八ヶ岳山麓・縄文遺跡を訪ねる旅ー転倒負傷も70�卅�り切る
hirokok510
体力度について
- GPS
- 08:09
- 距離
- 67.5km
- 登り
- 336m
- 下り
- 1,002m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2013年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車
自転車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
信濃境駅そばの井戸尻遺跡・考古館から釜無川に沿う七里岩ラインを甲府まで下り、県立考古学博物館まで自転車で走った。八ヶ岳と南アルプスに挟まれた素晴らしいコースだが、初めてのコースなので考古資料館など分かりにくい場所も多い。道迷いなどもあって坂道の下りの曲がり角で転倒事故を起こし、右手親指を負傷、親指が動かず、変速レバーを動かせず、40�劼魏燭箸�左手を使ってしのぎ切り、無事帰宅したものの、右手甲が大きく腫れ、左ひざ下、左手肘、左肩など擦り傷、打撲も多数で、よく無事で帰ってこれたと驚く。自転車の一人旅も結構気を付けないと危ないと改めて実感。 |
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感想
先日、世田谷野毛の大塚古墳など、東京多摩川周辺の古墳などの史跡を見た。また郷土資料館ではそれより古い新石器時代、縄文、弥生の遺跡の出土品なども見た。興味を持ったので、縄文遺跡などを調べると、諏訪から八ヶ岳山麓や、釜無川流域、長野から山梨まで、数多くの遺跡群があることを知り、一度、これらの遺跡を訪ねて、八ヶ岳山麓をMTBで走ってみたくなった。天気もよさそうなので、出かけてみた。しかし何でもない坂道で転倒し、右手に負傷をったのは不覚。単独行動は木を抜くと危ない、ということを痛感。右手親指が使えなくなったので、負傷した右手だけでハンドルを握りつつ、左手で変速器を動かした。そのために予定時間から遅れたため、4つの訪問先を3つにしてなんとか70�劼鯀�り切った。
中央線が甲府盆地に差し掛かると、白くなった甲斐駒ケ岳が見えてくる。今日の南アルプスや八ヶ岳を見ながらの自転車ツーリングに期待が高まる。信濃境駅に8時半過ぎに到着。駅はスイカなどが使えず、出場記録の書類を受け取り、帰りに清算しなければならない。駅舎を出てMTBを組み立て、座席やブレーキの調整をして、8時50分過ぎに出発、5分くらい下って、考古館に到着。二階にある入口で200円払って、中に入る。展示はこの二階のみ。展示室の入口にある映像を再生する。井戸尻遺跡群など八ヶ岳山麓の縄文遺跡群の概説、縄文農耕に結び付く石器の解説、土器の文様の意味の解説など、全部で数巻20数分のビデオだ。
この地域の縄文土器は大きさといい、文様といい、素晴らしい出来栄えだ。美術的な価値も大きいらしい。カエルや蛇、人面など様々な文様がある。その多くは女性の子を孕み、産む力⁼生命の賛歌であり、カエルは不死と再生、女性の孕む力（お腹の曲線）などを暗示し、ヘビも不死の生命の象徴ということらしい。月も同様である。
縄文時代は新石器時代から弥生までの間1万年以上の長い年月が経過している。世界史的には農耕の始まる時代で、戦後、このあたりの遺跡発掘を指導した藤森栄一氏がいち早く縄文農耕論を唱えたが、当時の学界は無視した。高度成長期に入って、日本中が土木建設工事で掘り返され、縄文遺跡が次々に発掘され、一気に研究が進む。その中で石器の研究が進み、また自然科学的なアプローチからも縄文農耕論を支持する発見がいろいろあったようだ。
現在では縄文の時代区分も土器や石器の分類も細かく精緻になり、それぞれの分野で研究が進んでいることと思われる。一渡り、展示を見て撮影し、資料やCD-ROMなどを買い求めて館を出た。考古館の裏手を少し下った場所に復元住居のある遺跡公園があり、そこからまた甲斐駒や鳳凰三山を見る。縄文の人々もこうした風景を見ていたに違いない。八ヶ岳が富士山より高い山だった（噴火で吹っ飛んだ）のはずっと昔のことだ。
さて、これから北杜市大泉にある市立考古資料館に向かうが、どう走るかが問題だ。事前に検討したコースで甲斐駒や八ヶ岳を見ながら進む。井戸尻からは甲州街道には下らずに、中央線を越えて斜めに北上し、17号線の七里岩ラインに出る。ゆるい下り基調の走りやすい道、これをJA梨北小淵沢支所前の信号を左折し、棒道（608号線）に入る。棒道とは北杜市大泉方面に向かう道で、信玄が山梨北部を攻めるために造ったまっすぐな道だ。
井戸尻から50分くらい走って、609号線との五差路、JA梨北小泉支所前の信号を左折し、棒道（608号線）を進む。この先が問題で、そのまま考古館付近まで進めばよかったのだが、近道をしようと手前で曲がったが、周辺は畑や林のあるアップダウンのある複雑な道で、ここで事故を起こしてしまった。道に迷い、何度か入りなおしたが、お墓の方に向かってしまい、引き返すときに急な下り坂の曲がり角で砂利にタイヤが取られて滑り、転倒。左ひざ下、肘、肩などと右手の甲、特に親指付け根を痛めた。しばらく起き上がれないほどの衝撃で骨折したかと思ったが、しばらくして、痛みを堪え、起き上がれそうなので、立ち上がる。右手の親指付け根が猛烈に痛む。力が入らないが親指以外は動くので、ハンドルは何とか握れる。気を取り直して、棒道に戻り、次の交差点を右折するが、ここでも早く曲がりすぎて、途中で見失い、住民に考古館への道を尋ねるが、考古館は知らず、閉館になった歴史資料館などについて棒道に戻って役場のあたりを下ればよいと教わる。大分下ったので、登り返すが手が痛くしんどい。結局、役場の手前のJA大泉支所手前の交差点を右折し、なんとか考古館を見つける。初めから棒道を進めば転倒事故など起こらなかったものを――と悔やむも後の祭り。
自転車を置き、手の傷みを我慢しながら入場券を買い、荷物を置いてカメラとメモ帳だけ持って展示室に入る。最初に特別展「甲斐駒に抱かれて」を見る。甲斐駒と八ヶ岳の間を流れる釜無川上流の遺跡群に関する展示だ。ここでも個人的目的なら撮影自由といわれる。右手親指が使えないので左手でシャッターを押す。
この展示における釜無川上流部とは、諏訪郡富士見町落合地区から白洲、武川地区を経て、韮崎市北西部の釜無川右岸地区を意味している。
この地域では縄文前期集落跡も多く発掘され、縄文中期の集落の拡大の起訴を作っている。八ヶ岳山麓の大規模集落跡に劣らないような集落跡が発掘され、さらにヒスイなどの装身具、黒曜石などをはじめとする様々な石器、土器が出土して、この地域の縄文人の活動が次第に明らかになってきている。縄文各時代の住居跡の遺跡と出土品の展示を見てから、二階の常設展に向かう。常設展では石器時代から戦国時代の谷戸城址に至るまで、各時代ごとの出土品などの展示がある。結局45分余り展示を見学、撮影し、受付で資料、CD＝ROMなどを買い求める。手が痛くなってきたので、受付の女性に、転倒して負傷したことを告げると手当をしてくださった。指が動くので、おそらく骨折ではなく、筋のダメージではないかという。それでも親指は力が入らないので、変速機を動かすことができない。左手で変速器を動かす練習をして、なんとか出発。受付の女性は長坂駅から帰宅して手当てをする様薦めたが、金生遺跡まで移動して、状態を見て駅に向かうか、予定通り進むか決めることにした。とりあえず、谷戸城址に登って、東屋で昼食休憩。撮影をして次の目標の南アルプス市ふるさと伝承館ないしは県立考古学博物館までは下り基調なので、自走してみることにした。ダメなら、日野春や穴山駅でリタイアできる。
金生遺跡まで、少し迷った。考古館でいただいた地図を落としてしまい、間違ったコースを行ったり来たりしてドライバーに尋ね、なんとか遺跡まで来た。北杜市では遺跡周辺を整備してあるのはここだけだ。下りなら走れそうなので、とりあえず、最短でオオムラサキ公園経由で七里岩ラインに入る。金生遺跡から20分強でオオムラサキ公園、さらに20分くらいで新府城址を通過、しかしここからが遠い。けがをしているし、ふるさと伝承館はパスして直接県立考古博物館に向かうことにするが、甲府駅から8キロくらい離れているので、どこで南下するか迷う。甲府盆地は川が何本も流れる複雑な地形なので、どこを走っているかなかなかつかみきれない。何度かやり直し、何とか博物館方向に進む。結局金生遺跡から約30�辧�90分くらいでなんとか博物館に出る。ここでは「縄文の食いしん坊」という特別展が明日まで開催され、縄文人の食生活を中心に展示がなされている。明後日からは展示の入れ替えで休館になる。事前の問い合わせで知っていたので、怪我を押してここまで頑張った。
この特別展は撮影はできない。滋賀や佐賀など全国の考古博物館などから資料を借りて展示している。縄文人が魚介類やクリ、ドングリ、アワやヒエなどを食べていたことは知られているが、カキやハマグリしか出土しない大きな貝塚の存在は、これらが養殖され、干し貝として、工場生産され、ヒスイ、黒曜石などと交換されたのではないかという縄文の生産経済・流通の存在が想定されている。縄文社会は、従来の認識以上に様々な活動が行われていた社会であることは間違いない。展示品で特に目を引いたのは、出土品の中の馬具の存在だ。馬の生産は古墳時代以降、関東でも、この地域でも中央有力者との関係で、重要な活動になっている。農耕具、装身具などのほかに馬具が出土していることは、その時代の大きな動きを想像できる。
常設展は撮影できるので（受付の女性は撮影はすべてダメといい、常設展のボランティアの女性は撮影OKだった）、撮影しながら進む。手は痛いし、もう体力的に限界だったので、資料を購入して見学を終了し、銚子塚と丸山塚古墳を見学して、最短の身延線の小井川駅に向かう。迷いながらもなんとか駅にたどり着き、無事帰宅できたが、右手は腫れあがって心配。左膝下と左肘は血が固まって少し破れた衣服に張り付き、はがすのが大変だった。連休明けに整形外科に見てもらうことにする。
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