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Yamareco

記録ID: 3905
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アルパインクライミング
谷川・武尊

一ノ倉沢烏帽子岩奥壁南稜&中央稜

2009年06月13日(土) 〜 2009年06月14日(日)
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過去天気図(気象庁) 2009年06月の天気図
ファイル
非公開 3905.xls
計画書
(更新時刻:2010/07/28 08:54)
薄明の一ノ倉を進む
薄明の一ノ倉を進む
テールリッジへ
スラブ上部
濡れるとヤバイ
懸垂しまくり
ようやく安全地帯に
ようやく安全地帯に
都合5時間、懸垂しっぱなし
都合5時間、懸垂しっぱなし
毒虫?痒い!

感想

今年2発目の本チャンは、念願の谷川デビュー。
本でしか知らなかった、あの伝説的な「戦場」に赴く日が来るなんて・・・

早朝4時、薄明と月明かりの中、雪渓を歩き始める。
正面には垂直に、圧倒的に立ちふさがる一ノ倉の岩壁。
これほどのスケールで、全方位的に威圧してくる山は初めて見た。
日本にこれほど強烈な光景があるなんて、改めて驚愕。
いや、世界的に見ても、これは見事な山ではないだろうか?


ほどなくウワサのテールリッジ。
切れ落ちたスラブのリッジで、緊張感が一気に高まる。
これを下るのは、想像するだけでもイヤだ。雨で濡れたら最悪だろう。
どうにかして今日は国境稜線を越えて、谷川のピークまで登りたいです。

すぐに先輩クライマー方に先を行ってもらう。
口ひげのせいか、森田勝そっくりではないか!?
是非とも三スラ、見せてください!!
ということで先輩方の後追いで中央稜に。2P目で既にブッちぎらました。



5時半、登攀開始。

1P目:けんちゃんリード
本日もスターティングはけんちゃんにお願い。
いつもおかげさまで助かります。いきなり動くのは、本当に怖い。

2P目:自分リード
いきなりトラバースして始まるピッチ。そのまま、トポを否定してグイグイ左上していく。意外にシブく、ルーファイミスかも・・・

その後のピッチはもう全然忘れた。
核心の4P目、あっさりA0。もうちょい粘れば良かったかな・・・。
クライマーとして、少し弱くなったかもしれない。これは遺憾な〜。

その後も動く石に脅かされながらも、楽しくピッチを稼ぐ。
最終ピッチもルーファイミス。通常は右の泥付き階段を上がるようだが・・・成り行きで左のフェースにアタック!
これが意外にも楽しく、微妙なカチでのトラバースなどなかなかいいピッチ。最後のシメにバッチリ!

9:30、中央稜、登攀完了!!

さあ、ここから国境稜線を越えて谷川へ!
今回もアレですよ、「初の○○岳は岩壁からアルパインで」を実践!





と思ったら・・・なにこれ?いきなり冷たい風が吹き込んできて・・・一瞬でスコール染みた雨が!!
これは、マズイ!危険地帯の中、濡れるのは初めての経験!
重労働ではあるが、懸垂を繰り返して安全圏まで降りるという決断を下す。

が、懸垂を始めてすぐに雨や止む。
日が戻ったりも・・・けど既に気持ちはこのまま下降、だ。
途中のピッチで登ってくる2パーティに会うが、彼らは北稜を普通に降りるとのこと。
我々は焦りすぎたのかもしれない・・・




ということで、今回は懸垂に次ぐ懸垂。ひたすら懸垂の実地訓練に。
意外にも現場で懸垂をすることは少ない。
試行錯誤するうちに、様々なノウハウを吸収できた。


まずは、ミスから。

・結び目が当然のように引っかかり、登り返しに。
仕方ないとはいえ・・・1本で短くピッチを切ることも考えよう。

・末端を解かないまま、ロープを引いてしまった。
4メートルほどで気づいたので、わずかな登り返しで済んだが・・・


向上した点

・ロープダウンせず、腰の左右にロープをセットして伸ばしながら下降。
アルパインでは極めて重要なのでは?

・屈曲したライン取りの前にピッチを切る
ブッシュなんかはかなりあっさり引っかかってしまう。

・手順の効率化
それぞれの役割を同時にできる部分もあり、ある程度の自動化もできた。

・引っかかりそうなところは小細工
テラスなどで結び目が引っかからないよう、セカンドは下降しながら結び目を下ろしていく。



都合10ピッチぐらいは懸垂しただろうか・・・最後のテールリッジも気が抜けず、精神的に疲労した中、安全のため最後まで懸垂で下降。
登り5時間半、下り6時間・・・
摂取した食料は、2人でランチパック1枚!ナイスダイエット!


肉体的な疲れはないが、精神的にはなかなかの消耗。
というか、気持ちのいい充実感!
いや〜、谷川岳はさすがにホンモノですね。
ルート的にもこれまでの中で最も厳しく、常に緊張感を強いられました。

また次来るときは南稜から国境稜線を越えよう。
もちろん、それまで谷川岳のピークは踏まずに。



嵐山PAのブラックカツカレー、うまいです。


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コメント

谷川イイねぇ〜
ずいぶん前?に南稜から国境稜線への継続は一度やったけどよかったよ。
ぜひまた挑戦してね。
中央稜からも挑戦したけど、中央稜の終了点から烏帽子岩までの2P目で時間切れで敗退したよ…この時は終了点付近のテラスでビバーク。
懸垂の実地訓練身になったようで…コメント(向上した点)の1番目と4番目は正解だよね
ロープダウンせずに、腰などひ振り分けやロープバックに入れての懸垂は本チャンでは引っかかり防止でよくやる手だよ。
偉そうに書いているけど、4番目を手抜きしてザイルが引っかかり途中で切ったことも実はある…、お恥ずかしい。
色々想像力(妄想力?)を働かせたり、繊細な技も使ったりとクライミングってなかなか大変。
2009/6/21 21:52
先輩ありがとうございます。
実地の経験はマジで大事っすね!
常に先を予測できないと、簡単にトラブル発生だもんな〜
2009/6/23 18:25
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