火の山連峰へサンセット・ハイク
- GPS
- 01:56
- 距離
- 7.1km
- 登り
- 379m
- 下り
- 368m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
良好に整備された一般登山道 |
写真
感想
博多方面に向かう新幹線が新山口に近づくと、左手の車窓には低山でありながら幾つもの鋭鋒がギザギザと連なった山地が視線を惹く。鋭鋒のピークの多くからは好展望が広がるところではあるが、縦走するにはそれなりのアップダウンを覚悟しなければならないところだ。
この日の朝は秋穂半島の先端部にある串山連峰を縦走したところであるが、登山口となる秋穂へのバスからも左手に見える火の山連峰が迫力ある山容を見ながら、山行先をこの山にしなくて良かったと安堵する。出張前に全身びしょ濡れになったことだろう。
この日は山口のあたりは一日、曇りの予報であったが、天気予報は大きく外れ、快晴の空が広がっている。出張の用事は17時半過ぎに終了する。新山口駅前のホテルに戻ると、18時過ぎに上りの山陽本線の列車が出発することがわかったので、ホテルで再びウェアに着替えると出発間際の列車に飛び乗る。
四辻の駅で降りて、金毛川に沿って登山口に向かうと、多くの自転車に乗った多くの中学生とすれ違う。地方を歩いていると地元の中学生に礼儀正しく挨拶されることが多いが、こちらの中学生達も同様だ。
ところこの潟上という地名、その由来を確認した訳ではないが、新山口、かつての小郡の周辺の土地は典型的な干拓地であり、ここはかつては干潟が広がっていた場所であるのは想像に難くない。当然ながら、これから向かう火の山はかつては島であったところだ。
中学校の校舎の脇には登山口を示す小さな標柱があり、その先は小さな湿地となっていた。低木の樹林帯を抜けるとすぐにも岩場の急登が始まり、登山道に沿って大きな岩が次々と現れると、夕陽に背景に小郡方面の好展望が広がる。暑さを懸念してはいたが、展望と同時に尾根には海風が吹き渡り、急登で火照った体を冷ましてくれる。
まずは最初のピーク、岩屋山に登ると、火の山の手前に立ち並ぶいくつものピークが視界に入るまずは最初のピーク、観音山に向かう。尾根には随所に小さな岩場があるが、絶好のパノラマが広がることになる。
観音山は東側は大きく切れ落ちている。天神山との呼ばれるところらしい。国土地理院の地図でも陶ヶ丘としてとしてヤマレコで地点登録されているのはこの山であり、一般的に陶ヶ岳というとこの観音山を指すようだ。
ところで陶と書いて「すえ」と読むが、小郡の近くの陶という地名に由来するのだろう。この「陶」の歴史は古く、良質の粘土が産生されたことから須恵器を焼く窯が作られたようだが、その歴史は6世紀頃、すなわち日本の陶器の黎明期まで遡る。陶といえば戦国時代に主君の大内義隆を討ち、毛利元就と厳島で戦った陶晴賢を思い起こすが、晴賢の祖先、陶弘賢がこの陶村に居住し、始祖として陶氏を名乗ったらしい。
二の岳のピークは低木に囲まれたところだったが、その南斜面に出るといよいよ正面に大きく火の山を望む。綺麗な日没と夕焼けを期待していたのだが、太陽は無情にも西の空にかかる雲の中に入ってゆく。
火の山の山頂からに到着すると太陽が雲に隠れたせいだろう、西の空はすでに薄暗い。南には亀山の鋭鋒が視界に入る。地図ではそう遠くはないように見えるが、亀山への下りと登り返しはかなり厳しそうだ。ヘッデンの用意はあるものの、流石にこの時間から歩いたことのない急峻な登山路に挑むのは控えるべきだろう。
東のセミナーパークへの登山道を下降する。この山に登るメジャー・ルートの一つなので良好に整備されてはいるが、かなりの急下降が続く。その分、下山は早い。セミナーパークに着地すると広い競技場でサッカーに興じる若者達がいた。この時期はライトがなくてもこの時間までサッカーが可能なようだ。
四辻駅の次の山陽本線の時間を確認すると8時12分、これを逃すとその次の列車は30分近く待たねばならない。駅までおよそ2kmの道のりを急ぐことにする。再び四辻の駅に到着した時にはあたりはすっかり暗くなっていた。
コメント
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暗い中の岩場は怖いです💦
陶晴賢
全く知りませんでした
ちょっとだけググってみました
焼き物とは無縁なのでしょうか
陶晴賢は文章を書きかけのまま(消し損ねて)アップしてしまいましたが、その下りを書き改めました。焼き物とは大いに因果があるようです。
そもそも大内氏は日本に焼き物の技術をもたらした渡来人の多々良族の流れをくむ氏族で、陶氏はその傍流らしいです。
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