東西天狗岳 黒百合平テン泊

過去天気図(気象庁) | 2020年12月の天気図 |
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写真
感想
事前に30日の悪天予報が入り、29日で天狗岳登頂までやっちゃって、安全圏内で悪天下のキャンプを体験して、翌朝悪天の中での撤収・下山という体験コースを企画。
悪天下、テントの中で20時間以上の沈殿。でも北アルプスなどで悪天に捕まると、これが一週間続く事もあり得るので、リハーサルとしての体験はきっと得るものがあったと思います。
雪から水を作る時に有効なフィルター、コロナ禍で売られる様になった厚手のウェットティッシュ、これを干してアルコールを飛ばした物がかなり良いと分かりました。
普通のウェットティッシュは細かい隙間があるけど、厚手だと隙間はほとんど見られず、実際かなり色々混じっていた雪水が、埃が目視できない位きれいに濾せました。
一般登山道の日帰り雪山は、今回の天狗岳含めそこそこ行っているので、今回の私の主目的は、雪訓で初体験だった雪山テン泊のスキルアップ。なので代替案だった日帰り計画(日光白根か上州武尊)にはならなくて嬉しかった。しかし今回のテン泊計画も天気が順調だったわけではありません。2日目の30日から1日にかけて、典型的な冬型気圧配置。西高東低の大荒れ予報。そのため、1日目は黒百合・幕営・ニュウ、2日目に天狗・下山の計画を、1日目に黒百合・幕営・天狗に変更。2日目はのんびり朝寝坊して下山だけとなりました。
1日目の夜からは予報通り強風と降雪で、テントこもり生活(21時間くらい)。登山用語で「沈殿」と言うそうですが、ある意味、雪山テン泊の貴重な経験ができたのではないかと思います。
今回も私は写真なし。最近は一眼レフでの写真撮影熱が低くなっている私。そろそろ復活して撮るようにしたいと思う。ログも今回取り忘れました。全メンバーもなので、レポにログはアップされないでしょう。なのでルートだけ以下に記載。
唐沢鉱泉→黒百合平(幕営)→東天狗→西天狗のピストン
今回の経験で、また少し雪山テン泊のハードルが下がったように感じましたが、まだいろいろな条件下での対応能力を身に着ける必要があると思いました。
八ヶ岳は日本海方面の山に比べて雪が少なかったことから、もっと雪が多い場合(新雪先頭での踏み跡なしのルーファイ、ラッセルなど)
-5℃と気温が高めだったことから、もっと気温が低い場合(凍結対応)
ガスでホワイトアウトした場合、テン場ではない場所でのビバーク(テントありなし)
などなど。
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【前泊】 八ヶ岳山荘で仮眠
八ヶ岳山荘での仮眠を利用するのは初めて。時間的に山荘の方に会って案内されるわけではなかったので、経験者(雷鳥さん)がいなかったら、どう利用するのかまったくわかりませんでした。仮眠室は2階。24時間いつでも出入り可。予約したベッド(2段ベッド)の位置は入口外に張り出してある掲示を見て確認する。靴は下のベッドの通路側に置く場所がある。トイレは1階。利用料の2000円は山荘が開いていない時間帯の場合は、名簿に名前を書いて箱に入れる(私たちは朝山荘の方に支払い)。1階にあるテーブル席も利用可(ビール含めた自販機あり)などなど。
【1日目】
唐沢鉱泉に車を停め、黒百合平へ。まだ少ないながらも、雪訓の時よりはあきらかに雪があった。黒百合平で幕営して天狗岳に出発したのは確か12:30。空は高曇りで八ヶ岳ブルーとはいかず、すでに稜線では体が押されるほどの強風でしたが、360度の遠くの山々が良く見えて楽しめました。テントに戻り、少し呑んでまったりした後、夕飯は雷鳥さん持参の輸入物フリーズドライ。MOUNTAIN HOUSE社のChickin Fajita Bowlと言うメキシカンな味。なかなかいける、私の好きな味でした。その後は本格飲み会かと思いきや、男性陣は寝てしまわれたので、私も大人しく就寝。ってまだ19時くらいだったような。。外は強風で木々が騒がしく、テントも幾度となく揺れ、雪も降り始めました。
【2日目】
皆で7時にアラームで起きるも、天気は相変わらず。お昼前後に疑似好天で風や雪が弱まる予報なので、その時間に合わせて降りることにし、また寝る。しかし寝続けるのもいい加減腰が痛くなって、9:30ごろに起きだして遅い朝食。アマノフーズの玉子スープに、ふやかしたアルファ米を入れておじやに。乾燥わかめと乾燥えのきもプラス。梅干しで引き締め。結局21時間くらいテント生活、これも訓練。テントを撤収して無事下山。道ももう除雪されていて、チェーンいらずでした。鹿の湯で体をあたため、雷鳥さんおすすめの松木坂さんで遅いランチ。今回も、雷鳥さんには、計画、運転、CL、ご指導、ありがとうございました。
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≪改善点≫
●雪訓でパッキングが遅いと言われたので意識的に改善。流れの理解や慣れもあるかも。ザックのチャックが引っ張りやすいように長めの紐をつけたのも効果大。
●雪訓で教わった、シェラフにシェラフカバーを付けたままパッキングしてみた。
●手袋を新調して、初めて手袋したままアイゼンがつけられて感動(←今頃)。もっと早く買えばよかったです。今までのオーバーグローブは手にフィットしておらず、厚手でごわごわ硬かったので、細かい作業がとてもできるとは思えなかった。今回は素材が柔らかくて、フィット感重視で選びました。
インナー:HAND SCHUH PETER HSP01 (←未脱脂ウールは本当に暖かい。)
オーバー:HERITAGE eVent WATERPROOF
≪学んだこと≫
登山歴30年という雷鳥さんの経験蓄積からくる、スキル、ギア、ノウハウ、工夫などいろいろ。しかし雷鳥さん手作りグッズは、裁縫が苦手な私にはまねできないのが難点だ。
●ペグの使い方。雪がまだそれほど積もってなくて、今回も使わなかったので説明だけ聞きました。
●雷鳥さん持参のジェットボイル初体験。さすが冬でもお湯がすぐ沸く。買おうか迷う。
●雷鳥さんが、テント内ではザックを空にしてマット代わりにしていたので、今度試してみようかと。とにかくテント内を少しでもスペースを広く使えるように工夫したい。
●雪からの水の作り方。フィルターに予想以上にたくさん異物がひっかかってびっくり。
●悪天強風時のテント撤収は、テント内でパッキングと装備をして、全員同じタイミングでテントを出て、撤収に取り掛かる。
●最初にテントの外張りをはがして、飛ばされないようザックなどで抑えておき、本体を先に撤収する。実際に外張りをはがしたら、本体が風で飛ばされそうになった。
●テントポールは、ハトメから外した後、4つ角とも中央にしわ寄せしてから押して抜くと早い。
●今回ドカ雪ではありませんでしたが、新雪が多少テント周りに積もったため、スコップが活躍した。スコップの用途は結構あることを実感(雪崩遭難者発掘の他に、コンプレッションテスト、イグルー作成など)。
≪反省点≫
●トイレに行ってテントに戻ってくるときに、雷鳥さんがブラシを用意していただいていたにも関わらず、使うのを忘れていて、靴底に雪が着いたまま入ってしまった。
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