和田湖畔に出る。瞰湖台の展望台に上がってみる。十和田湖は大きい。水面は遥か下の方だ。向こうの方は霞んで見えない。こんなに大きいとは知らなかった。
更に湖畔を走って休屋に着く。国民宿舎・十和田湖温泉にチェックイン。
これで2週間の山行が無事終わった。
宿は日曜なのに空いている。国民宿舎だからビジネスホテルのような訳にはいかない。
テレビはついているが素泊、外風呂、外トイレ。これで4300円は安くはない。盛岡の宿は市の第三セクターだそうだが2600円だった。
翌朝湖畔を散策したら高村光太郎の最後の作品となる「乙女の像」があった。
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