記録ID: 24047
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山滑走
志賀・草津・四阿山・浅間
湯ノ丸山――スキー登山、北アの展望
2000年03月11日(土) [日帰り]
tanigawa
その他2人
- GPS
- --:--
- 距離
- 5.3km
- 登り
- 384m
- 下り
- 367m
コースタイム
東京の西多摩・自宅(5時06分)→圏央道青梅インター(5時17分)→ 関越道鶴ヶ島ジャンクション→上信越道佐久PA(6時45分、朝食、7時20分発)→地蔵峠・湯ノ丸スキー場(7時45分、荷造りなど、8時45分発)→スキー場を登る→ツツジ平・鐘がある休み場→二男が初めてのシール登高で悪戦苦闘→湯ノ丸山(11時05分、昼食、撮影、12時06分発)→滑降→地蔵峠(12時42分、13時15分発)→自宅(15時14分)
天候 | 薄曇り |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
空気が澄んで展望がいい時期のうちに登りたい。そんな山がいくつもあるのに、季節はどんどん過ぎていく。今回は子どもたちもいっしょに行きたいという。スキーで登ることができる山、もし運がよかったら目の前に北アルプスが眺められるかもしれない山ということで、湯ノ丸山に行くことにした。 前の晩、予想天気図を見ると、冬型がゆるんで、高気圧の峰が長野、関東に張り出していたが、11日には西日本から低気圧が近づいてくる。予想気温はやや低め。雪が上がったばかりの山々が姿を現してくれないかと思いつつ準備をした。シール登高は、子どもたちは初体験。シールも数が足りず、学生時代の古いシールを屋根裏から引っ張り出した。 朝4時起床。空には雲がかかっていて、星がところどころしか見えない。5時すぎに家を出発。関越道を走って、榛名山、赤城山、浅間山が顔をみせたものの、薄いモヤをかぶっている。遠望はダメかもしれない。 地蔵峠に8時前に着いた。「リフトに乗るか」「いいから登ろう、スキー場をまっすぐ登ろう」。気合は十分で出発した。リフトの終点まで登りあがると、体はぽかぽか。いよいよツアーのコースになる。カラマツの樹林が左手に広がり、右手は夏のあいだの牧場の柵が続く。「静かでいいよ。こういうスキーをやってみたかったんだ」と長男がいう。昨日の新雪が10センチほど、古い雪の上にのっている。 平坦な尾根をすすんで鐘がある休み場をすぎると、ようやく湯ノ丸山の頂上へと続く登り。長男が先行する。二男は、傾斜が少しきつくなると、雪面にシールをうまく押さえ付けられずに、ずりずりと後ろすべりする。「かかとでしっかり雪を踏みしめるように押さえつければ、すべらないから」とアドバイスするが、なかなかピッチが上がらない。傾斜がある斜面では、大きな電光形に、なるべく登りやすくコースをとって、登っていった。 空は高曇り。太陽はなんとか場所がわかるくらい。でも、展望は意外にも開けてきた。日光の男体山、双眼鏡では薄い雪雲の中に奥白根山も見える。武尊山は雪が舞っているようでぼんやりしている。背後の尾瀬と会越方面は濃い雲の中だ。谷川岳も薄くモヤがかかっているが、厚くかぶった雪が薄桃色に光っている。上越国境から志賀高原にかけての山々は完全に姿を見せている。 南の方面を見ると、富士山が大きい。奥秩父と八ヶ岳も全容を現している。本当に、こんなに周囲の山々が見渡せるなんて、予想もしなかった。北アルプスはどうだろう。 11時すぎ、湯ノ丸山の山頂に着く。山頂下の雪面に風除けの雪穴(タテ穴)が掘ってあって、長男はここに入って待っていた。 「剣岳をさがそう」「見えるの?」「雪雲が切れているかもしれないよ」 山頂に立って、一気に西から北の方角の展望が広がる。うわーっ、去年(四阿山)と同じだ。北アが全部、見えてるよ。 空は曇っていて、くっきり度はいま一つだけれど、山はみなしっかり姿を現していた。去年、四阿山から見えたかどうか、悩みの種で、その後、WARABIさんの黒斑山からの写真と対照させて見えていたことが確認できた水晶岳も、この角度からは東沢乗越の上に双耳峰をくっきり見せている。今年は雪が多い。 長男は双眼鏡で大好きな剣岳をさがしている。爺ガ岳あたりの上に山頂部だけ姿を現しているのを見つけて、喜んでいる。 北アは白馬岳の先まで、よく見渡せた。個性的な山容を連ねた妙高と戸隠の山々も全部、見えることができた。 御岳山も見えるのに、南アルプスが見えない。雲にすっぽり隠されているのだろうか。八ヶ岳から蓼科山へ、稜線を双眼鏡でゆっくり観察したら、北横岳あたりの上に、ずいぶん高い岩の頂が顔を見せている。あれが北岳かもしれない。方角はいいのだろうか? 右には、もう一つ、甲斐駒か何かの頂上がちょっぴり見えていた。 12時すぎに、二男を先頭に地蔵峠に引き返す。滑降を始めてすぐに、二男ははるか下方へ下ってしまった。長男は滑り止めを掛け忘れて、片方のスキーを100メートルほど下へ流してしまった。幸いブッシュで止まった。牧場方面へ落としたら、回収不能となるところだった。 夕べの新雪で、スキーが適当にもぐって、スピードが落ちるので、へたな私には好条件。ときどき遊び心でカラマツや潅木の斜面にコースを選ぶ。3人が互いに視界で確認しあいながら、30分少しで地蔵峠まで降り立った。 苦労した二男も、帰りの滑降ですっかり機嫌が直り、「おもしろかった」という声が出た。 展望は、高いところに登ってみないと、わからない。下界のモヤにだまされてはいけない……。つくづく思い知らされた山行だった。 |
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コメント
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お子さんも湯ノ丸山から滑ったんですね(すごいなー)
この辺は気温も低くので雪質も良く、晴天率が高いので、冬はよく行きます。
sakusaku さん
>お子さんも湯ノ丸山から滑ったんですね(すごいなー)
子どもは、上達が早いですね。スキー場を離れ、自然の森や稜線を歩き、滑るのも、おもしろがっていました。
で、その息子たちも、いまは上は結婚して、男の子が生まれたてです。高校1年の山小屋バイトで知り合った同い年の彼女とは、「この子も山小屋バイトに行かせよう」などと話しているそうです。
http://trace.kinokoyama.net/nalps/akito-gozenngoya99.htm
>この辺は気温も低いので雪質も良く、晴天率が高いので、冬はよく行きます。
周囲の山が見えなくても、上信国境だけは晴れていることがありますね。このあたり、ずっと冬の季節ばかり、訪問してきました。東京からは日帰りはちょっとかかりますが。
息子さんは高校生で山小屋にバイトにいかれたんですね。色々と貴重な経験をしたことと思います。
親子孫3代で山歩きができる日が楽しみですね!
山小屋で一番、好きなのは、無人の避難小屋です。
自分の高校時代に通った山小屋がありました。学生のころは、仲間と山スキーで小屋に入るのがよろこびでした。
そういえば上信国境の山では、根子岳の中腹に避難小屋がありましたね。
2度目に行ったときに、ちょっと休ませてもらいました。
http://trace.kinokoyama.net/josinetu/nekodake030112.htm
あの小屋は、風抜けもいい! し、小さいし、よほどの気構えがないと、冬は泊まりがたい様子でした。
根子岳だと、12月末のいまごろは、まだ積雪が足りず、圧雪車が雪を固めてしまって、コースを自由にとれず、かえって苦労させられたりします。
眺めが抜群なので、スノーシューでもゆっくり登ってみたいところです。
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