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Yamareco

記録ID: 470250
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
アジア

ナンガ・パルバット【南面 シェルルート】

1999年06月21日(月) 〜 1999年07月24日(土)
 - 拍手
yamatabi その他10人
GPS
800:00
距離
95.5km
登り
14,420m
下り
14,420m

コースタイム

6/14 福岡=成田=北京=イスラマバード
6/15 イスラマバード 買い出し、パッキング
6/16 イスラマバード パッキング
6/17 イスラマバード=タキシラ=ラワルピンディ=イスラマバード 観光、買い出し
6/18 イスラマバード=ラワルピンディ=アボッタバード=ダスー=チラス
6/19 チラス=ジャグロッド=アストール=タルシン
6/20 タルシンにステイ ポーター雇用
6/21 タルシン〜ルパル〜ポーリッシュBC〜BC(ラトボー 3500m)
6/22 BC〜4650m〜BC ルート工作
6/23 BC〜C1(4950m)〜BC ルート工作
6/24 BCステイ
6/25 BC〜C1〜BC 荷上げ
6/26 BCステイ
6/27 BC〜C1 荷上げ
6/28 C1ステイ テン場整地
6/29 C1〜ヤマト岩基部〜C1 ルート工作
6/30 C1〜BC
7/ 1 BCステイ
7/ 2 BC周辺トレッキング
7/ 3 BC〜C1 荷上げ
7/ 4 C1沈殿
7/ 5 C1〜デポ地〜C1 荷上げ
7/ 6 C1〜仮C2 キャンプ設営
7/ 7 仮C2〜ナジール壁基部〜仮C2 荷上げ
7/ 8 仮C2〜ナジール壁〜仮C2〜C1 荷上げ
7/ 9 C1〜BC
7/10 BC 休養
7/11 BC ステイ
7/12 BC ステイ
7/13 BCステイ
7/14 BC〜C1 荷上げ
7/15 C1〜仮C2
7/16 仮C2〜ナジール壁〜仮C2
7/17 仮C2〜C1 荷下ろし
7/18 C1〜BC
7/19 BCステイ
7/20 BC〜モレーン上大岩〜BC
7/21 BCステイ
7/22 BC 撤収準備
7/23 BC ポーター雇用
7/24 BC〜ルパル〜タルシン=アストール=チラス
7/25 チラス=イスラマバード
7/26 イスラマバード 荷物パッキング
7/27 イスラマバード
7/28 イスラマバード
7/29 イスラマバード=
7/30 =成田=羽田=福岡  
アクセス
利用交通機関:
バス 飛行機
コース状況/
危険箇所等
イスラマバード〜ジャグロット:カラコルム・ハイウェイを行く。ハイウェイとは名ばかりで、インダス川岸の断崖を削りとった2車線道路。時々、谷底に落ちて引き上げ作業をしている車を目撃する。コテコテにデコったトラックやバスがいろいろなクラクションを使い分けながら疾走する。
ジャグロット〜タルシン:断崖につけられた恐怖のジープ道。1車線で、対向車が来たら路肩ギリギリですれ違う。落ちたら命はない。全員分の座席はないので、荷台のロープに振り落とされないようにしがみつく。
タルシン〜BC:2つの氷河を越えるキャラバン。ナンガパルバットを仰ぎながら、気持ちのいい草原を行く。トレッキングでは2日かけるらしいが、1日で到着。途中のルパル村には、ラインホルト・メスナーが作った学校があり、子どもも多い。お菓子をねだって追いかけてくる。
BC〜C1:14650mの通称蝶岩までは石がゴロゴロした広く開放的なモレーンの谷(シェル氷河)を登る。落石が多い時は、途中から右岸の草付き(お花畑になっている)に逃げることもできる。蝶岩からは、左のルンゼに入るが落石が多いので岩壁に身を寄せるように進む。そのままルンゼを詰めてもC1に着くが、途中から右の側稜に取り付いたほうが落石や雪崩のリスクは小さい。
C1~仮C2:雪崩の危険が高いので、C1から上はFIXロープを設置した。出だしは1ピッチのトラバース。落石の巣なので素早い行動が必要。次に岩雪ミックスの急斜面を岩稜に登り上がる。
仮C2〜C2:まず、通称ヤマト岩に向かって岩稜を登る。ヤマト岩は基部を右に巻いて上部に出、さらに岩稜を上り詰める。そこから、ナジール壁の基部に向かって雪壁のトラバース。ナジール壁は、2ピッチミックスを登ったあと、バンドを右へトラバース、チムニーを登り上がる。壁の上はナイフリッジ。

PIAパキスタン航空は、北京経由で天山山脈を越えてイスラマバードへ向かいます。
PIAパキスタン航空は、北京経由で天山山脈を越えてイスラマバードへ向かいます。
イスラマバードのマルガラホテルに入りました。
なかなかきれいなホテルです。
イスラマバードのマルガラホテルに入りました。
なかなかきれいなホテルです。
ニッパトラベルで荷造りや打ち合わせ。
ニッパトラベルで荷造りや打ち合わせ。
ラワルピンディのラジャバザール。
ラジカセ、電池、たらい、バケツなどを買い出し。
ラワルピンディのラジャバザール。
ラジカセ、電池、たらい、バケツなどを買い出し。
この貸し切りバスでジャグロットというところまで行きました。
車内は怪しげなインド音楽が大音量で鳴りっぱなし。運転手の眠気覚ましのようだが、こちらは眠っていても脳の中に鳴り響く。
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この貸し切りバスでジャグロットというところまで行きました。
車内は怪しげなインド音楽が大音量で鳴りっぱなし。運転手の眠気覚ましのようだが、こちらは眠っていても脳の中に鳴り響く。
松の木の多い峠道にさしかかります。
松の木の多い峠道にさしかかります。
インダス川を渡ります。
ガイドに「これがインダス川か?」ときくと、
「マイティ・インダスだ」と胸を張った。
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インダス川を渡ります。
ガイドに「これがインダス川か?」ときくと、
「マイティ・インダスだ」と胸を張った。
木材が集積されている。
木材が集積されている。
ここで大きなトラックに積み替えるのだろうか?
ここで大きなトラックに積み替えるのだろうか?
チラスのパノラマホテルに暗くなってから到着、1泊。
チラスは盆地状になっていて、とにかく暑い。シャワーは赤い水しかでないし、下痢気味だし、眠れない。
チラスのパノラマホテルに暗くなってから到着、1泊。
チラスは盆地状になっていて、とにかく暑い。シャワーは赤い水しかでないし、下痢気味だし、眠れない。
ラキオト橋の近くには、岩に仏塔などの絵が刻まれている。
三蔵法師の時代かな。
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ラキオト橋の近くには、岩に仏塔などの絵が刻まれている。
三蔵法師の時代かな。
ジャグロットでバスからジープに乗り換え。カラコルム・ハイウェイともしばしのお別れ。
ジャグロットでバスからジープに乗り換え。カラコルム・ハイウェイともしばしのお別れ。
アストールの町。ここで昼食。
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アストールの町。ここで昼食。
タルシン村のホテルナンガパルバット。
ホテルとは名ばかりで、山小屋に近い。
タルシン村のホテルナンガパルバット。
ホテルとは名ばかりで、山小屋に近い。
タルシン村の子どもたち。
汚れているが、顔立ちは可愛い。
タルシン村の子どもたち。
汚れているが、顔立ちは可愛い。
ポーターを雇用すると聞きつけて集まった近在の村人たち。
一悶着あったが、集落ごとに人数の割当が決まる。
ポーターを雇用すると聞きつけて集まった近在の村人たち。
一悶着あったが、集落ごとに人数の割当が決まる。
バレーボールを楽しむ村人たち。
バレーボールを楽しむ村人たち。
6/20 雨のためキャラバン中止。
ドクターは村人を診療。30人ほど集まる。子供の腹痛、風邪などが多い。私は、タルシンを散歩。
きれいな小川が流れている。
6/20 雨のためキャラバン中止。
ドクターは村人を診療。30人ほど集まる。子供の腹痛、風邪などが多い。私は、タルシンを散歩。
きれいな小川が流れている。
段々畑や放牧地。のどかだ。
段々畑や放牧地。のどかだ。
石ゴロゴロの急斜面でも放牧。
石ゴロゴロの急斜面でも放牧。
水車小屋
カメラを向けると「ルピー」とお金を要求してくる子どもたち。
カメラを向けると「ルピー」とお金を要求してくる子どもたち。
シューマッハに似たガイドとその子ども。
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シューマッハに似たガイドとその子ども。
タルシンを出るとすぐにチョンラ氷河を横断する。表面はほとんど石や砂に覆われている。
地元の人達も頻繁に通る生活道路だ。
タルシンを出るとすぐにチョンラ氷河を横断する。表面はほとんど石や砂に覆われている。
地元の人達も頻繁に通る生活道路だ。
ルパール壁はガスの中。
ルパール壁はガスの中。
ポーランドBC。きれいなどころだ。
左側の丘はバツィン氷河のサイドモレーン。
ここからまた氷河越えだ。
ポーランドBC。きれいなどころだ。
左側の丘はバツィン氷河のサイドモレーン。
ここからまた氷河越えだ。
バツィン氷河氷河を越えると、とても美しい草原が広がっている。
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バツィン氷河氷河を越えると、とても美しい草原が広がっている。
思わず寝ころびたくなるような気持ちのいい草原。
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思わず寝ころびたくなるような気持ちのいい草原。
ウシとヤクのあいのこの「ゾンボ」がのんびりと草を食んでいる。
ウシとヤクのあいのこの「ゾンボ」がのんびりと草を食んでいる。
さらに氷河湖を回り込むと、ラトボーと呼ばれるきれいなところにでた。奥の小高いところがBC予定地。
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さらに氷河湖を回り込むと、ラトボーと呼ばれるきれいなところにでた。奥の小高いところがBC予定地。
BC予定地到着。ポーターやロバが荷物を運んでくる。
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BC予定地到着。ポーターやロバが荷物を運んでくる。
今日から登山活動開始。
高度順応を兼ねて荷上げ。
今日から登山活動開始。
高度順応を兼ねて荷上げ。
ルパル壁がきれいに見える。
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ルパル壁がきれいに見える。
ナンガパルバット頂上
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ナンガパルバット頂上
この日の最高到達点。ここに荷物をデポ。
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この日の最高到達点。ここに荷物をデポ。
BCが見えるところまで下りてきた。
BCが見えるところまで下りてきた。
この日でOドクターは下山。一足先に帰国。
帰りたくなさそうだったが、仕事が忙しいらしい。
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この日でOドクターは下山。一足先に帰国。
帰りたくなさそうだったが、仕事が忙しいらしい。
お疲れ様でした。気をつけてー。
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お疲れ様でした。気をつけてー。
ハイポーター(H.P)5人は荷上げ。
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ハイポーター(H.P)5人は荷上げ。
今日はBCで休養。
Oドクターと入れ替わりに、SさんがBC入り。
今日はBCで休養。
Oドクターと入れ替わりに、SさんがBC入り。
C1から下りてくると、BCでは子どもたちが集まってクリケットをやっていた。
C1から下りてくると、BCでは子どもたちが集まってクリケットをやっていた。
C1から上部を見上げる。
C1から上部を見上げる。
C1。落石や雪崩の危険が少ない岩陰にへばりつくように建設。石垣を組んでデポスペースを組んでも狭い。
C1。落石や雪崩の危険が少ない岩陰にへばりつくように建設。石垣を組んでデポスペースを組んでも狭い。
上部のルート工作へ向かう隊員。
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上部のルート工作へ向かう隊員。
今日はBCで休養日。高山植物を見に出かける。
今日はBCで休養日。高山植物を見に出かける。
BCのあたりはヒツジの放牧地になっている。
BCのあたりはヒツジの放牧地になっている。
ナンガの花(白)
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ナンガの花(白)
ナンガの花(ピンク)
1
ナンガの花(ピンク)
今日も休養。氷河湖を見に行く・
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今日も休養。氷河湖を見に行く・
氷河湖の縁からルパール壁を見上げる。
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氷河湖の縁からルパール壁を見上げる。
氷河湖。今にも決壊しそう。
決壊してもバツィン氷河のモレーンがあるのでルパール村は大丈夫だろうが、放牧しているヒツジやヤギはだいぶ犠牲になるだろう。
氷河湖。今にも決壊しそう。
決壊してもバツィン氷河のモレーンがあるのでルパール村は大丈夫だろうが、放牧しているヒツジやヤギはだいぶ犠牲になるだろう。
放牧のため住民が寝泊まりしている小屋。
放牧のため住民が寝泊まりしている小屋。
BCのダイニングテント。
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BCのダイニングテント。
仮C2からの登高。
1
仮C2からの登高。
周囲の5千メートル級の山より高くなってきた。
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周囲の5千メートル級の山より高くなってきた。
ヤマト岩に向かって岩稜を登る。
1
ヤマト岩に向かって岩稜を登る。
ヤマト岩は基部を右に巻いて超える。
ヤマト岩は基部を右に巻いて超える。
ヤマト岩を過ぎて正面のナジール壁に向かって登る。
ヤマト岩を過ぎて正面のナジール壁に向かって登る。
ミックスの岩稜を登る。
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ミックスの岩稜を登る。
いつまでも眺めていたい景色だ。
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いつまでも眺めていたい景色だ。
ナジール壁に向かってトラバース。
ナジール壁に向かってトラバース。
チムニーに向かって雪壁を登る。
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チムニーに向かって雪壁を登る。
荷上げをしてくれるハイポーター(H.P)たち。
荷上げをしてくれるハイポーター(H.P)たち。
ナジール壁を超えてナイフリッジ上で。
ナジール壁を超えてナイフリッジ上で。
シェル氷河右岸の草付きを通ってBCへ下る。
シェル氷河右岸の草付きを通ってBCへ下る。
久しぶりに下りてきたらすっかりお花畑になっていた。
久しぶりに下りてきたらすっかりお花畑になっていた。
ナンガの花(黄、紫)
ナンガの花(黄、紫)
ナンガの花(青、黄)
ナンガの花(青、黄)
ナンガの花(白)
ナンガの花(白)
今日は馬に乗って上流のシャイギリと呼ばれるところまでお散歩。橋の上は怖いので馬から降りる。
今日は馬に乗って上流のシャイギリと呼ばれるところまでお散歩。橋の上は怖いので馬から降りる。
シェルルート下部がよく見える。
シェルルート下部がよく見える。
石と木の枝で出来た放牧用の小屋が見えてきた。
石と木の枝で出来た放牧用の小屋が見えてきた。
子どもたちが出迎えてくれる。
子どもたちが出迎えてくれる。
さらに上流へ
雪煙をあげるルパール壁
2
雪煙をあげるルパール壁
のどかな牧草地にでた。ここがラインホルト・メスナーが単独でナンガパルバットを登った時のBCなのだろうか。
のどかな牧草地にでた。ここがラインホルト・メスナーが単独でナンガパルバットを登った時のBCなのだろうか。
シャイギリからナンガを見上げる。
シャイギリからナンガを見上げる。
ナンガパルバットを背景に。
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ナンガパルバットを背景に。
石と木でできた小屋はところどころに
石と木でできた小屋はところどころに
羊飼いの子供たち
羊飼いの子供たち
ポニーに乗って
この人達にポロを教えてもらった。
この人達にポロを教えてもらった。
ポロは難しく、ほとんど空振り。馬をたたいてしまうことも。
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ポロは難しく、ほとんど空振り。馬をたたいてしまうことも。
上流から砂嵐が迫ってきた。
このあとトイレテントが飛ばされる。
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上流から砂嵐が迫ってきた。
このあとトイレテントが飛ばされる。
今日でSさんとNドクターが帰国の途に就く。
戦力がどんどん少なくなっていく。
今日でSさんとNドクターが帰国の途に就く。
戦力がどんどん少なくなっていく。
羊たちがBCの横を通り過ぎる
羊たちがBCの横を通り過ぎる
ハイポーターたちとコック
1
ハイポーターたちとコック
C1付近もだいぶ雪が少なくなってきた。
C1付近もだいぶ雪が少なくなってきた。
落石の少ない朝のうちにトラバースは済ませる。
1
落石の少ない朝のうちにトラバースは済ませる。
仮C2のテントの中から
仮C2のテントの中から
朝日を浴びた峰々
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朝日を浴びた峰々
C2から上部。
その左。南西稜(マゼノリッジ)が見えた。
2
その左。南西稜(マゼノリッジ)が見えた。
マゼノリッジ下部
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マゼノリッジ下部
C2建設地を探るが、温暖化の影響か雪田であったところがズタズタに切れ落ち、適地が見つからない。
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C2建設地を探るが、温暖化の影響か雪田であったところがズタズタに切れ落ち、適地が見つからない。
午後はC1横の第1トラバースは滝のようになっている
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午後はC1横の第1トラバースは滝のようになっている
今日から撤収にかかる。FIX1本すら残してはいけないので、荷下しも大変だ。
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今日から撤収にかかる。FIX1本すら残してはいけないので、荷下しも大変だ。
仮C2からバツィン氷河方面を見下ろす。
ナンガパルバットの影が伸びている。
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仮C2からバツィン氷河方面を見下ろす。
ナンガパルバットの影が伸びている。
仮C2からBCを見下ろす。
仮C2からBCを見下ろす。
仮C2から上部。ここも雪が少なくなって、落石が起きやすくなっている。計画ではスカイライン中央辺りにC2建設予定。
仮C2から上部。ここも雪が少なくなって、落石が起きやすくなっている。計画ではスカイライン中央辺りにC2建設予定。
BCへ下山中、草付にマーモットらしき小動物発見。
BCへ下山中、草付にマーモットらしき小動物発見。
何度も通ったC1へのルート。これが最後。
何度も通ったC1へのルート。これが最後。
BCはすぐそこ。
ヒツジの解体が始まった。
木に吊るして皮をはいでいく。
解体は神聖なもので、ひげの生えた成人男性しか行ってはならない。
ヒツジの解体が始まった。
木に吊るして皮をはいでいく。
解体は神聖なもので、ひげの生えた成人男性しか行ってはならない。
登山活動中ひげが伸びたので、解体のお手伝いをさせてもらう。
登山活動中ひげが伸びたので、解体のお手伝いをさせてもらう。
隊長のIさんが倒れて起き上がれない。半身が麻痺した脳梗塞の症状があるので、町の病院に搬送することになる。柳の枝で担架を作り、ポーターに担いでもらう。
隊長のIさんが倒れて起き上がれない。半身が麻痺した脳梗塞の症状があるので、町の病院に搬送することになる。柳の枝で担架を作り、ポーターに担いでもらう。
BCに全員集結。隊員とH.P、リエゾン、コック、キッチンボーイ
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BCに全員集結。隊員とH.P、リエゾン、コック、キッチンボーイ
シェル氷河に架かる虹
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シェル氷河に架かる虹
BCに病気のこどもが運ばれてきた。
BCに病気のこどもが運ばれてきた。
ドクターは帰国したので、隊員が薬を出す。
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ドクターは帰国したので、隊員が薬を出す。
明日はいよいよBC撤収。ポーターが集まり始めた。
明日はいよいよBC撤収。ポーターが集まり始めた。
BCから見上げるルパール壁も最後だ。
BCから見上げるルパール壁も最後だ。
出発の朝。
振り返る。
標高差4800mの世界最大の壁。
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標高差4800mの世界最大の壁。
メスナー兄弟が登ったルート。美しい。
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メスナー兄弟が登ったルート。美しい。
ルパール壁の下で休憩。
ルパール壁の下で休憩。
草むらで休憩。
ルパール壁の前で記念撮影。
ルパール壁の前で記念撮影。
お手頃な価格で売られている。
お手頃な価格で売られている。
車両本体価格より高そうなデコレーション。
車両本体価格より高そうなデコレーション。
成人女性の写真を撮るのは禁止されているが、ギリギリセーフ。
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成人女性の写真を撮るのは禁止されているが、ギリギリセーフ。
マツのポット苗を生産している畑。
マツのポット苗を生産している畑。

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ 長袖インナー ハードシェル ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 予備手袋 防寒着 日よけ帽子 毛帽子 着替え 予備靴ひも ザック サブザック アイゼン ピッケル 食器 ライター コンパス ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 時計 サングラス タオル ナイフ カメラ ハーネス ヘルメット 確保機
共同装備
スコップ コンロ コッヘル テント テントマット ロープ カラビナ スリング ロープスリング ハンマーバイル アイスアックス アイススクリュー

感想

ヒマラヤ山脈西端に位置し、標高8,125m(世界第9位)を誇るナンガパルバット遠征に参加した時の記録です。標高差4800mの世界最大の壁ルパール壁の西端のシェル・ルートは、1976年オーストリアのハンス・シェル隊によって開拓されたルートで、最初はミックスのリッジを登り、上部でマゼノリッジに合流したあと、ディアミール壁側に回りこみ頂上に至る長いルートだ。
福岡登高会としては、1983年、1985年と2回にわたりこのルートに挑んできたが、跳ね返されてきた。会としては3度めだが、私には初めてのナンガパルバット、心躍らせてイスラマバードに降り立った。
ちょうど役所の休みに引っかかったため手続きに時間がかかり、タキシラ遺跡の観光などで時間調整をしてイスラマバードを出発したのは6月18日だった。屋根に荷物を満載したバスでカラコルム・ハイウェイをひた走り、途中チラスで1泊したあとジープに乗り替えた。
このジープが最初の難関だった。ジープ道は、ガードレールもない断崖の道で、対向車が来たら路肩ギリギリに寄せないけばならないほどの狭さだ。しかもデコボコの悪路で、運チャンは、そこを猛スピードで走りぬける。座席に座っているときはまだいいが、途中で荷崩れを起こさないように荷台でロープにしがみついているときは生きた心地がしなかった。
キャラバンの出発地のタルシン村や氷河を挟んだルパル村は、いかにも寒村で、皆、身なりは汚いが彫りの深い綺麗な顔立ちをしている。子どもたちは「スウィート」「マネー」「ルピー」と遠慮がちに要求してくる。
タルシン村でも雨のため1日足止めとなったため、2日の行程を1日でBCまで急いだ。
登山活動は、全くの力不足だった。高所順応は割りとスムーズにできたが、低酸素でのスピードの無さを通関した。C1建設は早かったが、そこから上は動ける隊員が少なく、ルートが遅々として伸びない。
ネパールなら、シェルパがFIXロープ設置などもやってくれるが、パキスタンでは基本的に隊員が全部やらなくてはいけない。ハイポータ(H.P)を5人雇っていたが、彼らは当初下部キャンプへの荷上げが中心だった。
次第に疲労や体調不良を訴える者も出てきて、BCでの一斉休養やH.Pの上部への投入などを経て、ようやくC2建設予定地に到達しました。そこは、ナジール壁と呼ばれる6ピッチほどの岩場を抜け、さらにナイフリッジを越えたところにある雪田だ。ここまでくれば、C4まではあまり危険な箇所はないはずだった。しかし底にあるはずの雪田は、温暖化の影響かズタズタに切れ落ち、安全にテントを張る場所は見つからなかった。
そして、予定より早くモンスーン期に入り、天気は荒れ始めた。ここでタイムアップ。
撤収が決まってからもFIXの回収、荷下ろしと忙しい。
7月21日、ヒツジの解体を見に行って戻ってくると、隊長のIさんが、脳梗塞らしい、と騒いでいた。ドクターはすでに帰国していたが、Yさんのお父さんが同じような症状だったらしい。前日は久しぶりに日本からのトレッキング隊が手土産に持ってきた酒を飲んだので、最初は二日酔いだろうと寝かせていたら、どうも右半身が麻痺しているらしい。
直ぐに病院に運ぼう、ということになり、Yさんとガイドがジープの手配に走り、近くの村からポーターを集め、柳の枝で担架を作り、タルシンまで交代で運ばせることになった。リエゾンと隊員2人が付き添いでおりたので、BCはガラーンとしてしまった。残ったメンバーで荷物の梱包・計量と、BCの撤収を行い、7/241ヶ月あまりの登山活動に終止符を打った。
Iさんは、その後ジープに担架を括りつけギルギットの病院まで運んだが、そこでは十分な治療が受けられないので、更にイスラマバードまで夜を徹して運び、最高の医療が受けられる病院に入院でき、後遺症は残ったものの後日無事に帰国できた。

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