記録ID: 39764
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ハイキング
中国
トホレコ(日本縦断徒歩旅行の記録)42・日本海、ひたすら〜6(出雲大社を詣でる。)
2006年11月03日(金) 〜
2006年11月05日(日)
- GPS
- --:--
- 距離
- ---km
- 登り
- ---m
- 下り
- ---m
コースタイム
11/3 大根島ー松江ー秋鹿
11/4 秋鹿ー出雲
11/5 出雲大社ー田儀
11/4 秋鹿ー出雲
11/5 出雲大社ー田儀
過去天気図(気象庁) | 2006年11月の天気図 |
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アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
11/3 松江を少しゆっくり見て歩こうか、という気分になる。松江は古い城下町であるとのこと。弘前の様な風情ある町並みが広がっているのだとしたら、一泊してゆっくりしてみても面白いだろう。急にそんな気分になったので、朝はラッパなど吹いてのんびり出発。しかし今朝はまったく音が出ない。分からんな、この楽器は。 昼近くなってからのうのうと出発。海中道路を渡って松江へ向かう。海の上に細々と車道だけが顔を出して続いている。こんなのを“海中道路”と言うんじゃなかったろうか。違ったかな。地球温暖化で海水面が上昇したら真っ先に水没しそうな道路である。 大橋川を西へ入る。この辺まで来ると海水なのか淡水なのかだいぶあやふやである。「矢田」というところまで来ると渡し船の船着き場がある。そういえば大橋川沿いには橋があまり多くない。大人一回40円、とある。安いなぁ。10回乗っても400円だ。僕は渡し船みたいなものはわりと好きなのだ。実家に帰省した時などよく柴又帝釈天に遊びに行くのだが、必ず矢切の渡しに乗っていくことにしている。しかし、この船着き場はシンと静まり返って人の気配はない。廃業してしまったんだろうか?時刻表を見てみると、運行するのは朝と夕方だけのようである。諦めるよりあるまいな。 川沿いに広がる殺風景な田舎道をひたすら歩いていくと、やがて松江市街に突入である。取り敢えずコインランドリィを探してみる。郊外の商店街には何処にでもありそうなものだが、仲々見つからない。今川焼き屋さんで焼きたてのを一つ購入しながら、おばちゃんにさりげなく聞いてみる。なんでもあと200mも行くとあるハズだとのことであるが、おばちゃんも記憶が確かではない様子。教えられた道を行ってみるも、まばらに商店が続く砂っぽい道にはそれらしき姿が見当たらない。 「あそこにそれっぽい看板が。」「ええい、せめて次の信号までは。」 などと言いながら、しばらく歩いてみるが、てきとーなところで諦める。洗濯はまた今度、ということにして松江の駅に行ってみる。駅の近くには、ソレっぽい鄙びた繁華街の姿も。駅前で今夜の寝床を物色。駅のすぐ裏手にサウナがあるからアレでいいんじゃないか?でもサウナって外出できなかったりするからなあ。などとやっているうちに、なんか、どーでも良くなってしまった。こんなとこでブラブラしてないでもっと先を急ぐべきなんじゃないのか?もっと毎日に全力を尽くすべきなんじゃないのか?などと思ったわけではないのだが、急に松江に滞在する気がなくなってしまった。これは一体どうした事だろうな。時計は既に4時をまわっている。夕暮れ近い宍道湖沿いの道に飛び出して行った。湖沿いのサイクリングロードには犬の散歩やジョギングの人が沢山いる。いかにも夕暮れの風情。 今日は出発も遅かった事だし、ナイトハイクを敢行することに。宍道湖沿いの道を中程まで行くと道の駅があるので、そのへんを目安に歩いていく。日が沈んであたりが真っ暗になると、湖沿いの道はちょっと危ない。古墳公園とかいうのがあるようなので逃げ込もうとするも、ちょっと内陸に入るとあまりにも暗くて何が何だか分からない。公園なんてあるのか?老人ホームしかないじゃないか。寂しくなったので再び湖にそって歩く。7時頃秋鹿町に到着。暗い中だと、実際以上に長く歩いた気がするものだ。まあ、気のせいなんだけど。 道の駅のすぐ向かいにある「アラスカ」っていうドライブインで食事。ビールのコップを傾けながら、今日の行程を反省。なんでこんな変なことになったのかね。正解は、ちゃんと早起きして松江の町を軽く冷やかしてから、夕暮れ頃ここに到着って行動だろうな。結局松江城も見れなかったし、もうこんな馬鹿気た行動は止めなきゃいけないな。 道の駅には車中泊の人達が沢山いる。まだ待合室が開いていて、熟年夫婦が言葉少なにお弁当を突いたりしている。気だるい雰囲気。テレビでは歌謡番組などやっている。五木ひろしっていいよなぁ。なんて思うようになったのは年のせいだらうか。それともこの、侘び寂びの出たロケーションによるのだらうか。 夜中、ロケット花火を始める不届きな輩が。ピーピーとうるせえったらない。季節外れにも程がある。まったく、ロケット花火って奴は花火の中でも最も下劣なものの一つだと思うよ。 11/4 昨夜思わずナイトハイクなど敢行したおかげで、今日中に出雲まで行けそうである。今夜は大社様のお膝元で健やかに野宿して、明日の朝からゆっくり詣でる、という段取りになりそうな気配。 しばらく湖畔の道を辿ってみるが、あまりの忙しなさに嫌気がさして、線路を渡って裏道を歩いてみる。たった一本線路を隔てただけで実に静かだ。しかし何も考えずに歩いていたら、ゴルフ場のクラブハウスで行き止まってしまった。少し引き返してから国道に復帰。一畑口のコンビニでおにぎりとカップ麺を買って昼食にする。このへんのコンビニは“ポプラ”ってのが多い。“チコマート”はないのか? 程なくして宍道湖沿いの道を走破。川沿いに続く自転車道を西へと辿っていく。このまま海まで行けば、そこがすなわち出雲大社、という寸法だ。まるっきし静かな道である。あたりはひたすらのだだっ広い畑。ものすごい数のカラスが飛び交っている。疾翔大力様も電線に鈴なりだ。それにしても、今ひとつ何処を歩いているものやら判然としない。何でも“一畑電鉄大社線”と斐伊川の間を歩いているのには間違いないハズだが?そのうち、その、斐伊川と覚しき土手が見えてくる。登ってみると果たして眼下には大きな川の流れ。斐伊川に間違いあるまい。穏やかに風が吹き抜けて行く。実にさはやかだ。しばらくはこの土手の上の道を辿っていけばいい。ただし気をつけないと、何も考えずにいつまでも川沿いを歩いていると、やがて広島との県境の山奥にまで持っていかれてしまうハズである。流れが緩やかだから分かりにくいが、川は下っているのではなく、登っているのだ。 土手の上には散歩やジョギングの人達の姿がチラホラ。ダンボールを使って草の斜面を滑り降りて遊ぶ親子の姿も見える。母親と幼い二人姉妹である。カメラを構えると、おねえちゃんがそれを目敏く見付けて声をあげる。 「あっ、お母さん、ホラ!」 「良かったじゃん。アンタ、可愛く撮ってもらいなさいよ。」 別に嫌がる素振りも見せず、ニコニコしている。まだ幼い妹にはカメラがよく分からないのか、キョトンとした顔でこちらを見上げている。こうなると、却ってこちらの方が照れてしまう。結局申し訳程度に一枚だけ写真を撮ってそそくさとその場を後にしてしまった。ああ、でも僕はなんでもっと沢山あの親子の写真を撮らなかったろうか。ほとほとポートレイトには向かない性格なのだ。せめてもう少しでも、レンズを挟んで人と対峙できるやうな大らかな心があったなら、人生は余程シンプルになるに違いないという気がする。今思い出しても惜しいことをしたと思うのだ。 やがて川が南に向きを変える辺りから、土手を降りて線路沿いの道を行く。“一畑電鉄大社線”である。このローカル色を全面に打ち出したネーミングも素敵だが、沿線の風情にもまた、何とも言えない味わいがある。遮断機のない踏切も多いのだが、その踏切を挟んで神社の鳥居が続いていたりする。 出雲ドームの辺りから161号線に出て、大きな通り沿いを行く。出雲ドームってのが何なのかは不明。おおかた今流行りのご当地ドームの一種であろう。日暮れ頃漸く大社町に突入。気分が盛り上がって来やがった。しかし、コインランドリーがあったので取り敢えず洗濯を済ませておくことにする。うっかりカッターシャツを洗い忘れてしまった。 洗濯も済んで、すっかり日も沈んだ道を出雲大社の参道筋へと歩いていく。早くも町は寝静まろうかという勢いで、表通りでも薄暗くて心細い。大鳥居の前にまだ営業している蕎麦屋があったので夕食にする。やたらボロボロになった“こち亀”など読みながら、天ソバを相手にビール一本、お酒一杯。もちろん飲み足りず、寝静まった町を当てもなくうろついてみる。ほろ酔いの肩にザックが重くのしかかる。路地裏に焼肉屋のネオンを見付けて暖簾を潜る。千枚の刺身でビールをもう一本。どうも僕は一人で飲むとイヂケ上戸になるという奇癖があるらしく、 「おおくにぬしさま、ごめんなさい、ごめんなさい。」 などと、意味もなく謝りつつ、再び夜の町に彷徨い出る。 何処をどう歩いたものか定かではないが、いつしか旧大社駅前に出る。かつてのプラットフォームと駅舎が街灯も疎らな薄暗い裏町に蕭然として取り残されている。ベンチに腰かけて黄昏てみる。今夜の寝床はここにしようか?それにしても、トイレの方の様子がどうも変だ。人の気配がするような気がしてならない。こんな時間に人などいる訳ないのだが。電気が勝手に付いたり消えたりしているようだ。おかしいな、そんなに酔ってる訳でもないんだが・・・。不気味の感に耐えず、場所を移動。「大社ご縁広場」という道の駅の駐車場の片隅で野営。 11/5 8時ころには荷をまとめて大社様を詣でる。朝の遅い僕としては早起きをした方だ。流石に歴史のある社とあって厳かな気分はまた格別である。取り敢えず本殿を詣でる。出雲大社には二礼四拍一礼とかっていう独特の参拝の仕方がある。まず二回お辞儀をして四回手を叩いた後、再び一礼するそうだ。まあ、折角なんで実践してみる。これが初めてだと結構照れくさい。変にニヤついてしまった。却って礼を失しているような。本殿を詣でたあと、周辺の資料館なども回ってみる。ひとしきり満足して本殿の方に戻ってくると、中から何やらピーヒャララと雅な調子の楽の音が鳴り響いてくる。何でも神様である大国主神さまもお食事をなさるんだとかで、毎日ああして朗らかな楽に合わせてお食事の膳が捧げ持たれて行くのださうで。一体どんなメニューなんだろうか。サンマとかアジがメインだろうか。 帰りがけ、参道筋のわりと上等そうな蕎麦屋で割子ソバを啜ってみる。なんだか今ひとつピンとこないなぁ。出雲ソバって一体なんなんだらう。どうでもいいか。 道の駅にパソコンがあったので、しばらくいぢらせてもらう。お昼近くなってから出発。さて、今日はどこまで行こうか。 一度海岸に出て海沿いの道を行く。しばらく自転車道を歩いていたのだが、いつの間にか大きい通りに出る。程なくして「多伎」の道の駅。日曜ということもあってかなり繁盛している。産地直売所を冷やかしてみるが、品揃えはいまいち。ベンチに腰かけて缶コーヒーなど飲んでいると、スピーカーからボサノバが流れてくる。こんな所で思いがけず聞くボサノバってのもいいもんだ。しばらく聞き入ってみる。 今夜はここで寝てしまうというのも一つの手ではあったが、人気がなくなるまでにはまだまだ暇がかかりそうだったので、もう少し先に進んでみる。田儀という所のせまっ苦しい砂浜で野営。崖の下の猫の額ほどの砂浜であるが、一応海水浴場らしい。 |
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