濁河から御嶽、摩利支天山で滑落
- GPS
- 08:57
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 1,282m
- 下り
- 1,275m
コースタイム
明け方には雨が上がる予報でしたが時折強く降っており、5:30まで待ちました。
5:52 登山口
7:04 湯の花峠
8:21 森林限界
9:35 稜線
10:10 飛騨頂上
10:50 摩利支天山乗越 11:21
11:23 滑落
11:46 乗越へ戻る
12:35 飛騨頂上
13:38 樹林帯
14:49 登山口
天候 | 曇り、山頂では晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
数日前のトレースが残っており、雨の影響でトレース上は適度に雪が締まってました。 森林限界付近は雪が積もったところもあり一部踵程度のラッセル、 稜線近くからは氷化してカチカチのアイスバーン。 稜線上の露出した岩等には、昨日の雨雪の影響で氷のエビの尻尾ができていました。 下り時は温度上昇で雪面が軟化しましたが、雪崩の心配もなく、踏み込みやすい状況でした。 |
写真
感想
ヤマレコにアップしようか迷いましたが、こういう情報を共有することで安全な登山を楽しめる方が増えれば、と思いました。
摩利支天乗越で休憩し、雨のため出発時間が遅れたので剣ヶ峰まで行くのを諦め、摩利支天山ピークを踏んで帰ろうと予定を変更しました。食事もして、森林限界を出てからの緊張が解けてしまっていたと思います。
社があるところから、いったん大きく窪んだ乗越部に下りなければいけないので、容易に下りられそうな場所を探しました。適当な場所を見つけ、高さ1m程度の岩の間の雪面を下りようとしました。しかし雪がやや不安定に感じたので体の向きを変え四つん這いになって岩につかまりながら下りようとした時、左足のバランスをくずし氷の張り付いた岩は、両手でしっかりホールドできていなくて下に落ちてしまいました。
高さはさほどではないのですぐ下で尻もちをついたわけですが、カチカチに氷化した雪面ですので、すぐにザーと滑り始めました。「やばい!」の三文字が頭のなかを走り抜けた感覚を今も覚えています。
すぐに初期制動の体制に入り、うまくピッケルを打ち込みましたが、不覚にも右足のアイゼンの爪を雪面に引っ掛けてしまい、体がバウンドしました。体の向きが左に変わったように思います。
落下速度が増す中、一瞬ですが最後を予感しました。バウンドした後、2回ピッケルを打ち込んだと思います。頭の上でピッケルが雪面をガーッ!と削っていきます。止まれ!止まれ!と必死に両手でピッケルを抑えこみますが、落下速度は全然落ちない。
無意識に、スキーのエッジを利かせるような感じで、左足をまっすぐのばして足裏の内側で踏ん張るようにしていました。これがうまくブレーキになって、だんだんスピードが落ちてきたので、あわてて右足も同様にしたとたん、止まってくれました。この間約30秒、15m位の滑落でした。
もし制動できなかったら、摩利支天山北面は雪のゲレンデ。300m下に見える露岩か樹林に激突してさらに谷底まで落下。遺体は見つからないということになっていたでしょう。右肘にかすり傷を負っただけというのは、運がよかったとしか言いようがありません。
初めてコメントさせていただきます。
まずはご無事でなによりでした。
雪山の危険性を再認識させられる、記録だと思います。
容易ではないんだぞ、と。
私はまだまだ行かれるレベルではないので、
戒めになりました。
ありがとうございました。
生々しい記録拝見しました。初期制動で止まらなかったらまずアウトといわれますので、本当に幸運でしたね。今年初めてピッケルを買った人とは思えないテクニックですが・・・今後とも気をつけてどうぞ。
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