宗像四座の敗北



- GPS
- --:--
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 829m
- 下り
- 842m
コースタイム
09:00 城山登山口
12:00 地蔵峠
13:30 孔大寺山 14:00
15:30 垂見峠でエスケープ
天候 | 曇りのち雨 気温低く風あり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
整備されています。 ロープの区間がかなりあります。 エスケープルートもいくつかあります。 |
感想
※ 以下はヤマレコ登場以前の記録です。
長いのですが、そのままUPします。
今回の設定ルートは4山の縦走ルートにつき少なくとも4回のアップダウンあり。おそらく登りは大丈夫と思うが下りの膝が心配。また、同行者のNは山の経験がほとんど無いため登りで苦戦することが予想される。
JR鹿児島本線福岡教育大前にて待合せ、スタート早々登山口を探すのに手間取り1時間のロスタイム。今後は、登山口へのアクセスを事前にリサーチする必要あり。
登山口はよく整備されている。公衆トイレあり。ボランティアによる清掃で非常に清潔に保たれているのが気持ち良い。何人かの登山者あり。年配の男性登山者の一人と話をし、情報を仕入れる。強者は、今回の設定ルートを1日で2往復した者もあり、唖然!まさに、加藤文太郎並み。
入山。しばらくは階段が続く。同行者は既に息が上がる。この先が不安になるが、最初の城山は高度も300m級なので無事に登頂を果たす。山頂もよく整備されていて眺望もよく快適なスタートが切れた。風が強いので体感温度は気温以上に低く感じられる。この先要注意。続く金山は南岳と北岳からなる。最初の下りを無事通過して、しばらくアップダウンを繰り返し、南岳に到着。へたをすると素通りしてしまいそうな小さなピークだ。続いて北岳。日本第2位の南アルプスの北岳とは違いやはり小さなピークだ。3つめの山の孔大寺山がよく見える。499mなので、結構な迫力だ。きつそうな尾根が確認できたので、石峠で次に進むかどうか考えよう。尾根伝いに進み本日2度目の下りにかかる。徐々に膝に違和感を感じ始める。同行者は相当バテ気味の登りであったが、下りは快調にこなしていく。
地蔵峠に到着。ここで12時。すでに、登山口から3時間。この後の孔大寺山の登りはきつそうだ。同行者のNにこの先に進む気力と体力があるかを確認し、縦走続行に決める。
石峠の車道を渡り、孔大寺山の登り口にとりつく。コンクリートの階段を少し登ると、唐突に容赦のない直登がはじまる。ほとんどスキー場のゲレンデのような道筋も判然としない登山道をひたすら上へと目指す。同行者のNはきつそうだ。5分と歩かないうちに止まってしまう。作戦を変更する。同行者Nを先行させ自分のペースで登ってもらい、私はしばらくのちにそれを追いかけることにする。そのほうが私にも楽だ。ただ、気温が低いので長く止まっているのも厳しい。自分のペースで登ると、すぐに先行する同行者Nに追いついてしまう。そして、また休み。こんなことをしばらく繰り返しながらこのへんてこな二人組パーティーは高度をかせいでいった。急坂を登りきると、道は緩やかに変化した。地図上では孔大寺山山頂の手前のはずだ。「もう少し」同行者Nに声をかける。
山頂は小ぢんまりしていたが、ベンチが二つ置いてあり昼食にはちょうど良い。周囲を樹木に囲われていて展望はあまりない。13時を少しまわったころだ。おにぎりを食べ切り、ザックから2本の缶ハイボールを取り出し、同行者Nを誘惑する。正直、山行中に酒を飲むのは不謹慎と思っているが、寒いのと、なによりこの前登った摩耶山で友人Yが反則の下りロープウェイの中でザックから取り出した缶ハイボールがこの上なくうまかったので、あの感動をもう一度味わいたいものだと持ってきたのだ。それと、この時点でこれを取り出したのは、たぶんこれを下りきったらその次の湯川山には進むことはできないだろうと判断したからだ。時間も同行者Nの体力も私の膝も限界が近づいていた。
寒いなかアルコールで多少温まった私たちは、14時ころ下りにかかった。地図の上では登りほど等高線は密ではないが、膝はすぐに悲鳴をあげはじめた。踏み込む脚に力がはいらない。右脚に続いて左脚も痛くなってきた。幸いなことに道沿いにロープがはってある。これは本来登りの補助用であろうが、下りにもありがたい。しかし、膝があまりに痛む。ふいに思いついた。懸垂下降!後ろ向きになりロープを頼りに一気に下っていく。なんと、後ろ向きに踏み込む脚に痛みはない。助かった。これで、なんとか垂見峠まではおりられそうだ。こんなところを他の登山者に見つかったら、一生の恥であるし、危険極まりないのだが、四の五の言ってはいられない状況だ。
樹の間から時折聞こえてくる車の音に安堵しながら、15時をまわって垂見峠に無事到着。私は「ここで降りよう」と宣言した。今から仮に湯川山にとりついたとしても山中で日が暮れてしまう。気温も低いし、天候も怪しい。なにより、二人とも風邪をひいていて私は膝、同行者Nは体力が限界だ。迷う必要はなかった。
こうして全山縦走は途中でリタイヤとなったが、このへんてこなパーティーは大いに満足していた。スタートから8時間。十分だ。やり残した湯川山はまたの機会にしよう。
よくやったよ、釣り人N。
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