朝日連峰 大鳥池から以東岳 狐穴小屋近くまで(小屋一泊)

- GPS
- 31:56
- 距離
- 19.5km
- 登り
- 1,760m
- 下り
- 1,318m
コースタイム
13:14以東岳山頂―13:36碧玉水から小屋
15日6:20小屋発ー6:30以東岳ー8:04中先鋒からしばらく先まで行って引き返すー9:34 三度目の山頂ー10:27オツボ峰ー11:58大鳥小屋ー13:00七つ滝沢橋ー14:16駐車場
天候 | 14日 くもりのち晴れ 15日 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
泡滝ダムの登山口を朝6時すぎに出発する時の空模様はやや怪しい雰囲気。今回は台風の影響もあり降られて当然の覚悟できた。
今日は何とかもっても明日からは間違いなく降るだろうから大鳥池についたらまずテントを張って荷を軽くしてから以東岳を直登コースで登りオツボ峰経由でもどる予定。
その後テントで一泊して明日は降っても帰路3時間ほどの距離なのでそう苦になることはないだろうとの思惑で出発。
大鳥川の沢沿いについた道は急な上りもなく気持ちよく歩ける。水を2ℓ持ってきたがいくつもの小沢があったり細流もあり水筒から飲まなくても十分に間に合う。大鳥池までは3時間のコースタイムでなので途中で半分を捨てた。これでザックの重さが1キロ軽くなるわけだからテントを担いでいる身としてはありがたい。
最初の吊り橋を渡ったところで少し先に駐車場を出発していた3人組が一服していた。
自分はこのところ鈍足にさらに拍車がかかった状態であり年齢的にも(50代半ばです)いかに体の負担を減らしながら歩けることができるのか考えている所であり先行すると心理的に圧迫されるので余程自分よりも遅い先行者でなければ追越したくはない。
何にも気にしなければ良いのだが動けるうちはつい歩を早めてしまう困った性格なのでできれば追い越したくなかったのだ。
しかし挨拶程度の話をして話の接ぎ穂を見つけられないままに先行することに。
ゆっくり、ゆっくりと自分に言い聞かせて歩を進める。
しばらくしてまた吊り橋が現れる。七つ滝沢橋。ザックを下ろして所要時間を確認するとコースタイムに4分遅れの1時間19分。対岸に渡るとちょっとした平地。テントなら3,4張りはれそう。でも朝日連峰縦走路は大鳥池の指定地を除けばすべて幕営禁止。飯豊は山小屋付近はほぼ可能なのにテント派の自分にとってはこの山域はちょっと歩きにくい。
休憩して少し疲労をいやして歩き出す。相変わらず沢沿いに道は続く。木々の中を歩くので視界が狭い。しかし天気は良くなってきた。木漏れ日が差し込んでくる。暑いが帽子をかぶるほどではない。細流が現われる毎に口を近づける。
そうこうしているうちに七曲りの坂道にさしかかる。つづれ折りに上がるので案外順調に進んでいく。大鳥池はもうすぐのはずだ。
大鳥池から以東岳のイラスト入の案内図が描かれた標柱を見つけてから少し行くと右手に白い壁の大鳥小屋が現れた。その前には大鳥池が広がっている。
管理人の方がベンチに座っていた。特に何かをしているのでもなさそう。
明日の天気や水場のことを教えてもらった。今は快晴に近い。明日も崩れるのは午後からみたいとのこと。
まずここでテントを張って以東岳へというつもりだったもののあまりの天気の良さに欲が出てきた。狐穴小屋まで行けるんじゃないか。食料は1泊分の予定で持って来たが切り詰めれば2泊は大丈夫そう。狐穴小屋までたどり着けなくても以東小屋がある。とりあえず稜線まで上がってから考えることにしよう。幕営は中止。
大鳥小屋の水場と幕営地を見学してから以東岳へと向かう。水場の水は写真通り複数の蛇口から気持ちよく出ている。草地のテン場はベンチが所々にしつられ使いやすそう。
大鳥池は池というには大きすぎて湖というのが相応しい感じがする。タキタロウ伝説もあり何か神秘的な姿を想像していたが予想に反して非常に明るい場所だった。
大鳥池のすぐ際についた登山道は足をすべらせばそのまま水中におちてしまう。渓流釣では川のへち伝いに歩くことがあるが本当にそんな感じの箇所もある。
こんな道も面白い。
池からそれていよいよここから急登コースが始まる。地図に急登コースと書いてあるんだからその通りなんだろう。そしてその通りでした。悪戦苦闘の2時間後、待望の森林限界を超えてついに視界が開けても遅々として前へ進まず。ザックを肩から外す回数が増える。後ろを振り返り振り返り何度も見なくても良い眼下に望む大鳥池を見下ろしながら時間をやり過ごして立ち止まる。
それでももう以東小屋が見えてきた。ネットで見たことのある小屋の破損状況。
2階の壁が剥がれ落ちている。
小屋に入ってみるとかび臭い。壁を見ると青カビが大発生。全部の窓を開けてこもった空気を開放する。とりあえず今日はもう限界、狐穴小屋までは諦めることに。ザックをおいてまず山頂へ。空身になってもわずか10分の上りが辛いがついに山頂に到達。寒江山へとたどる稜線がはっきり見て取れる。この道を歩くのが縦走の醍醐味なんだよな。明日に思いを馳せる。まあ天候次第なのだが。
一通り360度の展望を一人満喫して小屋に戻る。もう一仕事待っている。水汲み。
小屋前を左に降りる踏み跡を辿る。最初は大きな二つある岩の左を目指す。踏み跡は概ね明瞭。そこを過ぎると新たに大きな岩が一つ見えるのでそこを目指す。その右側を通りさらに右へ行けば碧玉水に至る。5、6分ほどとは言えかなりの急降下。水は冷たいし量も充分に流れている。ここで持参したビールを冷やしたくなるが往復がつらい。プラティパスに2ℓと3ℓの水を満たす。帰路2度立ち止まって息を整えて小屋に戻る。これだけでもう汗でビショビショ。
いよいよ、これからが例のお待ちかねタイム!
しかしさらにもうひと仕事。かび臭くてどうしようもない。トイレットペーパーで壁の青カビを拭き取る。そして体を先ほどくんだ水で清めて着替えてやっとさっぱり。今回はビール(発泡酒)500ml2本とペットボトルに詰め替えてきたウイスキーで一人宴会の始まり。
ビールは生ぬるかったが下まで降りて冷やすよりはマシ。この瞬間に私はすべてを感じました。登って良かったと。その後も妄想と山小屋に一人いるという何とも言えない至福感に浸って一人宴会は続くのでしたが疲れもあって以外に早く睡魔の虜に。
何時間がの眠りのあと夜半目覚めると外は風が吹き荒れているもよう。風の唸り声が聴こえるし2階に空いた穴付近から木材がバタバタと風に煽られてぶつかる音がうるさい。
幸いにも雨音は聞こえない。もしこれがテントだとしたら大変な状況になっていただろう。その後はなかなか寝付けず、うとうととしながらふと気づくと窓の外がしらんでいた。
眠気を振り払って小屋からでると以東岳の山頂あたりがオレンジ色に包まれている。それが見る間に黄金色に移り変わっていく。そしてまたオレンジに戻る。しばらくは何にも考えずに見とれていた。
空は今の所は晴れ渡っているので早めの行動を開始して狐穴小屋まで目指してみるか。
小屋に入りアルファ米と昨日の残り物をおかずに朝食を終え、ザックに荷をもどすとすぐに出発。わずかの時間が過ぎただけなのに周りにガスが発生してきている、空を見ると曇り空。山頂に登り返して右に進路をとる。はるか遠くまで寒江山へ縦走路が見える。
結局1時間半歩いて中先峰を過ぎたあたりでついに降り始めてきたきたため撤収を決めた。合羽の上下を着込み帽子も被る。
帰途はオツボ峰を回る。森林帯に入るまで雨の中であったが不思議に遠景がきいて
これぞ稜線歩きと言えるもので今回一番のお気に入りとなったコースであった。寒江山方面や二つ石山から天狗小屋に至る稜線を見渡せて朝日連峰を形作っている山稜の何分の一かを目に収めることができた。
いずれまた大朝日や竜門山を歩いて全容を感じてみたいものだ。
終盤石を敷いた道に変わり退屈な樹林を向けると大鳥池にでた。下着まですっかりずぶ濡れのため小屋に入れてれてもらうのも気が引けて、ボートの格納庫のような建物のひさしの下でパンとソーセージの昼食をとり大鳥小屋をすぎ昨日来た沢沿いの道をまた2時間半をかけて戻った。
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