TransLantau100 やったぁ!無事完走 <香港>
- GPS
- 23:46
- 距離
- 88.1km
- 登り
- 5,825m
- 下り
- 5,823m
コースタイム
天候 | 曇り 最低気温15度、最高気温18度 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
船
帰り:梅窩から中環までフェリー http://www.nwff.com.hk/eng/fare_table/central-mui_wo/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
http://www.translantau.com/ 主催者のWebsiteからダウンロードした地図と実際のコースが違っていた点がいくつかありました。 1.スタート直後1キロ地点の登り口(地図では実践の道を登りますが、コースは東屋手前のY字分岐を左に取り、点線の道を登ります) 2.CP3昴平から1キロ地点(地図では大仏の前を通りますが、コースは大仏の背中側を通ります。) 3.昴平路(地図では一部昴平路をショートカットしていますが、コースは昴平路をそのまま下ります) 4.大澳(CP5は大澳路沿いの中学校です。商店街の中は走りません) 5.芝麻湾出口付近の水塘を過ぎた地点(地図では舗装道路を歩きますが、コースは水塘を過ぎた後、左手の斜面を上がり、地図に無い山道を歩きます。) 上記5点とも主催者が取りつけた標識が出ている為、迷う可能性は低いです。ただ4番の大澳は街の中なので注意しないと標識を見落とす可能性があります。 香港らしいといえば香港らしいのですが、本来ならば、きちんとした地図を用意してほしい。また間違いやすい点をまとめて文章にでもして記載してほしい。 |
写真
感想
TransLantau100という100キロトレランレースに参加した。累積標高差5800m、制限時間32時間。初めての個人で参加する100キロレース。昨年11月のオックスファム主催の100キロレースに4人のチームで出場してからすっかりトレイルランニングのとりこになった。同じく昨年12月に50キロのレースに完走し、そこで知り合った香港人から3月に100キロレースがあり、まだ受け付けていることを教えてもらい、出場することした。
この大会は今回で3回目。1回目は50キロ部門が最長で、100キロ部門が出来て2回目。前回は朝スタートだったらしいが、今回は夜中の23時30分スタートに変更された。またスタートとゴール、CPは同じだが、間のコースは前回から変更されている箇所がある。1月に3回に分けて下見をしたため、コースの難易度、高低差、藪の度合いは体験済。これが気持ちに大きな余裕を生み、完走できた大きな要素になったように思う。
今回の作戦は、1.下りでスピードを出しすぎない。2.足に異常を感じたら、すぐ停まって状況を確認。必要な手当てを行う。共にこれまでのレースから得た教訓。前回調子に乗って前半の下りで飛ばしたら、その後脹脛が肉離れになり、あわやリタイヤという状況になった。足の痛みも、最初は小さな痛みで、だましだましなら何とかなるような気がするが、その場で手当てをした方が後々ダメージが小さくなる。
そして本番。仕事は定時に上がるはずだったのに、忙しくて一時間程残業。それでも家に帰って、夕食を食べてから30分程仮眠できた。中環から夜10時のフェリーでスタート地点の梅窩へ。チェックインを済まし、荷物を預け、無事にスタート。1時間半後、最初の山、老虎頭465mを越えて下りの藪道に突入。夜中の1時に藪道を歩くのは不思議な感じ。ただ前後にたくさん人がいるので不安は少ない。逆に足場が悪い所では渋滞が発生。一番ひどい所は通過に10分以上かかった。でもこの渋滞でヤマレコユーザーのKennoguさんにお会いしてしばらくお話しすることが出来ました。
CP1を通過。次の山の箔刀屻529mの下りでも渋滞。急斜面を一直線に下るのだが、立って下れず、お尻をついて下る人がいて大渋滞。ちなみに私は下見の時に、この下りで滑って尻餅をついたため、踵の減っていた靴の変わりに新しい靴の購入を決意しました。それほど急斜面。
下り切ると次は標高差700mを登る。そして大東山869mの山頂近く、標高800m地点を通過してすぐに下り。この下りは道が広いので飛ばせるが、作戦通りスピードを抑えて下る。いずれにしろ夜なのでヘッドランプをつけていても地面の細かい変化がつかめず飛ばすにはリスクが大きい。ヘッドランプで5-10M位先を照らし、もう一つの手持ちのランプで足元を照らし、二つライト体制で降りてきた。そして下り切ったCP2でベンチに寝転がり20分程睡眠。寝ている間に夜が明け、元気も一気に回復した。
34キロ地点のCP3は、69キロ地点CP6と共用。スタートして9時間。休んでいると、CP6を通過するトップのランナーが飛ぶように走ってきた。彼は水だけボトルに補充すると30秒ほどでスタートしていった。すごい!!!の一言。
CP3をスタートしてすぐに事件が起こった。背中が冷たい。何かが漏れている。CP3でテルモスに入れたコーラだ!休んでいるときに炭酸をしっかり抜いたはずだったのに、抜け切れていなかったようだ。蓋の締め方も甘かったのだろう。350mlのテルモスを開けると三分の二になっている。100ml程リュックの中で漏れたようだ。保温用の服も、雨具も、タオルも全部湿っている。自分のミスだが残念。
その後、長崎からこのレースの為に香港にいらっしゃった日本人の方と一緒になり、しばらく話をしながら歩く。
CP4を過ぎると中腹にトラバースする道があるのに、わざわざ海岸まで一旦下ってから登り返すコース設定でがっくりした気持ちになるが、頑張って登る。
そしてCP4から3時間近く歩き、大澳の街の入り口に到着。しかしCPへの道案内が分かりづらい。人間の住む町なので人工物が多く、標識になるリボンが目立たないのだ。
CP5では寝ようとするが、BGM?としてかかっている音楽がうるさくて寝られなかった。そのため寝るのを諦めてスタート。その直後、香港在住10年で、香港中のトレラン大会に出場されている日本人の方と一緒になった。「初めての100キロレースです。」と私が言うと、「どうりて見たこと無いんだ。」と言われた。レースに参加しているうち、たいていの日本人とは顔見知りになるそうだ。
CP5を出発して一時間後、標高差500Mを登る本日のメインイベントの藪道。所によっては背丈を超える藪が道を覆っている。下見をして心の準備が出来ていたので、比較的余裕をもって登り切ることが出来た。(と少なくとも自分は思った。)しかし、登り切って普通の道に出た途端、左足脹脛の内側が攣りそうな予感。作戦通り直ぐに停まってマッサージ。標高が高く、気温が下がり、頑張って登ったこともあり筋肉が凝り固まっていた。まだ70キロ手前だが、このあたりが私の実力の限界なのだろう。足が攣って、肉離れにならないよう、この後は走らないことにした。(幸いこの後、筋肉の凝りは取れて、足が攣ることは無かった)
CP6でも20分程休憩して横になる。そして、香港第二の高峰、鳳凰山934mへ標高差450mの急登を一気に登る。先日の日経新聞のトレラン戦記に載っていた、急登は膝に手をついて体を持ち上げるように登ると良いとの記事を実践。何ともこれが良かった。足が安定し、足首への負担が少なくなり、バランスを崩すことが無くなり、余計な体力を使わないで済んだ。しかしすでに疲労困憊でスピードは上がらず、悔しいがひょいひょいと登って行く女性に抜かされた。追う元気は残っていない。
頂上はガスが出て、風も冷たいのですぐに下山。夕方なのでまだ道は見えるが、作戦通りダメージを最小限にするために歩いて下る。時折駆け降りるランナーに抜かされる。そして一緒に駆け降りたくなる気持ちをぐっと抑える。
夕方6時にCP7に到着。ゆっくりしたいが、暗くなると歩きにくくなるため、明るいうちに歩けるだけ歩こうと、休まずに出発。このCP7出発直後から全く英語がしゃべれない中国人がついてくる。この中国人、私の足が攣りそうになっていた時に、知らない言葉と身振り手振りで中国人のリュックからウインドブレーカーを出してくれと言われて、出してあげたので見覚えがある。そしてCP7でスタッフに道を聞いていた。広東語も分からないらしく、香港人のスタッフが広東語で説明しても分からないようで、普通語がしゃべれるスタッフが道を説明していた。(多分。。。何をしゃべっているか分からないが、最初のスタッフが広東語をしゃべっていたのは分かった。彼には理解できなかったらしく、その後、別のスタッフが私には全然分からない言葉をしゃべっていたので。。。)
道案内をしてほしかったのだろう。彼と共に一時間半ほど早足で歩き南山についた時、謝謝!Thank You!と言われた。私は下見だけでなく何度か歩いたことがあるコースなので特に不安は無かったが、初めてだったと思われる彼には色々と不安があったのだろう。もう少しコミュニケーションが取れれば楽しかったのに、彼は英語がしゃべれず、私は普通語がしゃべれないので言葉が通じず全くコミュニケーションできなかった。残念。
いずれにしても下見の時は気持ちよく走れたコースなのだが、走らないことに決めたので、早足で歩くのみ。下見の時と比較すると時間が掛かる。更に走っている人に抜かれると気持ちが焦る。
日が暮れてライトを点ける。CP8に到着した時にはすでに真っ暗。そして私の気持ちの中ではゴールを意識しだした。今は夜の8時。ゴールまで16キロ。3時間半でゴールにたどり着けば完走タイムは24時間。更に短く3時間で走れれば11時にゴールして11時半の最終のフェリーに乗れる。(このフェリーの逃せば、次は4時間後の朝3時40分)下見の時はここから3時間でゴールに到着している。可能性が無いわけでは無い。
迷った挙句、最終フェリーは諦めるが休憩を短めにして8時20分に出発。24時間切りの可能性を残して歩き出した。
しかし下見では走れたが、本番ではすでに走る気力は残っていなかった。道は平坦だが、石や木の根があり、真っ暗でライトだけだと足元が見えずらい。時々目測を間違えて、段差を踏み外したような感じになり、足にダメージが加わる。石がうまく見えず石につまずく。気持ちの中に焦りがあるがスピードが出ない。
昨夜も寝ずに歩き、二日目の夜。歩きながら寝そうになり、たまらず道端にあったベンチで仮眠することを決定。瞬時に眠りに落ちる。そして目覚めると、20分が経過していた。寝ている間に体が冷えて寒い。筋肉は硬直している。寝起き直後の頭はもうろうとしてどちらに歩けばよいのか分からない。それどころかどこにいるかも分からない。何をしているのかも分からない。頭は寝ているが、目だけ覚めたようだ。でも寒いので、歩き出した。しばらくすると頭も働き出した。筋肉も暖まり、筋肉痛はあるが、早足で歩けるくらいには回復している。寝ている間に24時間切りの可能性が無くなったことで、気持ちが吹っ切れて、焦りが無くなり、余裕が出てきた。
そしてCP9を通過、何とかゴールには24時間36分、168位で到着することができた。参加者470人、完走者321人。日本人はざっと見た所、18人参加で完走者13人。お疲れ様でした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
完走おめでとうございます。
24時間、すごいの一言です。
今日みんなで、CP3を通過しましたが
水やバナナがまだ残されていました。
その後コースの一部を歩きましたが、
ここをkenkenhk さん達が走ったんだ、
イヤー大変だねと感心しきり。
お疲れ様でした。
また話を聞かせてください。
コメントありがとうございます。ヘロヘロになりながらも何とかゴールすることが出来ました。今朝、会社に行こうと思い、MTRの駅で階段を降りようとしたところ、転げ落ちそうになってしまいました。危ない所だった。。。体の前面と後面の筋肉のバランスが崩れていたようで、足が突っ張っていて思ったように足が出せませんでした。こんな筋肉痛初めてかも。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する