八ヶ岳/旭岳東稜
コースタイム
■28日/4:45起床-6:30出発-7:40五段の宮-12:40旭岳頂上-13:05ツルネ東稜分岐13:10-14:20出合小屋15:00-16:30美し森駐車場
天候 | ■27日(土):晴れ ■28日(日):晴れのち曇り、ときどき雪 |
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過去天気図(気象庁) | 2010年03月の天気図 |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回のシーズンであれば、大量の降雪直後でもない限りワカンは必要ありません。 ただし、我々も念のため持って行って出合小屋にデポさせてもらいました。 まあ保険と思い小屋まで持って行くのがbetterでしょうか。 3月も終わり頃になると雨や融雪により川の水量が多くなっていました。 我々の場合は石伝いで渡ることができましたが、 場合によっては(降雨、融雪の増大など)渡渉になることもあるそうです。 なお、下山日のほうが遅い時間だったけど寒波がやってきて気温も低くなり 水量が減っていたため案外簡単に渡ることができました。 核心は五段の宮でしょうが、巻く場合も草付きが結構いやらしく イボイノシシやアイスピトンはあったほうが心強いですね…使いました。 それでも雪が多かったら斜度のある雪壁になったり、 温度が高いと草付きも緩くなり結構神経はすり減るかもしれません。 今回は、時期がらかつ朝取り付いたこともあり慎重に行けばノープロでした。 これ以外にも稜線途中の草付きと、降雪後ならいかにも雪崩そうな雪壁も 要注意な場所になるのでしょう。 |
ファイル |
非公開
4379.xls
計画書
(更新時刻:2010/07/28 08:54) |
写真
感想
初日はこの上なく晴れ、当日中に稜線まで抜けたい気分にさせられた(後ほどこれ
は無理だと気づかされる・・・・)。美し森駐車場のわきの林道に入る。林道の途
中まで車を入れられると聞いたが、この日はすぐのところにあるゲートが閉まって
いた。林道が終わると河原にでる。川の横を堰堤をいくつも越えていく。渡渉も数
回あった。水量はなんとか足を濡らさないですむ程度だったが、もう少し多かった
らつらい。右岸にある出合小屋に到着し小休止。天狗に行く単独の方が後から小屋
にきた。もともと我々より先行していたのだが、途中で抜いたらしい。他に東面に
とりつきにかかるパーティーはいないようだった。思ったより少なくちょっと拍子
抜け。そんなに人気ないのだろうか。出合からは左の地獄谷方面へ進む。やがて権
現沢右俣と上ノ権現沢との二俣にでる。この間の尾根が旭岳東稜。どちらの沢から
もとりつけるらしいが、右の上ノ権現沢へすすむ。すぐに左手にやや緩やかな斜面
が見えるのでここからとりつく。トレースはなし。ラッセル覚悟の先行だ。
尾根にのると樹林の中へ。どこでも見られるような風景だが、樹林が結構密なの
で、ルートを選ぶのに苦労した。また、あまり尾根から外れると雪が深くラッセル
がたまらない。辛抱強く樹林の間を行くしかなかった。雪質は春のモナカ雪。常に
膝下ではあったが、歩きづらい。また日陰と日向でも解け具合で歩き安さが変わ
る。体力を消耗しそうだ。
ロープを出した方がよい下降箇所があると聞いていたのでどこだどこだと思ってい
たが、思ったより歩いたところにあった。やはり雪があると危険そうだったので
ロープを出して慎重に下る。ここまで来ると下部の樹林は抜け、前方に権現、旭、
ツルネが姿を現す。とても格好いい。明日はあの稜線まで行くのだ。
初日はどこでテントを張るかもポイントだ。もともと細った尾根なので張れる場所
は限られている。途中2〜3人用テントならそこそこ快適に張れそうな場所がいく
つかあったが何パーティーもとりついているなら早い者勝ちだろう。昼近くにな
り、時間が中途半端だったので、行けるところまで行こうということになった。で
きれば岩場の近くで張りたかったが、とにかくラッセルで体力を使い果たし、もう
これ以上進みたくない、という感じでこの日の行動は終了。
テント場では久々に水作りから始めたが、手抜きな私の食料計画もあり、早々に夕
食を終え寝床に入った。ttanaさん、ありがとうございました。甘酒は冬の常備品
にします。自分は今回の山行にあたり、飲料と軽量化には気をつかった。数年前に
鋸岳縦走した時に全荷の重さでヘトヘトになり、また水を飲みつくしたせいで、
死にそうな思いをしたため。だからシュラフはいつも冬に使っているものではな
く、薄いものを持っていった。しかしこれはやりすぎだったようだ・・・。寒くて
夜寝た気がしなかった。薄いダウンは着てたが、足は冷えるし、もっと対策が必要
だった。それでも横になったので体力は回復していたようだ。
2日目は曇り。天気は悪くなるのが予想されていたため、時間勝負だ。スタートす
ると、あいかわらずラッセル・・・。岩場まですぐだと思っていたのに、かなり
時間がかかってしまった。
岩場の基部に到着すると五段の宮の下2段ぐらいまでが見える。2段目は隠れてあ
まり見えない。雪はあまりついておらず、1段目だけ見るといけそうにも見える
が、今までの練習量、現時点の体力の具合、支点のあやうさから考えると、やめた
方がよいと判断。巻くことにした。
巻きは巻きで結構厳しい。1P目はttanaさん。ここをまっすぐ上がるの?と自分
には思える草つきを上がっていく。初日にもいやらしい草つきの場所があった
ので、腹はくくっていたが、ピッケルとバイルがきちんと効いているかを確認し、
神経使いながら1歩1歩慎重に上がる。やっと確保点まで行くと、今度は自分が
先に。上部は斜度が急過ぎるので、左にトラバースして上がれそうなところを
探す。とりあえずトラバースしてみたが、ここは行けそうだという判断が難しい。
もっと先に良いところがあるかもしれない。葛藤しながらも、ここだ、というルー
トを決めて上がる。自分的にはぎりぎりでなんとか難所をクリアし、やや開けたと
ころでピッチを切る。3P目は再び入れ替わり、ttanaさんが先に。もう難所は終わ
りだろうと思っていたら、すぐに右側が雪庇状になっている急なリッジを上って
いくような場所に出る。足場が不安定で怖い。セカンドなのでステップが切られて
いるからまだよいが・・・。
上りきった。するとそこには美しいナイフリッジが続いていた。誰も踏んでいない
橋。なぜか日差しも出てきて、この瞬間を盛り上げてくれているようだ。思わず声
が出る。この景色を見るためにここまで苦労して来たのかもしれない。高度感も
満点。心地よい緊張感。この時間が終わるのがもったいないと思えた。
最初のPから数えて6Pで頂上まで。頂上近くに数Mだけ岩場があったが、もはや何の
問題もない(むしろ安定してるだけ有難い)。とりあえず下山できそうな時間に稜線
まで出られらたことにホットした。この時間になると天気は明らかに下り坂の様子
で、早々に下山しなければならない。頂上には頂上らしい標識もなく、方向指示の
標識のみだったので、電池切れっぽいカメラで無理やりとることを諦め、ツルネ
まで向かう。登攀中に稜線を歩くパーティーが見えたので、トレースは期待でき
た。実に有難い。ツルネからは東稜を一気に下りる。途中尾根が分岐していたが、
テープ等もあり、迷うことはなかった。あっという間に河原に下り、初日のとり
つきまで戻る。遠い昔のことのようで感慨深い。出合小屋まで行くと、別の2人組
パーティが休んでいた。明日権現東稜に行くらしい。しかし天気は下り坂(翌日東京
でもかなり冷えた)だったので、厳しいであろう。また、我々の後からさらに3人
組の別パーティが到着。聞くと、我々が登攀中に後から岩場まで来て、引きかえし
たらしい(登攀中にもそれらしき人影が見えた)。
出合を出る頃にはチラチラ雪が舞い、春の季節が少し戻った感じの寒さに。いい
タイミングで上れたのはラッキーだった。
ttanaさん山行中にいろいろご指導いただきありがとうございました。
もっとレベルアップしてスムーズに行けるよう目指します!
完登おめでとうございます!!
西黒尾根と全然違いますね!(当たり前か!)
五段の宮は怖そう
宿題と言うことは、来年も行くでしょうか??
その時は一声かけて下さいよ
次はスマートに?登りたいですね。
ということで、来シーズンもアイゼントレだな。
その時は改めてよろしく。
来シーズンよろしくお願いします!
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