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Yamareco

記録ID: 29733
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
十和田湖・八甲田

南八甲田・乗鞍岳、駒ヶ峯

2008年10月08日(水) [日帰り]
 - 拍手
GPS
13:30
距離
20.7km
登り
1,062m
下り
1,063m

コースタイム

猿倉温泉(5:30)→矢櫃萢→乗鞍岳→黄瀬沼→旧道→駒ヶ峯→旧道→猿倉温泉(19:00)
天候 高曇り後晴れ
過去天気図(気象庁) 2008年10月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
南八甲田の紅葉の撮影で。

猿倉温泉から峠を越えて黄瀬川(おうせ)流域に入り、十和田湖まで伸びる旧道は、昭和8年に東北大飢饉救済の公共事業あるいは土建屋利権面もあったらしい観光道路工事で作った道。作ったけれど一度も車が通らずに忘れ去られた延々30キロの元「車道」だ。南八甲田の登山道は背骨としてはこれを利用している。しかし、完成当初さえ車も通れないようなゴロゴロ石が敷き詰められていたそうで、藪も覆って、いまでは見る影も無い。歩くにも勝手が悪く、まるで河原をあるいているようだ。旧道含め南八甲田の登山道を整備するつもりは無いらしく、覆ったササも伸び放題。不慣れな人は道を外して沢に降りてしまいそうな所が結構多い。ちょっと一般ルートとはいい難いレベルに荒廃している。おかげで静かな山旅ではある。

だが山容はすばらしい。丁度紅葉の盛りでもあって、乗鞍岳山頂から見下ろす黄瀬川源流の三色紅葉は凄い。山のスケールが広くて、贅沢な眺めだ。点在する沼や池塘が豪華だ。黄瀬沼周辺の草原は、多分百年前と変わらないのだろう。明るい黄色、濃い黄色、橙、紅色の葉が笹の緑に点在している。それをアオモリトドマツの濃緑が支える。はるか南の、十和田湖への途上には高原状の大谷地が見える。その真ん中に、旧県道の痕跡を示す一条の筋が見える。道の跡は何か灌木が生え、目で辿る事が出来る。この全行程、十和田湖の御鼻部山から猿倉まで早ければ九時間で歩けると聞いた。

きょうの撮影助手の若者は山に不慣れだったので早くに消耗した。途中行方知れずにもなったりで時間を食い、予定の黄瀬萢(おうせやち)湿原や最高峰の櫛ヶ峯への時間が無くなり、結局カメラと三脚合計20キロを僕が背負う羽目にもなったけれど、このルートは素人にはちょっと荷が重かった。

帰りの道で日が暮れた。暗くなる森で足下にあるオオカメノキの丸く明るい黄色の葉がぼんぼり提灯のように足下を照らす、様な気がした。月は半月。ごろごろ石の旧道が、足にぶつかり苦労した。

風呂は猿倉ではなく、青森市内にやや下った雲谷温泉(もやおんせん)という渋々の湯に浸かる。牛乳は売り切れていて、残念。

今度は沢を詰めて櫛ヶ峯に登りたい。スキーもよさそうだ。
乗鞍岳山頂から黄瀬沼と黄瀬川源流
2008年10月08日 09:53撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
10/8 9:53
乗鞍岳山頂から黄瀬沼と黄瀬川源流
成田さん撮影
乗鞍岳山頂から櫛ヶ峯と黄瀬川源流
2008年10月08日 09:53撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
10/8 9:53
乗鞍岳山頂から櫛ヶ峯と黄瀬川源流
黄瀬沼のほとり
2008年10月08日 11:59撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
10/8 11:59
黄瀬沼のほとり
駒ヶ峯山頂付近より猿倉岳
2008年10月08日 15:17撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
10/8 15:17
駒ヶ峯山頂付近より猿倉岳
黄瀬沼と旧道の分岐点近くの池塘
2008年10月08日 15:46撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
10/8 15:46
黄瀬沼と旧道の分岐点近くの池塘
旧道途上の湿原
2008年10月08日 16:01撮影 by  PENTAX Optio 43WR, PENTAX Corporation
10/8 16:01
旧道途上の湿原

感想

南八甲田の紅葉の撮影で。

猿倉温泉から峠を越えて黄瀬川(おうせ)流域に入り、十和田湖まで伸びる旧道は、昭和8年に東北大飢饉救済の公共事業あるいは土建屋利権面もあったらしい観光道路工事で作った道。作ったけれど一度も車が通らずに忘れ去られた延々30キロの元「車道」だ。南八甲田の登山道は背骨としてはこれを利用している。しかし、完成当初さえ車も通れないようなゴロゴロ石が敷き詰められていたそうで、藪も覆って、いまでは見る影も無い。歩くにも勝手が悪く、まるで河原をあるいているようだ。旧道含め南八甲田の登山道を整備するつもりは無いらしく、覆ったササも伸び放題。不慣れな人は道を外して沢に降りてしまいそうな所が結構多い。ちょっと一般ルートとはいい難いレベルに荒廃している。おかげで静かな山旅ではある。

だが山容はすばらしい。丁度紅葉の盛りでもあって、乗鞍岳山頂から見下ろす黄瀬川源流の三色紅葉は凄い。山のスケールが広くて、贅沢な眺めだ。点在する沼や池塘が豪華だ。黄瀬沼周辺の草原は、多分百年前と変わらないのだろう。明るい黄色、濃い黄色、橙、紅色の葉が笹の緑に点在している。それをアオモリトドマツの濃緑が支える。はるか南の、十和田湖への途上には高原状の大谷地が見える。その真ん中に、旧県道の痕跡を示す一条の筋が見える。道の跡は何か灌木が生え、目で辿る事が出来る。この全行程、十和田湖の御鼻部山から猿倉まで早ければ九時間で歩けると聞いた。

きょうの撮影助手の若者は山に不慣れだったので早くに消耗した。途中行方知れずにもなったりで時間を食い、予定の黄瀬萢(おうせやち)湿原や最高峰の櫛ヶ峯への時間が無くなり、結局カメラと三脚合計20キロを僕が背負う羽目にもなったけれど、このルートは素人にはちょっと荷が重かった。

帰りの道で日が暮れた。暗くなる森で足下にあるオオカメノキの丸く明るい黄色の葉がぼんぼり提灯のように足下を照らす、様な気がした。月は半月。ごろごろ石の旧道が、足にぶつかり苦労した。

風呂は猿倉ではなく、青森市内にやや下った雲谷温泉(もやおんせん)という渋々の湯に浸かる。牛乳は売り切れていて、残念。

今度は沢を詰めて櫛ヶ峯に登りたい。スキーもよさそうだ。

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