焼肉竹の親父の山歩記 呉枯ノ峰(滋賀県) 菅山寺・朱雀池に無人の古刹を護る白錦鯉


- GPS
- 02:06
- 距離
- 4.2km
- 登り
- 217m
- 下り
- 219m
コースタイム
- 山行
- 1:45
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 1:57
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所もなく、整備も行き届いています。 |
その他周辺情報 | 麓にキャンプ場のウッディパル余呉があります。 |
写真
感想
桜もすっかり葉桜になった4月27日。
ウッディパル余呉を横切る形で奥から続く林道を車で登って行きます。
私が行った時は倒木や石などで荒れたところもなく、極めてスムーズに通れました。
ただし、平日だったので観光客で賑わう休日なら対向車があると厄介なことになるでしょう。
しかし、所々にすれ違いできるスペースもあり、譲り合いの精神が互いにあれば問題ないと思います。
菅山寺の標識がある山頂付近にきちんとした駐車場があり、いきなり余呉湖方面の素晴らしい景観が拡がり、そこだけでもう満足できる感じです。
ベンチやシートを敷いて休憩できるスペースもあり、お弁当を広げたら、きっと素敵なひとときが過ごせます。
そう思いつつ、山歩きに来たのだからゆっくりと歩き始めます。
最初の目的地である菅山寺までは下りになります。
静かな山道を鳥と風の音だけが辺りを包んでいました。
実はここに来るのは別のルートからでしたが、10数年振りです。
いつからか住職がいなくなったしなびた古刹の雰囲気は当時と変わりなく、幾千年の長大な時の流れの中に、たかだか60年足らずの生の鼓動など、泡沫の弾けて消える音よりも小さく感じます。
周りを釈迦の花咲き乱れる山門の両脇に、平安前期、藤原道真公務が植たとされる、幹周約7.5メートル、樹高約23メートル、樹齢約1千年のケヤキの向かって右側のケヤキがその大きな巨体を倒れさせていました。
前回に来た時には、まるで夫婦のように見た目のバランスも良く立っていたのに、大往生したかのような屍に、心の中で思わず手を合わせていました。
後でネットで調べると、4年前の2017年に、おそらく老朽化によって力尽きた模様です。
残念です。
でもまだ大地に還る様相でもなく、まるでつい昨日落ちたかのような姿形でした。
気を取り直して、朱雀池に向かいました。
こんな山奥になぜあるのかと不思議な、湧き水がこんこんと絶えることなく支流へと流れていくのを眺め、ふと池の方に目をやると、ナマズ⁉️
池の真ん中あたりで白いヒレを輝かせながら、水飛沫をあげるのが見えました。
なんだろうと目を凝らしていると、その白いものがこちらへと泳いできました。
よく見ると錦鯉でした。
咄嗟にスマホで動画撮影。
湖面に映る緑と木漏れ日の煌めき、そして白い魚体が三位一体となって優雅に私の前を悠々と泳いでは戻り、まるでその深い息遣いを伝えてくるかのようでした。
まさに守神。
そう実感しました。
見る限り、たった1匹、この山奥の静かな池に住んでいる白い錦鯉。
時の流れに逆らわずに身を任せ、昨日も未来も超越して、あるのは今の生だけだと諭されました。
今日ここにきた理由は、もうこれだけで十分で、呉枯ノ峰までの往復路は、その余韻、蛇足に過ぎませんでした。
また、いつか訪れたい場所の一つです。
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