両神山(滑落者に警察へ連絡依頼される。)


コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
今まで遭難者に会われた方が書かれた記録を読んで、「もしもの場合はこうするのかあ」って漠然と思っていた。 まさか自分もそんな事に遭遇する事になろうとは夢にも思わなかったが、ヤマレコの記録を読んでいたおかげで、慌てふためくことなく対処できた事と、こうすれば良かったと思った事を書きたいと思います。 |
感想
旦那さまの代休が取れた事もあり、9日平日に両神山へ向かった。
登山口出発が9時過ぎとすこし遅かったが、なんとか12時半には山頂に着き、13時頃には下山を開始した。
山頂を目指し登っている際に下山者とすれ違った人はそう多くはなく、登山口から清滝小屋の間ではソロの下山者が2,3名、小屋から山頂まではカップル3組(多分カップル3番目の男性が滑落者)私達の後から登り始めたソロの方とすれ違っただけだった。
下山時に男性二人組、2組を追い越して、旦那さまと「両神山は遭難が多いらしいよ」と話をしていたら、会所の分岐近くのベンチ、机があるちょっと開けた所に女性が立っていた。
こんな所で道迷い?って思ってたら、「すみません、携帯電話が繋がらないので警察に連絡してほしいのですが・・・」って。
「どうしたんですか?」って聞くと、「同行者が滑落した」との事。見るとすこし離れた所にレスキューシートのような物が掛けられた人が横になっていた。
時間は3時ごろだったと思うが、谷間のせいか日が翳り始めていた。
取り合えず女性には滑落者の氏名と連絡先、女性の氏名と連絡先を書いてもらう様に依頼し、私は念の為、携帯電話の電源を入れる。(圏外だった。)旦那はGPSと地図で場所を特定し、二人登山道を走り出した。滑落の場所は登山口より30分程度の所だった。
走り出すと、もちろん旦那の方が早くあっという間に置いていかれたので(旦那は今まで登山道をこれほど早く走った事はなかったと後で言っていた。)私は二次遭難を起こさぬよう狭くイヤラシイ登山道をできるだけ早く歩いた。
登山口まで後10分位の所で遠くからパトカーか救急車のサイレンが聞こえてきた。
「旦那が登山口の民宿に辿り着き通報できたんだ」と少し安心できた。
サイレンの音がこんなにも嬉しく感じた事は初めだった。
サイレンの音を聞いたらすこし冷静になり、自分がレスキューシートを持っている事を思い出した。
滑落者の同行者がとても寒そうにしていたので、「服を着たら?」と言ったのだが、女性は「服はすべて滑落者に掛けたの」と言われたので、「そうかあ」と思ったのだ。この時自分がレスキューシート持っているのを思い出し渡してあげなかった事が今もすこし悔やまれる。
彼女も一緒に滑落したらしく、眉の所を切って血が固まっていた。
私が登山口に到着すると同時救急車、パトカー各一台が到着した。
民宿の前に居た旦那さまによると、旦那が民宿の電話から警察へ電話をすると、「もう既に一報が入っており、今救急車とパトカーが向かってます」と言われたとの事。
到着した救急車の方に「滑落者の名前と同行者の名前連絡言ってますか?」と声を掛けると、聞いてないとの事だったので、名前が書かれたメモと滑落者が居る場所を詳しく説明し、車へ戻った。
その後パトカーが1台、山岳救助隊と書かれた青い車が1台、消防署の赤い乗用車が2台と消防のヘリ(赤い機体でした。)がやって来た。
無事救助されたと思うが、詳しい事は分からない。滑落者の方が重篤な怪我でない事を祈りたい。
今回すごく思ったこと。
○やはり登山は低山であろうと早出を心がける。(滑落者の方が遅い出発だと誰にも通報を依頼する事が出来なかったのではと思う。)
○日が翳り始めた時間帯だったせいか(3時前ごろだったと思うが)日が暮れてしまうとヘリも飛ばないだろうし、救助に来てくれないかもと早く通報する事ばっかりに気が行ってしまった。もう少し滑落者の怪我の程度(救急車の方に聞かれた)や同行者の女性に配慮が出来れていればとすこし悔やむ。
○携帯電話に頼らない連絡方法を持つ。(無線)
○いつも気を抜かない。
両神山は遭難が多いと聞いていたが今回の場所は、正直こんな所で滑落?と思うような場所であった。
行かれた方なら分かると思うが、会所の分岐から一般ルート山頂方向へ1分程下ったベンチと机があるかなり開けた沢の側。道幅も2,3人が並んであるけるのでは?という程の広い場所。通ってきた鎖場や幅が狭く片側が切れ落ちているような所ではまったくない。
○紙と筆記用具を持つ。二人とも持参しておらず、女性が持っており連絡先を書いてもらった。
○旦那さまが民宿で「滑落者から警察へ通報を依頼されたので、警察へ電話掛けてください。自分が説明します」と言った所、「通報を要請されたの?」じゃあと警察へ電話掛けてくれたそうです。要請もなしに通報して捜索費用で揉めたたりする事もあるとの事。
○通報から救助が来るまでに時間が掛かるって事。
下山して温泉に入っているときに滑落された方とどこですれ違ったか第一通報者は誰か考えた。滑落場所に第一通報者(多分ソロの男性)が来たのは多分数十分程度。通報を依頼したが、なかなか救助が来ず彼女は不安だっただろうと思う。
そこへ現れたのが私達。ソロの男性と私達では一時間以上時間が空いていたのではないかと思う。
救急車の救助の方が現場に着いたのは、事故発生から1時間半以上は経っていたのではないかという事。事故を起こした場合どんなに早くても1時間は堪えないといけないという事。
最後に読んでいただいた方へ
今回私達が見ただけで車6台、ヘリ1台が出動してました。
誰も事故起こしたくてする訳ではないですが、ほんのちょっと気を抜いてしまった為に事故が起こったのではと思います。
次の日に登った”甲武信岳”の登山口にポスターが貼ってありました。
「登山者よ、気を抜くな。」
今回すごくこの言葉が心に染みました。
皆さん、どんな場所でも気を抜かずに安全登山お願いします!
貴重な記録 拝見させていだきました。
裏コースや鎖場ならまだしも、両神山のようなハイキングコースで
いったいどうして滑落するのか不思議でなりません。
けっして馬鹿にしているわけでなく、明日は我が身 かもしれないからです。
具体的な状況も知りたいところです。
まさに 「登山者よ、気を抜くな」を肝に銘じたいと思いました。
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