羊蹄山二往復(真狩〜喜茂別)
- GPS
- --:--
- 距離
- 22.6km
- 登り
- 3,091m
- 下り
- 3,074m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 前泊でまっかり温泉に入り、下山後は京極温泉に入浴。 |
写真
感想
前日はルスツのトレランで16kmに出場し「せっかくここまで来たんだから」という軽いのりで「羊蹄山を1日に2回登る」という荒行を思いついた。(実際には4往復している兵も沢山いますが…)
トレランの後はそのまま真狩の温泉に浸かり、道の駅で車中泊した。深夜はかなり寒く、最初は寝袋に長袖とハーフパンツで寝ていたが、我慢できなくなり長ズボンと靴下を履いて眠り直した。気温は5℃前後だったらしく、あまりの寒さに何度も目が覚めてしまい結局熟睡は出来なかった。
前日はレースもあったのでアルコールは飲まないで寝たのだが、何故か目覚めは二日酔い状態。完全に寝不足と前日の疲労が残ったままだったため、何となく二度寝してしまった。本当は2時半に起きて3時半スタートでご来光を拝むつもりだったが、3時起床で朝食にはソーセージとおにぎり・アンパンを胃袋に詰め込んだ。
この日の服装は、上がランニング用の長袖シャツとウィンドブレーカーで、下はこれもランニング用のミドルタイツの上にハーフパンツ。足元はふくらはぎ用のゲイターにハイキング用のソックスで、シューズはアシックスのトレイルアタック7。あとはランニング用の帽子はしっかり被って、ヘッドライトを付けて登りました。それに手袋は昨年同様、指先の開いた自転車用の手袋を着用。
荷物は13リットルのトレイル用ザックに、ハイドレーションの水筒に水を2リットルで、あとは救急用品と替えの電池くらい。食べ物は菓子パン2個とウィダーのゼリーを2個、それに小さなようかんとソーセージを3本に飴くらいでしょうか。
結局、真狩登山口に着いたのは4時37分。まだ真っ暗なのでヘッドライトを照らしながら1年ぶりの真狩ルートを着々と登り始めた。
さすがに深夜に単独登山をするのはかなりの勇気がいる。とにかくヘッドライトの明かりだけが頼りなので、足元と少し先を交互に照らしながら、時々ずっと先の方も照らしておく。万が一熊でもいたらジ・エンドなので、無駄に色んなところを照らしながら歩いた。
30分くらい登るとやけに足に筋肉痛が出てきた。なんと前日のトレランの疲労がこんなところであらわになってきた。しかも何だか足に力が入らない。これは完全に幸先が悪すぎる。二往復どころか、果たして頂上までたどり着けるのかどうか、というほどの疲労が襲う。そんな泣き言をいってもそこには私一人しかいないし、辺りは真っ暗なのだ。ウォークマンでも聴こうかと思ったが、暗闇では生音を感じていないと何が起こるか解らないので、明るくなるまではそのまま登ることにした。
1時間ほど登ると、東の方が明るくなってきた。もうすでに洞爺湖も確認できるほどだ。楽しみにしていたご来光も南側にいては何も見えないままだ。いくら寒いとはいえ、二度寝したことを改めて後悔した。
もうここまできたらヘッドライトは消して、グイグイ登ってやるぞ!という気持ちが出てきた。相変わらず足に力が入らないが、汗だくになりながらも上へ上へ登るだけだ。9合目を過ぎるとご来光を拝んだであろう人たちが10人ほど戻ってきた。山頂が近づくと気温はどんどん下がっているので、もう一枚上着が必要だったと思った。手の指が出るタイプではなく、ちゃんとした手袋が必要だった。
結局ダラダラと上ってきたので真狩分岐まで2時間45分もかかったが、やっと朝食が小腸から栄養になりつつあり元気が出てきそうな予感はした。霧で視界が悪かったが、まずは時計回りでヒラフ側から父釜を回って山頂を目指した。なんとその傍からいきなり霜柱を発見。やはり頂上では0℃前後まで冷えていたようで、改めて標高1800mの気温差を感じた。
前半はゆっくり進むことを心がけていたので、真狩分岐から山頂までは42分かけて歩いた。頂上に着く頃にはかなり晴れていた。途中では倶知安の街も京極の街も見え、雲の切れ間からは洞爺湖も真狩村もよく見えた。もちろん日本海も見える。
軽く水を飲んで、ようかんを食べながらこのまま下山するか、違うルートに行くか少し悩んでいたが、心の中では決まっていた。ここで帰ってしまえば絶対に後悔すると思い、先に下山したカップルが喜茂別ルートに降りたので、私も喜茂別に下山する事にした。山頂の休憩はかなり長めの36分とっていた。
喜茂別ルートは日当たりがいいので、少しだけ華やかなお花畑が見える。しかし、傾斜はかなり急に感じられた。寒さは気にならなくなってきたが、急な下りが戻る時の登りの苦労を予感させていた。
下り始めは岩場も多く、傾斜が急だったので恐る恐る降りていったが、しばらくするとしっかり走れるシングルトラックになっていった。あまり人気のないコースとはいえ、時間的に登りの登山者が少しずつ増えてきて、下りを猛然と走っている私を焦って避ける人もいて申し訳なかった。
そんな下りのトレイルランニングも1時間13分で喜茂別の登山口に着いた。喜茂別ルートの登山口は車が4〜5台置けるような所で、そばに記帳台があるだけのシンプルな場所だ。
私はちょっぴり寂しいその場所でUターンして、登山者名簿にしっかり名前を書いた。朝、真狩コースをスタートする時は比羅夫コースに下りるつもりで、下山ルートを「比羅夫」にしたが嘘をつきました。ゴメンナサイ。
そして再び喜茂別コースから二度目の羊蹄山登山は10時に始まった。
喜茂別コースのスタートからしばらくは車が通れるような林道をひたすら歩く。とにかくまっすぐ歩くだけなのでとても退屈だ。こんな時ウォークマンを持って来て良かったと思った。
しかも途中で何度も整備用の林道と交差するので思わず道を間違えそうになるが、とにかくまっすぐ進むだけ。少し進むと矢印の方向が微妙な看板が現れるが、基本的に真っ直ぐ進めば登山道らしき道にたどり着く。
ここからしばらくはこの日最大の苦行の道のりだった。登山道はあまりにシンプルでとにかく真っ直ぐ登るのだ。1800m超の山を真っ直ぐ登るということはどういうことか、傾斜が急であることは簡単に想像がつくだろう。
何百mも真っ直ぐな登りが続くとさすがに萎える。それからは一瞬立ち止まり、ため息をつく事が増えた。普段の私には無い行動だ。二回目の登頂ルートを喜茂別に選んだことを完全に後悔していた。
1回目の登頂の時は晴れていたが、辺りは完全に雲に覆われて小雨が降り落ちてきた。下山してくる人は皆、私が下山してきた時にすれ違った人だ。一度下山した私が再び登ってくるのを見て、まるで熊を見付けたかのようにビックリしていた。当たり前だが。
頂上近くになりお花畑が見えてくる頃には、雲というか霧がすごくて視界は10mくらいになっていた。私はとにかく最後の力を振り絞って二回目の登頂を果たした。時刻は12時57分で、なんと喜茂別の登りには2時間56分も掛かってしまった。
山頂はものすごい強風で、不用意に立っていると倒れそうなくらいだった。私は父釜の側に周り、風に当たらないような場所を見付けてササッと食料をつまんだ。19分の休憩をとり、今度こそ最後の下りに入った。
真狩コースに戻るには、時計回りで帰るのが距離的には近いが、そこには険しい岩場が待っている。一歩間違えたら100m以上は転げ落ちそうな父釜(火山口)が見えるので、高所恐怖症の人は岩場は通らないのが賢明だ。
私は迷わずその岩場をよじ登り慎重に下り何とか難所をクリアしたが、途中で泣きそうな山ガールたちを何人も見た。可愛そうだがこればかりは助けることは出来ない。自分の力で乗り切ってもらうしかない。
そんな岩場を通過してからは砂場や草木のある場所を経由して、再び真狩分岐に戻ってきた。この間約29分。ここからはひたすら真狩コースを走って下るだけだ。もう終わりは近い。
やはり真狩の下りは楽しい。それなりに難しい段差や太い木の枝が多く、まるでジャングルジムを縦横無尽に走り回っている感覚だった。
真狩コースの登山口から2合目辺りまでは、登山道自体が結構広い場所が多いのでちょっと気が緩むというか、ラスト近くなので集中力が切れ掛かっていたのかもしれない。
私は下りで走っている途中に思わず足をくじいた。下りでスピードが乗り、体重もそれなりに乗っているので結構な衝撃だった。その場で少し足首の状態を確認して少しの間少し歩いた。さすがにマズイと思った。
しかし、ゆっくりであればさほど痛みは出ないようだったので再び走ってみた。何とかいけそうだったので、とりあえず最後まで走った。
真狩の下りは1時間18分掛かって登山口に着いた。時刻は15時4分。
10時間27分かけて、何とか羊蹄山を二往復した。最後は疲れたというよりホッとした感じだった。何とも言えない満足感と充実感。
昨年初めて登った羊蹄山だが、今年は二往復して来年はまさかの三往復か?
そんな先のことは置いておき、そのまま今度は京極の温泉に行ってゆったりその体を癒して帰った。
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