30日連続登山【前編】
コースタイム
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感想
平取町でのこと
あれからちょうど2ヶ月経ったが音沙汰なし。平取町はシャトルバスの体質改善をするつもりがないんだろう。改善することを期待してネットに書くことを自重していたが、こうなったらできるだけ、あのときのことを広めたほうがいいかもしれない。
北海道で一番嫌な思いをしたのが平取町ってところなんだけど、ここは日本百名山の一つである幌尻岳に登るための最短のルートがある。だから7月シーズン中は登山客がよく訪れる。定員50名の幌尻山荘は、ハイシーズンは予約開始直後で定員オーバーになるそうだ。
平取町から登るコースは沢筋にあって、幌尻山荘まで行くまでに15回ほど渡渉しなければならない。水の少ない時期でも結構深くて、うまく岩の上を辿れば足を見ずに付けなくても済む、ということはない。増水するとあっというまに通れなくなって、百名山制覇のため3回めの挑戦です、なんて人もザラ。
北海道の7月は本州と違い比較的天候が安定しているので雨が降って増水する確率は低い。8月になると雨が増えてくるので梅雨明けする本州と逆パターンになる。だから大雪山のツアーは7月が多く、日本アルプスのツアーは8月が多い。僕がいった9月などは台風があるから、足止めされる確率は高い。
それと、9月も後半になると水が冷たくなり、渡渉中に転べば低体温症になる可能性もある。コンディションとしては良くないので、9月になると一気に登山客が減る。僕はあまり下調べをしなかった(ずっと旅していたからできなかった)のもあってそのまま行ったが、その分、無理はしないつもりだった。
幌尻岳への最短ルートは2年前からマイカー規制がされており、地元自治体の平取町によりシャトルバスが運営されている。台風のすぐ後は増水しているからバスは出さないが、バスが走ったからといって必ず登れるコンディションとは限らない。それは皆重々承知していること。
僕がバスに乗ったのは台風から3日後。バスは2日後の昼から動いていて、11人が幌尻山荘まで登ったと聞いたので、増水もたいしたことなく山頂まで登れるんじゃないかと期待はしていた。実際に渡渉箇所までいってみると期待は裏切られた。一番浅いところでも腰まで浸かる深さだった。
昨日わたった人がいるんだから、こんな深いわけがないと思って、もっと浅い場所がないか調べた。渡るときに使う用なのか、棒がたくさんおいてあって、その棒をつかって水深を測ったが、こちらの岸の赤テープからあちらの岸の赤テープまで、浅い場所はなかった。
それでも自分が間違っているかもと思って、後からくる人を待った。同じバスには僕含め4人乗っていて、そのうち1人と合流して、再び渡渉点にいった。その人は沢登もやるベテランだったが、無理すればいけるかもしれないけど、この水の冷たさだと行かないほうがいいね、という判断だった。
こんな状態だったので、結局4人全員が無理だと判断して、バスの終着点まで戻った。登りたかったが仕方ない。帰りのバスの便が12時にくるはずだからそれまでに皆戻った。ところがバスがくるはずの12時になってもバスが来ない。13時になってもこない。おかしい。
たとえパンクなどで立ち往生したとしても、その時点で無線で代わりのバスを手配するなどするはず。1時間もこないとなると、運転手になにかあったとしか思えない。だって、どうせ人がいないだろうってバスの便を間引くわけないからね。何かヤバイことになってるはず、ということで4人で林道を戻った。
そんなの電話すればいいじゃないかって思うかもしれないが、バスの停留所はドコモ圏外で、無線機も備え付けてない。何がおこっているかわかりようがない。ひょっとすると次のバスが明日までこないかもしれない。食料は限られているし、いつまでもここにいるわけにはいかない。
マイカー規制の林道は21kmあって長いし、ヒグマが出るから歩かないでとアナウンスされていたが、そりゃこちらとしても歩きたくはないが、歩くしか無い。4人で何があったのか予想を話しながら戻っていくと、途中で向かいからシャトルバスがやってきた。
で、バスの運転手の話を聞いたんだが、予想したなかで最悪であった。「この時間は乗る予定の人がいなかったから、バス出さなかった。」当然、怒ったよ。
さらに酷いのが、悪いことをしているという自覚がないらしいこと。むしろ自分たちはよくやっている、なんてことをいうから火に油を注ぐ。これ、平取町では許されるかもしれないけど、日本の常識ではないよ。常識が通じない。中国人と話してるみたい。
バスの運営は平取町がやっているんだけど、外部のバスタクシー会社に事業を委託している。そのバスタクシー会社の人間が勝手に間引き運行していたそうで、役場の担当が来て平謝り。まあここまでは流れとしてわかるんだけど、問題は来年以降だ。
バス会社にはペナルティを与えます、とか口では言ってるけど、まあ大したことはやらないでしょう。来年も同じ所と契約すると思う。役所は自治体外の業者より内の業者と契約したがるからね。平取町に縁のない問題のない業者を探そうとはしないだろう。
もちろん間引き運転はするなって注意はするだろうし、間引き運転自体は無くなる可能性は高い。ただ今回問題になった元って、バスタクシー会社の従業員が非常識だから、間引き以外のトラブルは今後も出てくるだろう。
ここで契約変えますよ〜ってちらつかせでもすれば、社長が必死になって社員を統率するだろうけど、些細なペナルティじゃ対して変わらない。だって競争にさらされてこなかった結果が今のサービスなんだから。
帰りに、「これに懲りずにまた登りに来てくださいね」なんて言われたけど、そりゃ役所の今後の対応次第だなって思った。僕は懲りているし、もう二度と平取町にくることはないだろうなってそのとき思ってた。
サービス受ける立場からすれば、二度と利用するわけないじゃない。加えて、あんなとこいかないほうがいいよ!って周りに吹聴するわな。ただちょっと、ここは普通じゃないんだよな。
僕は百名山のピークハント目指してるわけじゃないから、二度と幌尻岳にいかなくたっていい。幌尻岳に登るとしても、別のコースから登ればいい。最短コース以外を選べる体力があるから。でも百名山狙ってるお年寄りなんてそうはいかない。今回のことはムカつくけど、来年7月に予約入れて再挑戦となる。
百名山ハンターの需要を独占できる立場だから積極的に改善しようと思わないんだろう。それが本当に気に食わない。溜飲を下げるために平取町から登らないほうがいいよ!って吹聴してみた。
前日にわたった人がいるという点について補足
ツアーガイドは可能ならば登らせたいと思っているから、普通なら引き返す条件でもロープ張ってわたらせちゃったりする。僕ら4人が引き返した前日の11人のうち9人はガイドツアーだったらしい。
そのガイドツアー、通常の1.5倍ぐらい時間かけていったようだから、相当無理なわたらせ方をしたと思う。ツアーって、事故るときは一気に逝くだろうなぁ。
マイカー規制について補足
平取町のマイカー規制ってぶっちゃけ観光収入のためだと思うね。バス収入&幌尻山荘に宿泊させてお金落として欲しい。バスの発着点とかいろいろ見ると、そういうのが薄ら見えてそれも気に食わない。
林道の終点まで人を送ると8割ぐらいの人が日帰りできちゃうので、わざと林道の途中に発着点作ってる。のだと思う。
今はなきアミューズトラベルは、どういう手を使ったのか知らないが、林道の終点まで客を送り届けてた。林道の終点までいけないことはないはず。
林道の終点まで人を送ると8割ぐらいの人が日帰りできちゃうので、わざと林道の途中に発着点作ってる。のだと思う。
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