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記録ID: 424731
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キャンプ等、その他
甲信越

古道探索、信州「塩の道・養老坂道」

2014年04月05日(土) [日帰り]
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体力度
1
日帰りが可能
GPS
01:34
距離
6.3km
登り
190m
下り
265m
過去天気図(気象庁) 2014年04月の天気図
アクセス この日はOn foot! ゴール地点の1キロちょっと先にJR篠ノ井線田沢駅。
スタートは松本市沢村2・3丁目交差点。正面の路地に入って行く。
スタートは松本市沢村2・3丁目交差点。正面の路地に入って行く。
振り返って、寿司屋の江戸銀。ここ、美味い。ランチ800円(税抜)でお腹いっぱい。
振り返って、寿司屋の江戸銀。ここ、美味い。ランチ800円(税抜)でお腹いっぱい。
自分の棲むまちを歩く。近所の人と立ち話してたら、向こうの方をせがれの大豆が自転車で駆け抜けて行った。
自分の棲むまちを歩く。近所の人と立ち話してたら、向こうの方をせがれの大豆が自転車で駆け抜けて行った。
田園風景。この風景の中で子育てしてる。中央奥は戸谷峰。
田園風景。この風景の中で子育てしてる。中央奥は戸谷峰。
おとなり、神沢集落の入り口。中央の小径に入って行く。
おとなり、神沢集落の入り口。中央の小径に入って行く。
ここにはたくさんの神さま仏さま。それにしても、この日、いくつの馬頭観音さまを眺めただろうか。
ここにはたくさんの神さま仏さま。それにしても、この日、いくつの馬頭観音さまを眺めただろうか。
振り返ると神沢池。遠い稜線は高ボッチ。ここから北岳や仙丈も顔を見せる。
振り返ると神沢池。遠い稜線は高ボッチ。ここから北岳や仙丈も顔を見せる。
集落を抜けて二車線道路へ。おいら、ここを毎朝夕走ってる。
集落を抜けて二車線道路へ。おいら、ここを毎朝夕走ってる。
右へ道なり、塩倉集落へ。
右へ道なり、塩倉集落へ。
集落入り口に、またもや馬頭観音さん。
集落入り口に、またもや馬頭観音さん。
塩倉の海福寺。塩倉集落の名前も、塩の道を運ばれてきた塩を保管したため、と聞く。
塩倉の海福寺。塩倉集落の名前も、塩の道を運ばれてきた塩を保管したため、と聞く。
海福寺お堂脇の石ぼとけ。
海福寺お堂脇の石ぼとけ。
集落を抜けて急坂を登り詰める。
集落を抜けて急坂を登り詰める。
春の田園風景を歩く。左の丘に松本市のアルプス公園の施設が見える。
春の田園風景を歩く。左の丘に松本市のアルプス公園の施設が見える。
もしかしたらこの小径ではなく、左寄りの別な道があるのかもしれない。田んぼの畦を通って車道に出た。
もしかしたらこの小径ではなく、左寄りの別な道があるのかもしれない。田んぼの畦を通って車道に出た。
僕の通勤ルートを横切る。正面の細道へ。
僕の通勤ルートを横切る。正面の細道へ。
岡田地籍から島内地籍に。老根田という小さな集落にはかなりハイスペックな案山子。
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岡田地籍から島内地籍に。老根田という小さな集落にはかなりハイスペックな案山子。
ここは好きな場所。野歩きしてる、という実感。春ですなあ。
ここは好きな場所。野歩きしてる、という実感。春ですなあ。
アルプス公園に接する場所。ここから下る坂が養老坂。この道が古代からの主要街道だったって、信じられない。誰にも会わない。
アルプス公園に接する場所。ここから下る坂が養老坂。この道が古代からの主要街道だったって、信じられない。誰にも会わない。
いよいよ養老坂。深くえぐれたトレイル。歴史の重みを感じる。
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いよいよ養老坂。深くえぐれたトレイル。歴史の重みを感じる。
アルプス公園の北入り口から入った遊歩道に出た。東屋の左側の薮がかった踏み跡を降りる。もしかしたら、東屋から公園北入り口に北進し、駐車場の北側のえぐれた踏み跡の方が正解かもしれない。帰路に確認したら石積みが3カ所あった。
アルプス公園の北入り口から入った遊歩道に出た。東屋の左側の薮がかった踏み跡を降りる。もしかしたら、東屋から公園北入り口に北進し、駐車場の北側のえぐれた踏み跡の方が正解かもしれない。帰路に確認したら石積みが3カ所あった。
結構急な坂。ここを、塩や海産物を積んだ牛馬が登った?
結構急な坂。ここを、塩や海産物を積んだ牛馬が登った?
どうも、imalpです。
どうも、imalpです。
国道254。おいらが毎日通る道。
国道254。おいらが毎日通る道。
R254をくぐる。さっき書いたけど、もう少し北側をくぐるのが正解と思われる。帰路は北寄りルートを確認。
R254をくぐる。さっき書いたけど、もう少し北側をくぐるのが正解と思われる。帰路は北寄りルートを確認。
島内平瀬川東集落。このさきで街道をロスト。やはり北側に正解があったか。
島内平瀬川東集落。このさきで街道をロスト。やはり北側に正解があったか。
一度、R19近くまで行くがわからん。もどって集落の中をうろうろ。
一度、R19近くまで行くがわからん。もどって集落の中をうろうろ。
すこしガスが巻いてるけど常念が見えていた。
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すこしガスが巻いてるけど常念が見えていた。
江戸期の貞享騒動(じょうきょうそうどう)で捕らえられた人々が、家族との別れを惜しんだという場所。当時の役人が護送ルートとしてこの道を辿ったということから、ちゃんと街道として位置づけられてた、ってことか。
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江戸期の貞享騒動(じょうきょうそうどう)で捕らえられた人々が、家族との別れを惜しんだという場所。当時の役人が護送ルートとしてこの道を辿ったということから、ちゃんと街道として位置づけられてた、ってことか。
道祖神も佇む。
集落を抜けて国道19号へ。ここには古道の案内板もあった。
集落を抜けて国道19号へ。ここには古道の案内板もあった。
国道を歩く。ラーメン屋がある。トイレもある。
国道を歩く。ラーメン屋がある。トイレもある。
さらに北上すると、戦国時代に山城があった平瀬城跡。小笠原家の家臣、平瀬氏は武田の軍勢に滅ぼされた。
さらに北上すると、戦国時代に山城があった平瀬城跡。小笠原家の家臣、平瀬氏は武田の軍勢に滅ぼされた。
城跡の入り口で線路をくぐり、線路脇を北に向う。
城跡の入り口で線路をくぐり、線路脇を北に向う。
線路と田園だけの風景の中に、馬頭観音さん。やはりこのルートで間違いなさそう。
線路と田園だけの風景の中に、馬頭観音さん。やはりこのルートで間違いなさそう。
白い標柱を発見。ビンゴ! 川手口下田口留番所跡、と書かれていた。つまり犀川対岸の安曇野からこの地点への渡し船があり、番所で取り締まったということか。
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白い標柱を発見。ビンゴ! 川手口下田口留番所跡、と書かれていた。つまり犀川対岸の安曇野からこの地点への渡し船があり、番所で取り締まったということか。
番所跡のすぐ先で篠ノ井線の線路をくぐる。安曇野市と松本市の境界付近。
番所跡のすぐ先で篠ノ井線の線路をくぐる。安曇野市と松本市の境界付近。
19号を渡って、河川敷に降りる。ヨシとイバラを薮漕ぎして....
19号を渡って、河川敷に降りる。ヨシとイバラを薮漕ぎして....
ついに犀川の岸辺に。おそらくここが熊倉の渡しと呼ばれたところだ。小さな旅の終わり。
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ついに犀川の岸辺に。おそらくここが熊倉の渡しと呼ばれたところだ。小さな旅の終わり。
ロストした箇所確かめながら、帰路を選ぶ。「加助夫妻別れの岩」から最短距離で国道254号に抜けると、アルプス公園北入り口へ直登する道があった。
ロストした箇所確かめながら、帰路を選ぶ。「加助夫妻別れの岩」から最短距離で国道254号に抜けると、アルプス公園北入り口へ直登する道があった。
春から秋では薮が深い。登って行くと公園駐車場に。これは駐車場から振り返って見ている。
春から秋では薮が深い。登って行くと公園駐車場に。これは駐車場から振り返って見ている。

感想

ことの発端は、僕の棲む信州まつもと北部の住宅街をウォーキングスタイルでそぞろ歩く集団を見たことだった。何を見に? どこを歩きに? と不思議に思っていたら、古代から安曇野と松本を結ぶ古い街道の存在を知ることになる。

敵に塩を送る、という言葉がある。これは、越後の上杉領内から当時武田支配下にあった信州深志の御城下(現代の松本)に塩が届けられた出来事に由来すると聞く。当時、川中島の合戦に伝えられるように、両勢力は幾度も激突し、その影響なのか越後から塩をはじめとする物資が滞り、民はひどく困ったらしい。窮状を知った不識庵謙信は敵地である信州まつもとの民の為に塩を送り、届いた塩に人々は歓喜し、そして市が立って大いに賑わったと伝えられている。この出来事はこんにちでも伝統行事として残り、松本はじめ安曇野各地で「あめ市」として行われている。

この、越後・糸魚川から姫川沿いに北安曇、南安曇の両郡を経て松本に至る道が千国街道「塩の道」。豊科松本間のルートにおいては、後になって平地を通る「真々部道」などが開かれたらしいが、古い時代には山越えのある「養老坂道」が重要路として使用されていたらしい。街道は松本御城下の「へそ」みたいな場所にある「牛つなぎ石」を経て、さらに南の塩尻まで通じている。塩尻が塩の道の終点から名付けられたであろうことは容易に想像できるわな。

いくらか脱線しかけたが、この「塩の道・養老坂道」が僕の棲むまちを通っていて、古道マニアのウォーキング集団を目撃した、というイントロダクションにつながる。街道歩きをテーマにした書籍なども刊行されているらしく、またレポを掲載したサイトも散見されていくつかの手がかりを得た。どうやら僕が朝夕通る通勤ルートとも絡んでいるようで、気になって仕方がないので謎の解明に探索に出かけることなったわけだ。

とにかく、信州塩の道のごく一部区間、松本御城下のはずれから熊倉の渡しまでを歩いてみた。2カ所程ロストしている可能性が高いが、帰路の再確認も含めて概ねトレースできたようだ。今回ゴールとなった犀川の熊倉の渡し以北は、豊科、穂高、池田と宿場を連ね糸魚川に至る。そっちを歩くのは老後の愉しみかなにかに取っといて、現在の自分の生活圏とシンクロしている箇所の確認程度の野歩きだ。しかし....


検証を終えていま、まったく納得できないでいる。謎は深まるばかりだ。

まず、何故、平坦な犀川沿いを選ばなかったのか。犀川を遡り奈良井川に入って行けば、松本御城下はすぐだろう? それを、よりによってこんな急斜面をへつるような這い登るような道筋を、なぜ? この斜面は、北米プレートがユーラシアプレートと接する部分の端っこであって、フォッサマグナ西縁の大断層に向って落ち込んでる箇所だ。交通に適した地形ではない。どなたか答えかヒントをプリーズ。

とにかく、こんな不適地形を馬の背に乗せた荷が通った。物資が運ばれる文字通り大動脈だったわけだ。路傍に祀られたおびただしい数の馬頭観音の存在が、そんな歴史を物語っている。しかしなぜ....

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