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羊蹄山(ようていざん) / 後方羊蹄山、蝦夷富士

「蝦夷富士」とも謳われる端麗な道央の山

"羊蹄山"
"羊蹄山"

羊蹄山は北海道の道央エリアに位置しており、標高は1898mです。
日本百名山に挙げられますが、選定者の深田久弥(ふかだきゅうや:1903-1971年)は「羊蹄山」の山名に反対し、旧名の「後方羊蹄山(しりべしやま)」として紹介しました。「後方羊蹄」は、日本書紀に記載がある歴史深い地名です。
また「蝦夷富士」の呼び名も浸透しています。羊蹄山は独立峰で重なり合う山が無く、どこから見ても整った円錐形をしているためです。

"尻別岳(左)と羊蹄山(右)"
"尻別岳(左)と羊蹄山(右)"

更にアイヌ語での山名は「マッカリヌプリ」や「マチネシリ」です。
マチネシリは「女山」を意味します。隣接する尻別岳と対を成す存在とされ、こちらは「男山」を指す「ピンネシリ」と呼ばれています。

ダイナミックな火口を持つ火山

"父釜"
"父釜"

羊蹄山は成層火山です。活火山ですが、有史以降は活動が確認されていません。
山頂部は直径700m、深さ200mにおよぶ大きな火口があり父釜と名付けられています。父釜は喜茂別町、京極町、倶知安町、真狩村およびニセコ町にまたがり、火口の底の一点から、5町村の境界が放射状に引かれています。

"母釜(左)と子釜(右)"
"母釜(左)と子釜(右)"

父釜の北側には母釜子釜なる小規模の火口もあります。

"羊蹄山山頂部"
"羊蹄山山頂部"

父釜や母釜と子釜の外輪山には登山道が敷かれており、ぐるりと巡ることができます。

"羊蹄山山頂部より洞爺湖や有珠山を望む"
"羊蹄山山頂部より洞爺湖や有珠山を望む"

お鉢からの展望は素晴らしく、尻別岳やニセコの山々、洞爺湖有珠山余市岳樽前山などを見ることができます。
日本海や太平洋も確認できます。

"羊蹄山山頂"
"羊蹄山山頂"

最高地点は父釜の外輪山の東にあります。

天然記念物指定の植物群落

"倶知安コース四合目付近:樹林帯"
"倶知安コース四合目付近:樹林帯"

羊蹄山は円錐形の山のため、植生の垂直分布が顕著です。
中腹はエゾマツやトドマツ、ダケカンバなどで覆われていますが、標高を上げると高木はなくなり、ハイマツや高山植物が自生します。

"羊蹄山山頂部:メアカンキンバイ(左下)とエゾノツガザクラ(中央)"
"羊蹄山山頂部:メアカンキンバイ(左下)とエゾノツガザクラ(中央)"

高山植物は種類の豊富さが特徴で、国の天然記念物「後方羊蹄山の高山植物帯」に指定されています。お鉢巡りをすれば、ごろごろとした岩と可憐な草花の景勝を存分に味わえます。

ひたすら登る4つのコース

"羊蹄山登山コース"
"羊蹄山登山コース"

羊蹄山は4本の登山道が、山頂へ収斂するように付けられています。それぞれに名前があり「真狩(まっかり)コース」「倶知安(くっちゃん、または比羅夫)コース」「京極コース」「喜茂別コース」です。よく利用されているのは比較的交通の便が良い「真狩コース」と「倶知安(比羅夫)コース」のようです。

"真狩コース:七合目"
"真狩コース:七合目"

各コースには麓から「一合目」「二合目」・・・といった行程の目安が設置されており、山頂部を「十合目」としています。
どれも山の形然り、標高差は大きく、登りばかりが続きます。長時間登高できる体力をもって臨みたい山です。

"羊蹄山避難小屋"
"羊蹄山避難小屋"

山小屋は羊蹄山避難小屋が1軒建つのみです。夏季は管理人が常駐しますが、小さい建物で緊急用の位置付けが強く、計画的な宿泊は事前の許可が必要です。

"ふきだし公園:ふきだし湧水"
"ふきだし公園:ふきだし湧水"

また山中は水場が無く、十分な食糧と水を持参する必要があります。
一方で山麓は湧水スポットがいくつもあります。真狩登山口では「羊蹄山の湧水」を、京極登山口の近くのふきだし公園では、「ふきだし湧水」のキンキンに冷えた水を汲むことができます。
登山口 真狩登山口
比羅夫登山口(半月湖野営場)
京極登山口
喜茂別登山口
周辺の山小屋 羊蹄山避難小屋
基本情報
標高 1898m
場所 北緯42度49分35秒, 東経140度48分40秒
カシミール3D
別名は「後方羊蹄山」(しりべしやま)、「蝦夷富士」(えぞふじ)など。かつて「マッカリヌプリ」と呼ばれていた。

■火山防災情報
・気象庁 https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/117.html
山頂
展望ポイント

山の解説 - [出典:Wikipedia]

羊蹄山(ようていざん)は、北海道後志地方南部(胆振国北西部)にある、標高1,898mの成層火山である。後方羊蹄山(しりべしやま)として、深田久弥による日本百名山に掲載されている。
羊蹄山は円錐形の成層火山で、2003年(平成15年)に気象庁により活火山に指定された。山頂には直径700m、深さ200mの火口(父釜)があり、西北西斜面にも側火口(母釜、子釜)を持つ。支笏洞爺国立公園に属し、山頂は喜茂別町にある。火口底中央の一点が喜茂別町・京極町・倶知安町・真狩村・ニセコ町の境をなしている。一等三角点(点名「真狩岳」)が1,892.7m、母釜外輪の三等三角点(点名「雲泉」、通称「北山」)が1,843.7mである。
石狩低地帯から西南側では最も高い山であり、北海道全体でも大雪山系と日高山脈の山々を除けば羊蹄山より高い山はない、日本国内に24座あるウルトラ・プロミネント峰のひとつである。
山腹にはキタキツネ、エゾクロテン、エゾリス、エゾシマリス、エゾモモンガ、エゾユキウサギなどの哺乳類が生息しており、130種類以上の野鳥がいることも確認されている。
山頂付近には、高山植物であるコマクサも見られるが、本来の植生ではないため除去も行われている。

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