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Yamareco

記録ID: 4779703
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
大台ケ原・大杉谷・高見山

想定外...  池木屋山・江股の頭

2022年10月11日(火) [日帰り]
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
14:48
距離
16.1km
登り
2,249m
下り
2,272m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
11:48
休憩
1:22
合計
13:10
6:04
72
7:26
7:26
35
8:02
8:57
62
9:59
10:08
127
12:15
12:15
119
14:15
14:16
23
14:39
14:48
10
14:57
15:05
5
15:10
15:11
49
16:00
16:00
206
19:27
宿泊地
日帰り
山行
1:29
休憩
0:00
合計
1:29
6:02
89
宿泊地
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2022年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
宮ノ谷登山口駐車場までマイカーでアクセス
コース状況/
危険箇所等
池木屋山への宮ノ谷ルートは全体的に荒れ気味でしたが、特に大雨後間も無い事も手伝って、増水の影響を受けて沢床の迂回路が通行困難でした。

池木屋山から東尾根経由江股の頭までも道跡が不明瞭な所などが有り注意が必要です。

※江股の尾から宮ノ谷の犬飛び岩周辺までのバリルートを通った事は私の認識不足で、推奨出来ません。
特に1083Pを過ぎてから標高下部へ向かうルートは道が見当たらず(私は見失って)、薄い踏み跡部分以外は下部に行くほど断崖、絶壁に行き当たり焦りと周囲の暗さの為に殆ど通行不能状態。
この山行の軌跡のこの部分は完全な失敗例です。
午前6時、宮ノ谷駐車場を出発
2022年10月11日 06:06撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 6:06
午前6時、宮ノ谷駐車場を出発
通行止め、迂回路に従って沢に下りる
2022年10月11日 06:26撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 6:26
通行止め、迂回路に従って沢に下りる
鷲岩、この時期茂みで見えにくい
2022年10月11日 06:27撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 6:27
鷲岩、この時期茂みで見えにくい
蛇滝、水量満点!
2022年10月11日 06:46撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
1
10/11 6:46
蛇滝、水量満点!
崩落通行止め(2ヶ所目)、沢床を通る迂回路は増水の為通行回避する
2022年10月11日 06:49撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 6:49
崩落通行止め(2ヶ所目)、沢床を通る迂回路は増水の為通行回避する
通行止めルートから橋留め鎖と崩落橋を伝って沢床の迂回路へ下りる
2022年10月11日 06:55撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
1
10/11 6:55
通行止めルートから橋留め鎖と崩落橋を伝って沢床の迂回路へ下りる
六曲屏風岩を見ながら小休止
2022年10月11日 07:05撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 7:05
六曲屏風岩を見ながら小休止
切石河原
2022年10月11日 07:11撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 7:11
切石河原
沢筋に設けられた金網橋を行く
2022年10月11日 07:20撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 7:20
沢筋に設けられた金網橋を行く
休憩所
2022年10月11日 07:25撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 7:25
休憩所
分技標識を高滝へ
2022年10月11日 07:26撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 7:26
分技標識を高滝へ
ミカエリソウがあちこちに咲いている
2022年10月11日 07:33撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 7:33
ミカエリソウがあちこちに咲いている
水の滴り落ちる岩壁(真冬期は氷壁になる)の下を雫に濡れながら行く
2022年10月11日 07:43撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 7:43
水の滴り落ちる岩壁(真冬期は氷壁になる)の下を雫に濡れながら行く
高滝全景
2022年10月11日 07:48撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
1
10/11 7:48
高滝全景
両岸に目印の有る渡渉点の一つ、今日はやや水量多い
2022年10月11日 07:49撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
1
10/11 7:49
両岸に目印の有る渡渉点の一つ、今日はやや水量多い
今回はこの大岩の左手脇を更に越えた所から
2022年10月11日 07:51撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 7:51
今回はこの大岩の左手脇を更に越えた所から
大きい岩を伝って渡渉するが、水量が多くスリル満点、注意必要!
2022年10月11日 07:53撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 7:53
大きい岩を伝って渡渉するが、水量が多くスリル満点、注意必要!
高滝は直ぐ上 
2022年10月11日 08:04撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 8:04
高滝は直ぐ上 
左岸の注意標識
2022年10月11日 08:07撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 8:07
左岸の注意標識
高滝、滝壺
2022年10月11日 08:17撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 8:17
高滝、滝壺
同、中央部
2022年10月11日 08:18撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 8:18
同、中央部
同、落口
2022年10月11日 08:18撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 8:18
同、落口
高滝を大きく高巻いた所にお地蔵さん
2022年10月11日 08:40撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 8:40
高滝を大きく高巻いた所にお地蔵さん
猫滝
2022年10月11日 08:43撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 8:43
猫滝
猫滝に流れ込む直前の沢にも立ち寄る
2022年10月11日 08:54撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
1
10/11 8:54
猫滝に流れ込む直前の沢にも立ち寄る
ドッサリ滝、マイナスイオンの飛沫をたっぷり浴びる
2022年10月11日 09:31撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
2
10/11 9:31
ドッサリ滝、マイナスイオンの飛沫をたっぷり浴びる
大物...
2022年10月11日 09:50撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 9:50
大物...
アケボノソウ見つける
2022年10月11日 09:56撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 9:56
アケボノソウ見つける
ここから尾根道急登の始まり
2022年10月11日 10:27撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 10:27
ここから尾根道急登の始まり
まだまだ続く
2022年10月11日 11:04撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 11:04
まだまだ続く
異形樹
2022年10月11日 11:08撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 11:08
異形樹
異形樹
2022年10月11日 11:10撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 11:10
異形樹
池木屋山三角点
2022年10月11日 11:34撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 11:34
池木屋山三角点
香肌イレブン標識も
2022年10月11日 11:35撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 11:35
香肌イレブン標識も
山頂展望、南南西
2022年10月11日 12:06撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 12:06
山頂展望、南南西
同、南南東
2022年10月11日 12:07撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 12:07
同、南南東
同、南
2022年10月11日 12:08撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 12:08
同、南
東尾根へ進む
2022年10月11日 12:17撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 12:17
東尾根へ進む
展望が素晴らしい
2022年10月11日 12:20撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 12:20
展望が素晴らしい
北北東方面
2022年10月11日 12:25撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 12:25
北北東方面
右手に
2022年10月11日 12:30撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 12:30
右手に
シロヤシオが少し色付いて
2022年10月11日 12:40撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 12:40
シロヤシオが少し色付いて
進行左手に
2022年10月11日 12:43撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 12:43
進行左手に
平らなP
2022年10月11日 12:54撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 12:54
平らなP
南、大台方面か
2022年10月11日 13:02撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 13:02
南、大台方面か
南南東
2022年10月11日 13:03撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 13:03
南南東
行手、東南東
2022年10月11日 13:03撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 13:03
行手、東南東
北、紅葉の向こうに絶景
2022年10月11日 13:08撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 13:08
北、紅葉の向こうに絶景
...
2022年10月11日 13:09撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 13:09
...
枯木アート
2022年10月11日 13:10撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 13:10
枯木アート
1332P
2022年10月11日 13:15撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 13:15
1332P
右に折れる
2022年10月11日 13:17撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 13:17
右に折れる
主稜線を左に折れる
2022年10月11日 13:53撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 13:53
主稜線を左に折れる
水越峠辺り(標識も何も見当たらない)
2022年10月11日 14:15撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 14:15
水越峠辺り(標識も何も見当たらない)
...
2022年10月11日 14:26撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 14:26
...
...
2022年10月11日 14:26撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 14:26
...
...
2022年10月11日 14:26撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 14:26
...
ロープを伝って急登を登ると
2022年10月11日 14:42撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 14:42
ロープを伝って急登を登ると
野江股ノ尾にケルン有り
2022年10月11日 14:44撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 14:44
野江股ノ尾にケルン有り
南南東方面
2022年10月11日 14:50撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 14:50
南南東方面
野江股の頭、三角点
2022年10月11日 14:58撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 14:58
野江股の頭、三角点
日も下がり始めて、急ぎUターンして戻る
2022年10月11日 14:59撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 14:59
日も下がり始めて、急ぎUターンして戻る
(犬飛び岩入口目指してバリルートに入る)この辺り高野槙ちらほら
2022年10月11日 15:11撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/11 15:11
(犬飛び岩入口目指してバリルートに入る)この辺り高野槙ちらほら
ヒメシャラの林
2022年10月11日 15:13撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 15:13
ヒメシャラの林
「左、滝見台へ」標識有り
2022年10月11日 15:18撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
1
10/11 15:18
「左、滝見台へ」標識有り
北西方面
2022年10月11日 15:24撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 15:24
北西方面
痩せ尾根にロープ有り
2022年10月11日 15:40撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 15:40
痩せ尾根にロープ有り
トラバースロープが有るが危なそうなのでガレ場を直登する
2022年10月11日 15:41撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 15:41
トラバースロープが有るが危なそうなのでガレ場を直登する
マップに従って尾根を外れ道跡らしき左斜面へ入るが...
2022年10月11日 16:12撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 16:12
マップに従って尾根を外れ道跡らしき左斜面へ入るが...
どこでも行けそうだが道らしきものは分からない
2022年10月11日 16:30撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 16:30
どこでも行けそうだが道らしきものは分からない
マップルートを外れているのか思い通りに行けない所も多い
2022年10月11日 16:57撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/11 16:57
マップルートを外れているのか思い通りに行けない所も多い
辛うじて道跡を見つけたり見失ったり...
(この後は写真を撮る余裕無く歩き続ける)
2022年10月11日 17:24撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
1
10/11 17:24
辛うじて道跡を見つけたり見失ったり...
(この後は写真を撮る余裕無く歩き続ける)
ビバークした岩陰、寝ている間に落ちない様に伐採木を谷斜面に置く
2022年10月12日 05:58撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
1
10/12 5:58
ビバークした岩陰、寝ている間に落ちない様に伐採木を谷斜面に置く
2日目、明るくなって歩き始める(中央大杉の根本の岩陰がビバークした所)
2022年10月12日 06:03撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
1
10/12 6:03
2日目、明るくなって歩き始める(中央大杉の根本の岩陰がビバークした所)
道跡らしきもの見つける、精度は悪いが山アプリもほぼ正常に起動し始めた
2022年10月12日 06:10撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/12 6:10
道跡らしきもの見つける、精度は悪いが山アプリもほぼ正常に起動し始めた
目印テープを確認しつつ...
2022年10月12日 06:13撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/12 6:13
目印テープを確認しつつ...
...
2022年10月12日 06:17撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/12 6:17
...
所々道跡は見え隠れするが、周囲が見通せるので何とか進める
2022年10月12日 06:21撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/12 6:21
所々道跡は見え隠れするが、周囲が見通せるので何とか進める
見えた沢に下りて、サンダルに履き替えて渡渉する。
ダイモンジソウちらほら見つける
2022年10月12日 07:01撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/12 7:01
見えた沢に下りて、サンダルに履き替えて渡渉する。
ダイモンジソウちらほら見つける
渡渉地点を渡渉後対岸から撮影
2022年10月12日 07:04撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/12 7:04
渡渉地点を渡渉後対岸から撮影
渡渉点の沢の上流風景
2022年10月12日 07:04撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
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10/12 7:04
渡渉点の沢の上流風景
同、沢の下流風景
2022年10月12日 07:05撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/12 7:05
同、沢の下流風景
沢谷の斜面を約40m直登して林道に出る
2022年10月12日 07:23撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/12 7:23
沢谷の斜面を約40m直登して林道に出る
宮ノ谷登山口駐車場に帰る
2022年10月12日 07:24撮影 by  iPhone 8 Plus, Apple
10/12 7:24
宮ノ谷登山口駐車場に帰る

感想

宮ノ谷から高滝を巻いて「池木屋山」山頂に到着したのは11:45...。

急ぎ昼食を済ませてから、予定より少し遅れは有るものの、江股ノ頭に向かって12時過ぎに東尾根へとルートを進める。

最初こそやや迷い気味ではあったが東尾根に忠実に進んで行くと、所々左右に見える展望が素晴らしく、来て良かったと思う。

ロープを伝う急登を経て江股ノ尾(分技)に到着したのが14:45。続けて今日の山行の2つ目の目標「江股ノ頭」に向かい15:00に到着する。

この時期陽は早くも傾き始めており、予定通り急ぎ江股ノ尾まで取って返して、宮ノ谷の犬飛び岩へと向かうショートカットのバリルートでの下山を目指す。

滝見台への標識(15:18)を確認し、超痩せ尾根を渡り崩壊斜面の直登(15:44)などが有ったものの尾根を進んでいるうちはまだマップルート通りに進めていたが...

地図上で1083Pを超えてからマップルートに従って尾根を外れて(16:10)斜面へと入ってからは、まもなく踏み跡道を見失って思うように進めなくなって来た。

やむを得ず進めそうな斜面・小尾根・沢筋を探りながら道無き道をマップルートの示す方向へとどうにか進もうとするものの...

この辺り、地図にも示されている通り切れ落ちた断崖や巨岩の絶壁に突き当たりながら何度も行きつ戻りつする。

次第に周囲の暗闇が増して来る中それでも標高450m辺りまでどうにかこうにか下って来てGPSの位置情報と標高から判断して目標の「犬飛び岩」まであと少しの所まで来ているに違いないと思いつつも...

しかし周囲は完全に暗くなり、踏み跡道も勿論判別不能...、右手に絶壁、左手に断崖が立ちはだかりこれ以上の下降しての前進はとうとう不能と判断...。

頭に浮かぶのは明日の朝9時からのシフト勤務、どうしても無断欠勤を避けなければと、真夜中になってもいいからどうしても今夜中に下山したいとの思いから、これ以上下れないなら、戻れる所まで戻(登)って尾根筋に出てこの辺りの断崖絶壁を大廻り回避して下山しようと、(今考えればとても無理な事を考えて)次なる行動に移る。

足元を照らすわずかな灯りを頼りに上へ上へ尾根へ尾根へと目指す内、標高600m付近の急斜面で案の定右足を滑らせて数mか数秒かあっという間に滑り落ち、落下を止めようと必死にもがくも空しく止められず、何かに当たってようやく落下停止...。

幸運にも体を動かす事が出来たものの、事ここに至ってようやくこれ以上の行動は危険と判断して、野営地を探す。(19時頃)

岩蔭に沿う僅かの巾の平坦地を見つけて更に谷側に伐採木をつっかえに渡して落下を防いで寝床を確保...

あれやこれや動いているうちに、右脚スネ付近に何やら滴り落ちる感覚を感じて、よくよく見れば痛みは殆ど感じないものの足を伝って血が垂れて来ている。赤く染まったズボンの上から更にタオルで押さえて急ぎ止血処置する。

血が止まったので、上半身の汗で濡れた服を脱いで着替えてアルミ保温袋まで身に付けられる物は全て身に付けて保温の足しに...。リュックとサンダルをベッドにして、空のペットボトルをタオルで巻いて枕にして寝床を作ってから、動物が来ない様にと匂いのする残りの食材や食べ跡の物をしっかりとビニール袋に封入した。

暗闇の森の中で横になって20時頃からようやく観念して目をつぶれば22時頃になって、一時ほどずつ3回は眠った様だった...。

思いもかけぬビバークの一夜が明けて...

山の斜面に聳える高さ30mほどもあろうかと思われる杉木立の隙間から夜明け前のわずかな太陽の日が闇の中に時折り少しづつ薄明るく緑に映えてやがて段々と幻想的に薄く光り始める。

30分ほどもそんな光景を楽しむ内に杉木立に包まれた闇の山は次第に白んで来て、いよいよ体を起こして残っている移動食の一部を、今日のエネルギーにするべく朝食を食べる。

午前6時過ぎ、もう一度右脚の止血を確かめてタオルの上の細紐を閉め直してから、すっかり明るくなった山の斜面に道跡を探して歩き始める。

膝の上部に巻いた止血タオルと細紐のせいで少し動きづらいものの、幸いにも痛みはそれほどでも無い。

10分ほども歩くと幸運にも踏み跡道らしきものを見つける事が出来て、電源温存の為に切って有ったスマホも、野営した岩蔭では機能しなかったGPS機能がこの辺りから回復して、精度は良く無いもののデジタルマップに自分の位置情報が確認できる様になった。

デジタルマップの位置情報と途切れ途切れでは有るが目の前の薄い道跡を何とか辿って標高にして200mほどを沢底まで下り切り、辿り着いた沢で靴をサンダルに履き替えて、幅5m程の膝くらいの深さの沢を岩を伝って渡渉、更にもう一度40mほどの急斜面を登り切って7時頃登山口近くの林道にようやく辿り着く事が出来て登山口に何とか帰還...。

勤務開始の1時間前に今日の勤務が出来ない旨を通話可能になった電話で勤務先に伝える事が出来て無断欠勤を辛うじて回避...。

その足で病院に直行すると、傷口表面から直径1cmほどの傷穴が5-6cmほど斜め内側に向かって突き通っていて静脈を傷つけていたとの事だったが、幸運にも骨に異常は無いとの事で、傷内を1週間消毒洗浄した後、傷口を改めて滑らかに切除して縫合処置を受ける。

反省・教訓は多いものの幸運も手伝って、その後の経過は至って良好で2週間後に抜糸、膝の曲げ伸ばしなどリハビリ筋トレも継続中...。

そうだ、今使っている登山靴は破れかけてきてそろそろ限界、これを機会に買い替える事にしようかな...。

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