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記録ID: 2985992
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
朝日・出羽三山

孫守山 〜小国町の隠れた名薮山〜

2021年03月08日(月) [日帰り]
 - 拍手
GPS
05:13
距離
7.3km
登り
966m
下り
80m

コースタイム

日帰り
山行
8:18
休憩
0:31
合計
8:49
6:26
61
金目集落
7:27
7:28
235
荒沢の渡渉
11:23
11:33
7
南東峰(1110m)
11:40
12:00
130
孫守山
14:10
14:10
65
荒沢の渡渉
15:15
金目集落
・ログは片道のみ記録(往復で約15km)
・(参考資料)
「新潟の低山薮山」羽田寿志 著
「奥さんの晴歩雨読」(ウエブサイト)
天候 曇りのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
標高500m以上の細尾根の所々で薮が露出
940m付近の崖の急登と1000m付近の硬雪の三角雪庇の急登が難所
完全薮山と思っていたが意外にも踏み跡や切り付けあり(標高950m付近まで確認)
その他周辺情報 白い森交流センター りふれ (日帰り入浴 \500)
(参考)
荒沢山から望む孫守山と長大な南西尾根(元サイズあり)
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(参考)
荒沢山から望む孫守山と長大な南西尾根(元サイズあり)
ひと気のない金目集落をスタート(左奥へ森林作業道が続く)
ひと気のない金目集落をスタート(左奥へ森林作業道が続く)
金目川に架かる最初の橋
金目川に架かる最初の橋
杉林の出口で除雪終点。日中は伐採作業が行われているので車両での進入はNG。
杉林の出口で除雪終点。日中は伐採作業が行われているので車両での進入はNG。
その先、広い雪原の向こうに孫守山(左上)と荒沢山(右)が威厳を放つ(元サイズ)
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その先、広い雪原の向こうに孫守山(左上)と荒沢山(右)が威厳を放つ(元サイズ)
金目川に架かる次の橋、積雪1m程度
金目川に架かる次の橋、積雪1m程度
なだらかな丘陵地「まみノ平観光栗園」にある「山小屋まみノ平」
なだらかな丘陵地「まみノ平観光栗園」にある「山小屋まみノ平」
栗園の奥に進むと金目川の上流方向に孫守山が見える(山頂は左奥)
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栗園の奥に進むと金目川の上流方向に孫守山が見える(山頂は左奥)
道路は荒沢の渓谷沿いへ
道路は荒沢の渓谷沿いへ
間もなくスリット型の堰堤が現れる
間もなくスリット型の堰堤が現れる
堰堤の上を渡るのは無理
堰堤の上を渡るのは無理
堰堤の脇から荒沢上流方向。左上は孫守山南西尾根。
堰堤の脇から荒沢上流方向。左上は孫守山南西尾根。
水流の穏やかな浅瀬で渡渉(スノーシューを履いたまま長靴で)
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水流の穏やかな浅瀬で渡渉(スノーシューを履いたまま長靴で)
対岸の斜面を登り孫守山南西尾根に上がる
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対岸の斜面を登り孫守山南西尾根に上がる
尾根の下部は広尾根で残雪豊富
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尾根の下部は広尾根で残雪豊富
尾根が細くなると残雪が減ってくる
尾根が細くなると残雪が減ってくる
ブナの幹にあった切り付け
ブナの幹にあった切り付け
明らかに踏み跡が存在しているようだ
明らかに踏み跡が存在しているようだ
急登部に新しいロープが設置されている。この尾根を生業で利用している人がいるようだ。
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急登部に新しいロープが設置されている。この尾根を生業で利用している人がいるようだ。
右手には常に荒々しい荒沢山(左)が望まれる。右は長松山。(元サイズ)
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右手には常に荒々しい荒沢山(左)が望まれる。右は長松山。(元サイズ)
丸い丘、645m地点。小休憩
丸い丘、645m地点。小休憩
645mから望む険しい荒沢上流域と荒沢山。左上は山頂方向(元サイズ)
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645mから望む険しい荒沢上流域と荒沢山。左上は山頂方向(元サイズ)
登って来た尾根と金目集落(右)
登って来た尾根と金目集落(右)
残雪が途切れても踏み跡が利用できる、薮も薄い。
残雪が途切れても踏み跡が利用できる、薮も薄い。
左側の金目川上流方向の展望。
左側の金目川上流方向の展望。
金目川の流れ(拡大)
金目川の流れ(拡大)
標高800mを超えると残雪の割合が増えてくる。前方の茶色い崖の急登は難所。
標高800mを超えると残雪の割合が増えてくる。前方の茶色い崖の急登は難所。
荒沢上流部の狭窄部は雪崩の巣。
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荒沢上流部の狭窄部は雪崩の巣。
登って来た長大な尾根。
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登って来た長大な尾根。
荒沢山を見る角度も徐々に変わってくる(元サイズ)
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荒沢山を見る角度も徐々に変わってくる(元サイズ)
不安定な雪庇と薮のミックスに悩まされる。左奥は孫守山、右奥は1110m南東峰。
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不安定な雪庇と薮のミックスに悩まされる。左奥は孫守山、右奥は1110m南東峰。
最後の難所。片勾配で急登の硬雪雪庇。
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最後の難所。片勾配で急登の硬雪雪庇。
手前から南東斜面に降りて巻く。
手前から南東斜面に降りて巻く。
山頂目前、左奥が孫守山、右のドーム状が1110m南東峰(元サイズ)
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山頂目前、左奥が孫守山、右のドーム状が1110m南東峰(元サイズ)
伸びやかな斜面、1110m峰直下
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伸びやかな斜面、1110m峰直下
1110m南東峰到着。右に少し隠れて見えるのが孫守山。
1110m南東峰到着。右に少し隠れて見えるのが孫守山。
南東方向パノラマ(山名表示)(元サイズ)
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南東方向パノラマ(山名表示)(元サイズ)
北東方向パノラマ(山名表示)(元サイズ)
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北東方向パノラマ(山名表示)(元サイズ)
荒沢山方向
最終目的地、孫守山(1107.9m)を望む。南東峰よりも僅かに標高が低い。
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最終目的地、孫守山(1107.9m)を望む。南東峰よりも僅かに標高が低い。
孫守山山頂到着、こちらも雄大な展望が広がる。
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孫守山山頂到着、こちらも雄大な展望が広がる。
以下、山頂展望。北東方向パノラマ。(山名表示)(元サイズ)
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以下、山頂展望。北東方向パノラマ。(山名表示)(元サイズ)
北方向、金目川上流域(山名表示)
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北方向、金目川上流域(山名表示)
北西方向パノラマ。(山名表示)(元サイズ)
北西方向パノラマ。(山名表示)(元サイズ)
朝日連峰主峰。(元サイズ)
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朝日連峰主峰。(元サイズ)
巣戸々山、足駄山方面拡大(元サイズ)
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巣戸々山、足駄山方面拡大(元サイズ)
鷲ヶ巣山拡大
南方向、飯豊連峰方面パノラマ(元サイズ)
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南方向、飯豊連峰方面パノラマ(元サイズ)
1110m南東峰を望む(元サイズ)
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1110m南東峰を望む(元サイズ)
下山開始、崩れた雪庇。
下山開始、崩れた雪庇。
雪質が少し緩みツボ足でも下れる。
(中央:下山時のトレース、右:登山時のトレース)
(食い込み量が一目瞭然)
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雪質が少し緩みツボ足でも下れる。
(中央:下山時のトレース、右:登山時のトレース)
(食い込み量が一目瞭然)
シャクナゲ薮がうるさい区間もあり
シャクナゲ薮がうるさい区間もあり
長大尾根でも残雪の下りは速い
長大尾根でも残雪の下りは速い
834m付近、ようやく飯豊連峰の雲が取れてきた
834m付近、ようやく飯豊連峰の雲が取れてきた
荒沢山と右に反射板の峰
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荒沢山と右に反射板の峰
白銀の飯豊連峰パノラマ(元サイズ)
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白銀の飯豊連峰パノラマ(元サイズ)
細尾根の急降下でも踏み跡があると助かる。
細尾根の急降下でも踏み跡があると助かる。
415m手前の鞍部より尾根を外れ荒沢渡渉地点へ下る。
415m手前の鞍部より尾根を外れ荒沢渡渉地点へ下る。
増水の心配もなく渡渉。
増水の心配もなく渡渉。
堰堤が見えてくる
堰堤が見えてくる
堰堤より南西尾根(左)と荒沢山(右)
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堰堤より南西尾根(左)と荒沢山(右)
広い雪原で孫守山と荒沢山を見納め
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広い雪原で孫守山と荒沢山を見納め
作業道入口にある気になる看板。熊を放獣しているようだ!
作業道入口にある気になる看板。熊を放獣しているようだ!
荒川沿いから望む美しい飯豊連峰
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荒川沿いから望む美しい飯豊連峰
足を延ばし、りふれで日帰り入浴。細々と営業しているようだ。
足を延ばし、りふれで日帰り入浴。細々と営業しているようだ。
帰途、関川村で望む飯豊連峰(朳差岳〜アゴク峰)
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帰途、関川村で望む飯豊連峰(朳差岳〜アゴク峰)

感想

過去に薮山の荒沢山に登った時に気になった孫守山に登ってみた。スタート地点は今回も金目集落。気温は低めで残雪は良く締まっている。荒沢に沿って未除雪の作業道を2.8km進み浅瀬で荒沢を渡渉する。水深は30〜40センチ程度。対岸の雪斜面を登り孫守山の南東1110m峰から南西に派生する尾根に乗る。次第に細尾根になり残雪の無い割合が多くなる。この先急登や小刻みなアップダウンが予想されるため標高500mでスノーシューを外す。

驚いたことに雪のない場所には踏み跡が続いていている。まだ薮の薄い時期なのではっきりしており、標高950m付近まで存在は確認できた。文献によるとこの尾根は左右の見晴らしがよく熊狩りに利用されていたようだ。この先も広尾根区間では残雪を歩き、細尾根区間では踏み跡を登っていく。しかし標高を上げると細尾根の三角雪庇の難所が現れ緊張しながら通過。(900〜950m)。さらに山頂直下のガリガリの片勾配の急登は突破は厳しく南東斜面から巻いて通過する。

難所を通過すれば、なだらかで広い尾根が山頂まで続いている。孫守山と南東峰からは遮るもののない雄大な展望が広がり、長大な尾根を登って来た苦労が報われる。櫛形のような山容で迫る三体連山、その左奥に白銀の朝日連峰、振り返れば飯豊連峰や村上の鷲ヶ巣山など飽きのこない眺めが楽しめる。下山時には雪も緩み迂回せず難所を通過できた。

(参考)昔、山形の長井と新潟の村上を結ぶ閑道(山越えの迂回路)として西山新道が存在していた。村上からは塩引き鮭、長井からは青苧(衣服の原料)を牛馬に背負わせて交易していた。その閑道の核心部が三体山を北上し合地峰から西進し、土倉エボシ(1176.5m)から西北西尾根を下り金目川を渡渉する区間である。今回孫守山の南西尾根に踏み跡があったのは熊狩り衆が利用した以外に西山新道のような閑道が通っていたのかもしれないと歴史ロマンに妄想を膨らますのもおもしろい。

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コメント

写真素敵です。
初めまして、三体山・古道好きなokusanです。
いつも拝見して地元の山記録は興味深いです。
何枚か三体連山などを普段見れない西方向から見たパノラマ写真素敵ですね。しかも山名表示は大変参考になりました。
力弱くなりましたが今年も三体山、合地峰に登りたいです。
安全に春山登山を楽しんで下さい。
2021/3/14 10:34
Re:
okusan様、コメントありがとうございます。
okusan様の貴重な西山新道の踏破記録、大変興味深く参考にさせていただきました。無雪期に踏破されるのは並々ならぬご苦労の連続だったことと思います。土倉エボシ近くの沢に築かれた石積みはどう見ても自然にできたものではなく貴重な発見だと思います。西山新道が内陸の置賜地方から幾つもの峠や谷を越えて廃村柳生戸を通過して岩船港方面まで続いているとは感慨深いです。
2021/3/14 12:11
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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