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Yamareco

記録ID: 31669
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日高山脈

札内ヒュッテ→コイカクシュサツナイ岳→ヤオロマップ岳⊃ニセヤオロ(1839m峰敗退)

1992年12月30日(水) 〜 1993年01月07日(木)
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コース状況/
危険箇所等
札内ヒュッテ→コイカクシュサツナイ岳→ヤオロマップ岳⊃ニセヤオロ(1839m峰敗退)

1992/12/30〜1/7(5-4)

L:小倉憲悟(3)AL:銭谷竜一(3)M:石崎啓之(3)

12/30 晴れのち曇:ピョウタンの滝(8:00 )→札内ヒュッテ(9:50-10:05)→ 夏尾根末端C1(13:55)

gettさんタクシーでピョウタンの滝まで送ってもらう。ゲートが閉まっていたので,ここから歩き始めるが除雪はずっと先まで入っているのでスキーを引いて札内ヒュッテ。側面は雪が少ないので気にならなかった。予定ではここに泊まるつもりだったが,時間があるので,末端に行き,1日短縮するつもりで出る。コイカク沢からスキーを履くが,入ってすぐ渡渉があり,この先もスキーだと面倒なので,早々にシーデポしてワッパを履く。ラッセルもあり,何度も転石伝いに渡渉する。堰堤は左岸,1つ目の函は右岸をまき,2つ目は中を行くが途中から左岸をまいた。あとは何もない。コイカク沢も雪崩は気にならない。末端でC1。

12/31 曇:C1 (7:40)→ 標高1300m(11:55)→コイカク山頂∩2(14:10)

朝寝坊して出るのが遅れた。外は少々曇っているがコイカクまで何とか行くつもりで行く。夏尾根は昨年より雪が多いらしいが,ずっとわっぱのラッセル。ほとんどALがラッセルしたが,後続のLとMはズルズル滑って苦労し,途中でアイゼンわっぱにした。標高1250mでわっぱとストックをデポしてちょっと行くと標高1300mの平らな所に出る。上部は風が強いかもしれないが,コイカクまでは行くことにする。岩稜は概ね雪が着いていて,所々岩にアイゼンを置くが難しくない。岩稜をこえて稜線を少し行くとコイカクのピークに着く。意外に風はなく,ちょっと南の稜線の際にイグルーを作ることにする。雪は固いが,ブロックはいいのがとれる。作っているうちに風が強くなってきてシビアになってきた。途中天気図をとりに抜けたりしていると暗くなってきて,ラテルネをつけて作り続ける。完成間もなくリーダーが外から隙間を埋めようとしていたところ,イグルーを崩してしまう。時間も遅く,風も強くてシビアだし,辛い。中に冬天が張れそうで風よけになるので,中に冬天を張ることにする。あわてて立てているうちに,ポールの先に近い部分が折れてしまったが,何とか立つので我慢して泊まることにする。明日は天気が良さそうだが日数もあるので,休養停滞してイグルーを完成させることにする。夜は紅白を聞いて年越し。

1/1 快晴:C2=C3停滞

朝ゆっくり起きて,イグルーを作り直し1839峰往復の拠点を構える。天気は絶好のアタック日よりで39峰が間近に大きくそびえていて,23峰,カムエクが白い。明日は気圧の谷の接近で崩れて来そうだが,低気圧の前面でヤオロまでいってみることにする。

1/2 曇のち霧(-14℃):C3(7:10)→ヤオロマップ(8:25-30)→ ニセヤオロ(8:50)→ヤオロ(9:05)→∩3=∩4(10:10)

高曇りで視界はあるので,昼くらいまで持つだろうと読んで,ヤオロまで行くつもりで出る。最低コルまではバタバタ歩ける。稜線は固いので,最低コルからヤオロまでの急な登りや岩っぽい所はアイゼンをしっかり置いて気をつけていく。雪庇はずっと十勝側にあるが何でもない。ヤオロに着くと畜大の植村さんたちの「12/27 1839attack成功,P1600にむかう」とのデポ旗があり,ピーク直下の稜線に天場跡があった。まだ崩れないだろうと思い,39方峰への稜線を見ようとニセヤオロまで行くことにする。ニセヤオロまでは広いが,ずっと雪庇が十勝側に出ている。サシビチャリのほうから雲が出てきてニセヤオロに着くとガス。39峰への稜線はちらっとガスの切れ間に見えたがあまり雪庇は発達してない。ナナシ側にブッシュがうっとうしそうな様子で,植村パーティのトレースも見えた。すぐに引き返すが,ヤオロ過ぎてから南西の方から雲が押し寄せてくる。思ったより早く崩れてきた。コイカクの手前でつかまるが,視界は50m以上はあり,ナナシの吹き上げもさほどでもなかった。ケルンでカメラーデンリートを歌って天場着。この日はいいペースで歩けた。イグルーの穴埋めをして ∩3=∩4。

1/3 ∩4=∩5

前半前線が通過するので,明日以降の冬型に期待して停滞。この日は外に出なかったが,昼頃からやや風が強く吹き込んでいた。

1/4 霧風強し:∩5=∩6

さあアタックだと意気込んで6時に外に出てみるが,風が強くまだ暗く何も見えない。一応明るくなるのを待ってもう一度外に出てみるが,視界はあまり無くコイカクピークが見えるのみで風もやはり強い。時間待ちも出来ないのでアタックを諦める。午後は晴れていたようだった。

1/5 霧風強し(-16℃):∩6=∩7

今日こそはと出てみるが,天気は昨日と変わらない。七時まで待ってみるが,やっぱり変わらないので明日の最後のチャンスにかけることにする。今日は昨日より冬型が強まっていたが,明日は冬型が緩んでくれることを願う。そろそろ下りることを考えなければならない。

1/6 晴れ風強し(-17℃):C7(10:25)→標高1300m(11:25)→末端(12:15-30)→札内ヒュッテC8(15:30)

朝起きると風がゴウゴウ鳴っていて寒い。外に飛び出してみると,視界はあるがナナシ沢の底から雪煙を上げてものすごい風が吹いている。立っているのがやっとなので,すぐにアタックはあきらめ脱出することにする。明日は気圧の谷の接近で悪そうなので,今日はあとになれば冬型も緩んで来るだろうと思いしばらく待ってみる。9時の天気図をとったあと,外に出てみると,朝よりやや風は弱まっていて我慢すれば何とか下りられないこともないので,急いでパッキングして出る。ザックもあおられるような風で,ピークまで一歩一歩足をやっと前に出して進む。ピークから直下の5m位をどうやって降りようか,とにかく前向きで降りられないので後ろ向きになり,バックステップというより,飛ばされないようにピックにしがみつきながらズリズリ下る。急傾斜が終わってもこの先の稜線をどうやっていこうか迷う。風は少しも衰えず,西から吹いている。風下側に移って風を避けたいが,飛ばされそうなので思い切って行けない。しばらくは風上側の斜面を突っ張るようにして進み,場所を選んで這いつくばるように風下側に移った。風下側もしばらくは風が強かったが,風の弱いところまで行ってやっと一息つく。あまりの風に息をするのも苦しかった。まだ岩稜があるので安心できない。岩稜は風でバランスを崩さないよう慎重に,ほとんどバックステップで降りる。岩稜をすぎてカンバがでてくると,風も収まってきてやっと安心する。わっぱとストックを回収して,かけ下って末端へ。時間があるので札内ヒュッテまで行く。コイカク沢は,トレースはほとんど消えていてラッセル。ほとんど行きと同じ所を歩く。期待した車もいないので札内ヒュッテに泊まる。

1/7 晴れ:C8(10:00)→ピョウタンの滝(12:00)→カラノ沢工事事務所(12:50)

朝はゆっくり起きて歩き出す。ピョウタンの滝に電話が無かったので,工事事務所まで歩く。畜大に電話すると植村さんが迎えに来てくれた。39峰への稜線は両面雪庇に苦労したとのことだった。
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