鎌倉古道・湯坂路
sada
- GPS
- 06:10
- 距離
- 12.7km
- 登り
- 963m
- 下り
- 664m
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きのくにや14:00⇒14:12湯坂路終点⇒14:32飛竜の滝⇒15:02畑宿15:23⇒（バス）⇒15:40箱根湯本
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2009年09月の天気図 |
| アクセス |
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感想
あれは３年前。
２００６年９月９日（土）のことである。
前夜の酒が抜けない身体で箱根湯本から芦ノ湯温泉を目指した。
『鎌倉古道・湯坂路』である。
登山開始早々、運動不足の身体はすぐに悲鳴を上げた。
”汗が止まらない。”
用意した１リットルの麦茶はすぐに半分になった。
”身体が重い。”
湯坂路は売店もトイレもない。
”３時間もこの身体が持つだろうか。”
思えば、人生初の山登りは５歳の時だ。
父に連れられ高尾山から城山まで登った。
記憶には無いがモノクロ写真が真実を語っている。
小学校の秋の遠足は決まって高尾山だった。
ゆえに高尾のコースは全て歩いただろう。
陣馬まで縦走したこともあった。
”やっぱり高尾で試すべきだったか・・・。。”
そんな心配をしていると湯坂城址に着いた。
今では森林が成長し見晴らしは無いが、往時は眺めが良かったのだろう。
そんな事を考えながら重い身体を休ませた。
稜線に出て身体が慣れたと思えば、太ももの内側が痛み始めた。
”俺、、なんで山なんか登ってるんだろう・・・”
あれは箱根からの帰り道だった。
バスの車窓から鎌倉古道の入口が目に入った。
”古道を歩き温泉に浸かるのもいいな。”
そんな軽い気持ちで山に入ってしまった。
浅間山（せんげんやま）の山頂に到着する。
ベンチで昼食中のオジサン達が笑顔で声をかけてくれた。
”山っていいな。”
しかし、みんな下りで、登りは私だけのようだ。
浅間山には草原がありアジサイに包まれる。
そして赤い椿が咲く。
最後の難所は鷹ノ巣山（たかのすやま）だ。
急登を行くと箱根外輪山が見える。
”自然って素晴らしいな！”
山頂では駒ケ岳や神山が見える。
”カメラを持ってくるんだった。”
当時は登山道具を持っていない。
履き慣れたカジュアルシューズに普段着である。
おまけに雨なんか降らないと勝手に決めている。
近所のスーパーで買った安物ザックの中は、タオルと着替え用の下着だけ。
そんな自分にカメラの用意は無い。
山頂を越えればなだらかな下りとなり芦ノ湯は近い。
しかし、今度は足の裏が痛む。
やっとの事で車道に出て救われるが、終わってしまった山道が恋しい。
念願の温泉に着き白濁した硫黄泉に浸かる。
もちろん湯上りにビールをいただいた。
”何とも言えないこの気分・・・これって何だろうか？”
鎌倉古道湯坂路。
今では軽いハイキングであるが、当時の自分にはキツイ登山だった。
未知の領域を行く楽しみ。自然との触れ合い。そして達成した充実感。
全てを教えてくれた湯坂路。
あの日から山の魅力を感じ、毎週のように箱根を登った。
四季折々、違う顔を見せる山々達。
自然の偉大さに自分の非力さを感じた。
今年、北アルプス最奥にある高天原温泉に到達した。
しかし、あの日の芦ノ湯温泉こそ遥かに遠かった。
あれから３年。久しぶりに箱根を行く。
山は当時と変わるものは無い。
初めて箱根寄木細工を買ってみた。
この小箱に山の思い出をタップリ詰込んでいこうと思う。
完
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感動した！
いつも心にしみる文章をありがとう。
登山家とは、優れた文章家（写真家としての能力をも含めれば、芸術家）としての能力をね備えている存在であることを証明した文章といえるであろう。
著者の今後の活躍を期待いたい。
※ 著作物として、出版の折には、この文章を帯につけられたし。
メッセージありがとうございます!
もったいないお言葉をいただき恐縮です。
また御一緒に山に行きましょう！
今後も御指導よろしくお願い致します。
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