黒谷の知られざる滝と横川中堂の梅花黄蓮を訪ねて


- GPS
- 04:10
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 733m
- 下り
- 788m
コースタイム
天候 | 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山はJR湖西線おごと温泉駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
黒谷には登山道なし 登山靴で遡行することが出来るが、数多くの渡渉あり |
写真
感想
前夜は雷雨であった。土曜日の早朝のうちに雨が上がる予報ではあったが、結局、雨が上がったのは昼前であった。前日の予報では午後からは晴れ間が期待できることになっていたので福寿草を見に鈴鹿に出かけてようと目論んでいたが、雨雲レーダーを確認すると滋賀県にはしっかりと雨雲がかかっている。
鈴鹿の福寿草は諦めて雨が通り過ぎた後の延暦寺の横川中堂にバイカオウレンを見に行くことにする。登山口で京都バスを下車して元三大師道の掘割の古道を辿る。道の周囲には早速にも多数のミヤマカタバミが現れるのだが、先程までの雨のせいだろう。花が開いている株は一つもない。
道が黒谷を渡渉して、右岸へと渡るところで、谷奥に滝があることに気がつく。右岸を滝に向かって進むと明らかな古道の跡が現れる。まずは滝を訪れる。滝は7〜8mの二段の分岐漠で、以外にも立派な滝だ。
古道を辿り滝を越えるとその上流には次々と小滝が現れる。やがて小滝の蓮瀑が終わると、谷は傾斜が緩やかになり、苔むした岩がゴロゴロと転がる狭いV字谷になる。沢を幾度となく渡渉しながら上流へと遡行してゆく。5月を過ぎるとヒルが多そうな雰囲気だが、この季節はさすがにヒルはいないだろう。
ca370mのあたりで杉の植林帯に入ると薄暗い谷には多数の苔むした倒木が横たわっているのが見える。右岸の小尾根に乗り、倒木帯を高巻くことにする。再び谷に下降するとca400mで二俣の出合となる。目指す横川中道に行くには左俣を辿る方がコース的には良いのだが、右俣の方が水量が多そうであるのと谷相が良さそうな気がして、こちらを選択する。谷にはかすかに踏み跡があるようだ。
谷のV字が広がり、しばらくは快適に谷を進む。驚いたのは丁度、ca500mのあたりで、突然、谷の奥に再び滝が現れる。比叡山の西側では川迫谷の三ノ滝、音無の滝として知られる一ノ滝以外はほとんど知られていないが、十分に名前をつけても良さそうな貫禄のある直瀑だ。雨の後で谷の水量が増しているせいで滝が立派に見えるのだろうか。
滝の右岸を巻いて滝上に上がると右上に青蓮寺の建物が見える。沢の流れは急に細くなる。そろそろ谷を離脱しても良い頃合いだろう。右岸を登ると忽然と平坦地が現れる。かつての塔頭の後だろう。信長に焼き討ちされて滅びた堂宇の一つかもしれない。比叡山は山中に突然、かつての寺院の跡と思われる平地が現れることがあるが、ここは何かの跡地であるのは明らかだ。
平地の裏手の植林の尾根を登ってゆく。急斜面ではあるが、植林の作業道を適当に選んで登るうちに徐々に傾斜も緩くなる。尾根上部に登ると掘割の古道が現れる。古道の周囲では数多くの馬酔木の花が咲いている。
比叡山から続く尾根と合流すると、杉の樹間より蒼空を反映して青碧の湖面を見せる琵琶湖の展望が視界に飛び込む。尾根上の明瞭な道は京都一周トレイル、または比良比叡トレイルとも捉えられるが、これらの道の歴史はかなり浅く、回峰行道として古来より多くの僧侶が行き交った道と捉えたいところだ。
玉体杉に至ると京都側の展望が大きく開け、雲の合間から溢れる日差しを反射して京都市街が眩しく輝いているのが見える。石仏のある薙辻からは元三大師道に再び合流し、横川中堂に向かう。昨年も今の時期、この道を辿ってバイカオウレンを見に行ったのだった。
横川中堂が近づき、登山道の周りを笹が彩る快適な道になると、まもなく登山道の周囲には多数のバイカオウレンの群落が現れる。今年は訪れたタイミングが良かったのだろうか、昨年よりもかなり花が多いようだ。夢中になって花々の写真を撮っているうちに急に風が強くなり、寒くなってきた。
ポシェットから手袋を出すと手袋の片方しか無いことに気がつく。花の写真を撮るためにカメラを取り出したあたりまで尾根を戻るが、手袋は見当たらない。どうやら黒谷のどこかでポシェットから落ちたようだ。登山道のない黒谷で手袋を再び見出すのは絶望的だろう。手袋を嵌めることが出来た右手は良いが、左手はフリースの中に引っ込めて寒さを凌ぐしかない。
横川中堂のあたりは風の影に入るのだろう、風が急に和らぐ。しかし、冷たい小雨がパラツクようになる。
花を観賞できることを期待して横川中堂の下にある定光院を訪れると、すでに門が閉められていた。時刻はすでに16時を少し回ったところだ。黒谷の通過に時間がかかり過ぎたせいだろう。
上空を見上げると、比叡山の京都側は天気が悪そうだ。比叡山を越えて京都に戻ることを考えていたが、このまま仰木を経て雄琴へ下ることにしよう。琵琶湖展望台に至ると北湖の方角には雲の下に虹が出来ている。比良の山々はことごとく雲の中だ。
仰木の里を歩くと随所に琵琶湖の展望が広がる。しかし、太陽が比叡山の上にかかる雲の中に隠れると琵琶湖の上にかかる虹も瞬く間に消えてゆく。梅、レンギョウ、沈丁花、水仙と数多くの花が咲いている。休耕田ではヒメオドリコソウの群落が赤紫色の絨毯となっていた。花々を愛でながら歩くうちに雄琴の駅までの道のりは短く感じられるのだった。
湖西線で夕暮れの京都に戻ると市街を囲む山々は雨に烟っていた。
コメント
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黒谷は地形図で見るとかなり等高線が密で気になる谷でしたが、やはり滝がありましたか。面白そうです。バイカオウレンも見事です。お気に入り登録しました。
桂谷しかり、黒谷しかり、他の谷にも滝があるかもしれませんね。
行かれた翌日は音無三滝に行きましたが、二の滝の下にはやっぱり行けませんでした。
HBさん コメント有難うございます。確かに比叡山西麓の名のある谷の中ではここは等高線が密なので、もしかして・・と思っておりました。この谷の滝はネットを検索する限り、まったく記載が見当たらないんですよね。しかし、最初の滝、青蓮寺の下の滝といいいずれも立派な滝だと思うのです。HBさんの食指が動いてくれてよかったです。
今回は写真がブレてしまい残念でしたが、三脚を持参して捲土重来したいと思います。
今度は1日違いでしたね笑。自分は上仰木への下りで迷走してしまいましたが、、、
宮メズラから仰木峠までは稜線沿いに歩けるも、琵琶湖は木々に邪魔されスッキリと見えることなく、仰木峠でやっとスッキリ見えるといった感じでした。
この日は霞がかることもなく、美しい琵琶湖がくっきり望めたので、これが近江の山歩きの贅沢なのかなと感じた今日この頃です^^
zzzinさん コメント有難うございます。
私は正月明けの寒波の日に梶山〜宮メズラ〜環来神社まで歩きましたが、zzzinさんも渋いところに行かれますね。
横川からおごと温泉まで下る人は少ないと思うのですが、一日違いでzzzinさんがほぼ同じルートを辿られたとはびっくりです。zzzinさんはドライブウェイから植林の谷に下る踏み跡に入られたんですよね。ここは非常にわかりににくいところだと思います。ピンクテープが谷に向かって誘導するようについているので、私も谷を下降しかけました。
日曜日は天気が良かったので青碧の美しい琵琶湖を眺めながら、下ることになったでしょうね。仰木の里を歩きながら、このあたりの人々にとっても琵琶湖の輝きは特別な存在なのだろうな・・・と思いながら歩いておりました。
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