羽竜沼から瀧山
- GPS
- 06:58
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 925m
- 下り
- 924m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
車道は羽竜沼まで通じているが竜山の湯までしか除雪してなく、除雪終点に駐車する。車道をふれあいの森ロッキーまで歩く。ふれあいの森ロッキーの案内板の右の林道を進むとしばらくして行きどまりとなる。すこし戻って羽竜沼南方の尾根に取りつく。見晴らし台から150mまでは道標があった。稜線を登ると次第に積雪が増してきて、藪の濃い尾根を少し外すと雪深くかなり抜かった。ワカンを付ける。地形図の1199mのピークまでは危険な感じもなかったが、ピースの下りが両脇が切れ下りていて高度感があった。それから姥神コースまではヤセ尾根で尾根の中央は藪が強く、右側を歩いた。姥神コースは幾つかトレースがあった。帰路は姥神コースを下った。西蔵王放牧場から羽竜沼までを放牧場をぬけてもよかったが、雪がゆるく、雪のない車道を歩いた。 |
写真
感想
羽竜沼から瀧山の南の稜線に取り付き登頂した。姥神コースと合流する手前でいったん下ると、今度はやせ尾根を登った。足場が悪かったが未踏の稜線を歩くことができて、納得の山行が出来た。
西蔵王の野草園は冬季閉鎖で駐車場も使用できなかった。ここに駐車して瀧山を反時計回りで半周する予定だったが、羽竜沼まで車で行ってみることにした。しかし、竜山の湯を過ぎた所で除雪は打ち止めだった。こんな所で車が嵌ってしまえば笑い話にもならない。上着を含めて4枚に冬用の帽子とワカンはザックにぶら下げて出発する。カタカタカタとキツツキからの挨拶をもらい、先日の帰りに失くしたストックの片割れとつぼ足で歩く。日差しはないが10分もしないで暑くなり、上2枚を脱いで帽子もザックにぶら下げた。
ふれあいの森ロッキーの案内板にはやはり「至竜山林道」とある。しかし、方向が違うのが気になるが、以前に歩いたように案内板の右の林道を歩いてみる。しばらく左回りに歩くと行きどまりだった。確か以前には竜山という標識があったように思うが後かたもない。引き返して羽竜沼南方の尾根に取りつくことにした。
尾根の取り付きは段差もなく、知られたルートなのかも知れない。10mくらい登ると林道に交差した。ふれあいの森ロッキーの遊歩道なのだろう。そのままゆるい尾根を登ると程よい林に囲まれたすっきりした様で足場の残雪と共に私の今日の山行を祝福してくれるようだ。解けた雪から踏み固められた夏道も顔を出した。切り株が並んで二つその道の脇に見えて来た。新緑や紅葉の季節に家族で歩いてみたい尾根だ。
すこし岩がゴロゴロしてきて登りも急になったりと、すこし歩きにくくなって来たが、しっかりした標識が見晴所を案内してくれる。その見晴所の標識には瀧山の文字はなかった。ここから瀧山は通常ルートではないのだろう。放牧場と標識は矢印で示していたが、その先は薮のようだった。地図とコンパスで確認しながら、私は瀧山目指して尾根を登り続ける。
南西からの尾根が合わさる所で見晴所まであと150mとの標識があった。この標識をたよりに南西の尾根からも歩いてみたくなった。しかし、その標識の指し示す方角は見晴所ではなかった。どうしようかと迷ったが向きを今、通って来た見晴所に直してみた。ここから瀧山に向かう道は急にヤブっぽくなってきて、ふれあいの森ロッキーの散策コースとは別れたことが分かった。
藪の尾根だが2か所に赤布があった。尾根の真ん中は積雪は少なかったが、すこし藪を避けようと山腹に一歩、足を踏み入れると、腰までの雪になって、落とし穴に嵌ったように身動きできなくなりそうだった。両手で這い上がって、また、尾根の中心を歩いた。藪に顔をぶたれながら、雪面の上数10センチのところに集まっている蚊を見た。春になって動けるようになったのなら、もっと雪から離れたほうが暖かいだろうに。この蚊の習性はなぜだろうか。風を避けているのか、なにか地表から蚊の好きなガスでも湧いているのだようか。何れにしても、人の上半身の高さまでは飛んで来ないので歩き易かった。
瀧山には10数回登っているし、四季を通じての美しさもわかっているつもりだが、未踏の尾根をまだ春早い時期に歩くと心細いものだ。ここまま尾根を辿れば大滝コースの最終ルートに出るはずだが、ちょうど一年前にはその大滝コースを下るときに腰まで踏みぬき左膝靭帯をやってしまった。そんな悪夢がよぎったためか1199mのピークに立って瀧山頂上を望んだ時には腰が引けた。かなりの下りが前途に控え、その先は険しい岩肌が塞いでいるように見えた。地形図とコンパスで下る方向を確認してからざらついた雪面を一気に高度を落とした。脇に逸れれば登り返すまでだ。それくらいの脚力が残っていなければ単独で雪山を歩く資格はないと腹をくくった。
下りおりた鞍部からはヤセ尾根が続いていたがその尾根の三角の頂点は裸の根を露出した枯れかけた木々が居残っていてやっかいだった。右に巻いて足場に気をつけながら登り詰める。幸い、前回にギブアップしたようなぬかるむ新雪ではなかったので下りほど危険ではなかった。
真新しいワカンの跡が見えたので姥神コースと合流したとわかった。もう何度も歩いた道で一息ついた。ワカンの跡は私のトレースとわずかに平行していたが、大滝コースを見渡して戻ったようだった。私は今度は前回の直登を目指した尾根の山頂までのルートを知りたくて北側の沢から尾根を覗き込む。雪庇で断念した尾根はやはりかなりの難路のように見えた。とても帰路に歩こうという気にはなれなかった。
山頂までは150mくらいの最後の登りだが沢山のトレースの跡で踏み固められているかと期待したが春の暖かさで解け出して歩きづらかった。この前登った愛宕山から炭沢山までの稜線は北蔵王連峰の裾を飾る支尾根の一つだったのだと霞んだ視界からでも見て取れた。ここまでの道のりが長かったせいか山頂まで一気に登り詰める気持ちになれなくて、この瀧山の数々の尾根を振り返りながら、どうにか登頂した。
瀧山山頂には立派な神社が建て直されている。その軒下は雪が少ないので、ちょうどよい休憩場所となる。12月に来た時は初冬の寒波到来で脱いだ手袋もあっと言う間に凍りついてしまったが、きょうは積もった雪から見える雁戸山も穏やかで、彼岸ともなれば、すこしはくつろいだ気分になった。
帰路は姥神コースを下るがワカンのベルトがすぐにゆるんでしまう。ピストンした踏み跡は靴の形もわからないくらいで、雪が緩んでしまってた尾根は、真っ直ぐに足を下ろしてくだれなかった。姥神を過ぎたところで夏道のルートもはっきりしてきて、思わぬ踏みぬきの心配もなさそうだから、ワカンをザックにぶら下げ、つぼ足で歩く。放牧場に近くなるとスノーモービルのエンジン音が聞こえたかと思うと排気ガスのいやな臭いもして来た。そうそうに逃げ出し、羽竜沼まで車道から今日歩いた瀧山の尾根はどこだろうと何度も振り返りながら一人歩き続けた。
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