美ヶ原☆冠雪したアルプスの山々の展望台へ
長野県
山猫
体力度について
- GPS
- 04:11
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 775m
- 下り
- 728m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
タクシー
下山は三城牧場の憩いの広場へ |
| コース状況／ 危険箇所等 |
良好に整備された登山道 下山は広小路キャンプ場から右手の林道に入ってしまったが川沿いの林道を下るのが本来のルート |
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・・パンは後ろに配置すべきだった・・
槍ヶ岳のすぐ右手に常念岳、その右手は燕岳か
感想
朝、京都の自宅の外に出ると吐息の白さに季節の進行を感じる。実に久しぶりの出張なのだが、その前に美ヶ原を散策することにする。京都から新幹線に乗り込むと、比良山地には厚く雲がかかっていたが、東に進むにつれ晴れ空が広がるようになった。名古屋駅から始発のしなの号が名古屋駅を出発すると濃尾平野の北側に白銀に輝く御嶽山が目に入る。一瞬、目の錯覚かと思ったがそうではない、どうやら御嶽山がすっかり雪化粧をしているようだ。初冠雪だろう。
松本が近づくと左手の車窓には今度は冠雪した乗鞍の姿が現れる。北アルプスと美ヶ原の方向には雲がかかっているようだが、美ヶ原の雲が晴れてくれることを期待して松本駅からタクシーで三城牧場のいこいの広場に向かう。運転手は「雲が北から南に流れているからすぐに山の上は晴れてくるでしょう」と云うが、その言葉通り、みるみるうちに雲が取れてゆく。
運転手曰く「アルプスの上の方はあの白さからすると積雪は20-30cmでしょう。松本市内は今朝は4度まで冷え込んでいました。山の方は氷点下でしょう。」
美ヶ原へはいくつもの登山ルートが通じているが、石切場からの八丁だるみルートを登ることにする。石切場に向かう県道はかなりの傾斜であり、行くならば三城牧場からのルートが良いらしい。県道は下る時にはギアをlowに入れてゆっくりと降りなければブレーキが焦げ付いてしまうおそれがあるらしい。
タクシーを降りるとあたりにはキャンプ場にはすっかり霜が降りている。白樺の樹々が立ち並ぶキャンプ場を抜けると左手の落葉松林の中に入ってゆく。朝陽の差し込む落葉松林の中は同じく針葉樹である杉や檜の樹林と異なり、何とも明るい。モスグリーン色に色づいた落葉松林の清々しさに感嘆しながら、九十九折りの登山道を登ってゆく。
いつしか尾根に乗ると広々とした登山道の両側には落葉松の回廊が続く。落葉松林の中ではところどころで色づいたカエデの紅葉が目を愉しませてくれる。登山道にはところどころに霜柱も出来ているようだ。
王ヶ鼻の下で唐突に樹林から抜け出し、好展望の岩場が広がるようになる。背後には松本盆地の彼方に冠雪した乗鞍岳が綺麗に見える。北アルプス方面は相変わらず雲の中だ。
美ヶ原には平日なら人は少ないだろうと予想していたのだが、その予想は完全に甘かった。王ヶ鼻に到着するとかなりの人がおられる。一瞬、雲の中から穂高岳が姿を見せたが、下から雲が現れたかと思うとたちまちのうちに視界は白いガスに覆わてゆく。
王ヶ頭に向かうと勢の登山者とすれ違う。やはり大人気の山のようだ。冠雪したアルプスの山々を展望すべく登ってこられた方々も多いのだろうか。
ここまでは脚の調子も順調なようだ。予定よりもかなり早く到着したので、王ヶ頭ホテルでランチをすることにした。ホテルに到着すると入り口の前には昨今では都会ではほとんど見かけることのないバキューム・カーが作業をしているようであり、悪臭が漂っていた。
王ヶ頭ホテルはビーフシチューが有名であるが、やはり人気no.1のメニューらしい。驚いたのはパスタや山菜そばなどの価格が下界とほぼ同じ価格で提供されていることだ。車で食材を運搬することが出来るから安いのだろうか。バキューム・カーも作業を終了したようなので、ホテルのテラスで美ヶ原を眺めながらビーフシチューを賞味する。
ランチの間に王ヶ頭ホテルにさらに大人数のパーティーが到着し、あたりは賑やかな雰囲気だ。果たして休日はどれほどの賑わいになることだろう。
ランチをすませると美ヶ原の広々とした草原を歩くと左手の広々とした草原では牛が放牧されている。放牧の季節ももうすぐ終了するのだろう。
高原からは正面には八ヶ岳と左手に蓼科山の展望が広がっている。赤岳も冠雪しているようだ。右手には雲の上から山頂を突き出した富士山が見えている。草原の中央部に建てられた塔は美しの塔と呼ばれるらしい。ここで引き返して、茶臼山に向かうことにする。
百曲りへのルートでは数組のパーティーとすれ違うが、茶臼山へのルートに入ると途端に人の気配が全く感じられない静かな雰囲気となる。フェンスで囲われた牧草地の端を歩くうちに右手には雲の中から槍ヶ岳から穂高にかけての稜線が姿を現す。
茶臼山への稜線を辿ると東側には笹原が広がっており、八ヶ岳の右手には鳳凰三山、北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳といった南アルプス北部の山々がやはり冠雪した姿を見せている。茶臼山の静かな山頂で好展望を堪能すると再び午後の光が差し込む落葉松の明るい樹林の中へと下ってゆく。
林床を覆う丈の低い笹原にはところどころで一面の苔が広がるようになり、林相にコントラストを与えてくれる。落葉松の林は登山口のあたりまで続き、美しい林相を楽しむうちにすぐにも下山してしまった感じだ。
いこいの広場には予約したタクシーが待っていてくれた。女性の運転手によるとかつてはこの美ヶ原には多くのニッコウキスゲが咲いていたらしいが、鹿の食害で姿を消してしまったらしい。ということは山続きの霧ヶ峰でも状況は同じということか？
松本の市街に下ると正面に見える北アルプスにはいつしか厚く雲がかかっていた。天気は明らかに下り坂であり、関東では一日、冷たい雨が降り続く予報となっている。なんとかいいタイミングで山歩きが出来たようだ。小さな山旅ではあったが信州の山の魅力を満喫した一日であった。
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久々の出張だったんですね。出張の間ででもこのルート取り、さすがです。
私も王ヶ頭は踏みに行きましたが「一日で百名山三座登頂」なんて横着なことをしてしまい、蓼科・霧ヶ峰を踏んでからここへ来ました。
後悔しかなかった山旅になってしまいましたが、やはりここへは南側から渓流や樹林帯を歩いて上がらないと勿体ないですね。
名古屋から先の東に向かう出張は実に久しぶりでした。中央線経由にすると沿線に魅力的な場所が実に多く、確かに蓼科という選択肢も考えたのですが、美ヶ原を訪れたことがなかったのでこちらにしてみました。
確かに急ぎ足で巡れば、蓼科・霧ヶ峰・美ヶ原と百名山を三座回ることが可能ですね。
改めて登山の充足感を堪能するには下から歩いて登るに尽きる・・・ということを実感した山旅でした。
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