横浜・港めぐり 〜開港・生糸貿易・大震災〜

2023年02月18日(土) [日帰り]

• GPS: 05:58
• 距離: 12.9km
• 登り: 21m
• 下り: 24m

コースタイム

日帰り

• 山行: 5:44
• 休憩: 0:15
• 合計: 5:59

距離 12.9km 登り 41m 下り 35m

10:11 JR関内駅
10:46 日本大通り駅
11:10 0:00 旧生糸検査所（横浜第２合同庁舎）
11:32 11:38 横浜開港資料館
11:38 11:40 ICI石井スポーツ横浜店
13:25 0:00 西ノ橋
14:28 0:00 エリスマン邸
14:50 14:57 港の見える丘公園
16:10 山下公園インド水塔

天候

快晴

アクセス

利用交通機関：

電車

コース状況／危険箇所等

関内駅で手に入れた「よこはま中区の歴史を碑(ひ)もとく絵地図」も参考にして歩きました。

写真

2/18 10:14

本日は、JR関内駅からスタート。

2/18 10:19

吉田橋関門跡。明治4年まで治安維持のため設けられた。ここを渡ると開港場の関内。

2/18 10:25

日本で最初のガス灯（明治5年。復元）。今日は、山の神がご同行。

2/18 10:37

横浜公園の説明板。日本初の西洋式公園。R.H.ブラントンの設計によるもので、明治9（1876）年に
開園。日本人も利用できたことから彼我公園と呼ばれた。

2/18 10:38

公園に立つR.H.ブラントンの胸像。英国の土木技師で明治元年来日、近代的街づくりに貢献。

2/18 10:39

慶応2（1866）年の大火で関内地区の大部分が消失したため、防火帯を兼ねた街路として R.H. ブラントンにより設計され、明治12（1879）年までに完成した。

2/18 10:41

日本式庭園の一角に岩亀楼の石灯籠。慶応2（1866）年の大火以前、この辺りに「国際社交場」（港崎町遊郭）があった。

2/18 10:47

神奈川県庁の隅に「神奈川運上所跡」の碑。運上所は、神奈川奉行の下、税関や外交の業務を担った。

2/18 10:48

横浜市開港記念会館（ジャックの塔）は修理中。横浜港開港50周年を記念して計画された。大震災で全焼したが、後に再建。

2/18 10:53

中居屋重兵衛は、生糸貿易の黎明期に活躍した生糸売込商人。その屋敷は、繁栄を極め「あかがね御殿」と呼ばれてた。

2/18 11:01

弁天通りには、多くの生糸売込商人が店を構えたと言われる。戦後の防火帯建築の弁三ビル(原ビル)は、神奈川県住宅公社が手がけた最初の共同ビル。

2/18 11:06

横浜正金銀行本店本館（明治37年(1904)、現県立歴史博物館）。外国商人との取引を正金(現金)により円滑に行う貿易金融機関として設立された。

2/18 11:07

「旧横浜生糸検査所(横浜第2合同庁舎)」。大正15年(1926)に建てられた外観が復元保存されている。

2/18 11:11

正面玄関上部に掲げられている桑の葉をあしらった「蚕蛾」の紋章が見事。

2/18 11:14

旧横浜生糸検査所附属生糸絹物専用倉庫（昭和2年）。

2/18 11:23

日本郵船歴史博物館。横浜郵船ビル（昭和11（1936））は全面保存されるが、再開発のため4月1日から長期休館。

2/18 11:30

横浜税関本関庁舎（昭和9年（1934））。クイーンの塔。キングは、県庁舎。

2/18 11:32

横浜開港資料館。昭和56年（1891）に開館。1854(安政元)年に日本の開国を約した日米和親条約が締結された場所にある。

2/18 11:33

ペリー提督が七艘の黒船を従え、横浜に上陸した様子を
随行してきた画家ハイネが描いた。

2/18 11:33

中庭にある玉楠。このタブノキは、「横浜上陸図」にも描かれており、幾多の災害にもめげず、命をつないできた。

2/18 11:38

旧館は、旧英国総領事館（昭和6年(1931)）の建物。

2/18 11:38

「開港広場」の大砲。オランダ東インド会社の船の備砲で、旧居留地90番地の地中から見つかった3門の一つ。

2/18 11:45

1858年（安政5年）の日米修好通商条約締結により開港した横浜。最初に波止場（イギリス波止場）が整備された場所の現況。

2/18 11:48

象の鼻パーク。開港150年を記念して整備。象の鼻の堰堤は、明治中期の頃を復元。

2/18 11:50

明治4年、ここから岩倉遣欧使節一行も出発した。

2/18 11:56

英一番館（山下町居留地一番館）跡。1859年（安政6年）ジャーディン・マセソン商会が初めて日本に開設した支社。

2/18 11:43

錦絵に描かれた英一番館。

2/18 12:06

現在は、シルクセンター（（国際貿易観光会館））となっている。

2/18 12:25

隣の産業貿易センターでインドカレーのランチ。

2/18 12:55

「旧横浜居留地48番館」。ダイナマイトなどを取り扱うモリソン商会の店舗として明治16年(1883)に建設された建物の遺構。

2/18 12:55

フランス積みのレンガ壁。

2/18 12:56

創建時のものとされるキーストーン。

2/18 13:05

旧居留地91番地塀。

2/18 13:08

旧居留地90番地の大砲が一門。

2/18 13:11

大震災当時英国貿易商社ドットウェル商会がこの建物の奥にあった。これから、そこの日本総支配人だったO. M. プールの当日の退避ルートをたどることに。

2/18 13:11

彼は、山手68番地の自宅に戻るべく、倒壊した建物で通れない中華街を迂回するように現在の長安道を西之橋を目指した。

2/18 13:16

当時この辺りは低湿地で、プールは地震で液状化した道を腰までつかりながら進んだ。

2/18 13:20

中区土木事務所の脇に、明治14年以降に埋設された卵型の下水道管があった。今も中華街南門通では現役とか。

2/18 13:25

西之橋を渡ると元町。元町は、開港時に横浜村から移転させられた住民でできた町。外国人居留地の商店街として発展していった。

2/18 13:29

厳島神社。。横浜村洲干島から明治2年（1869）に移転。震災の当日は、元町の商店街はほぼ崩壊し、火の手も上がり、何とか歩ける状態だった。

2/18 13:36

浅間山への百段。大地震で大きく崩壊して今はない。

2/18 13:33

霧笛楼。この辺りで、山の神は元町メーンストリートへお買い物タイム。

2/18 14:17

代官坂に名主石川徳右衛門の家の跡。ペリー提督も訪ねた。

2/18 14:18

代官坂は、箕輪坂といい、本牧に抜ける道だった。プールは、比較的安全なこの坂を上り自宅へと急いだ。

2/18 14:26

山手本通りに出ると、イギリス人貿易商B.R.ベリック氏の邸宅（1930年建築）のベーリック・ホールがある。

2/18 14:28

絹糸貿易商エリスマン氏の邸宅（1926年、移築復元）。
プールの自宅は、完全には崩れ落ちていなかったが、次第に火の手が迫ってきていた。この付近の義父の家で妻子と再会。

2/18 14:38

洋館234番館。震災後の昭和2年（1927）頃に外国人向けの共同住宅として、現在の敷地に建てられた。

2/18 14:42

山手資料館。明治42年(1909)に旧本牧上台57番地に建てた邸宅の一部が移転されたもの。

2/18 14:43

居留地界が残っている。

2/18 14:44

外国人墓地。プール一家は、義父のヨットが停泊しているフランス波止場を目指して避難。この頃には、元町は火に包まれていた。

2/18 14:47

明治18年に建てられたパブリックホールの跡地にある岩崎ミュージアム。

2/18 14:51

イングリッシュガーデン。

2/18 14:54

湊の見える丘公園からのベイブリッジ。

2/18 15:01

近代文学館から新山下に下りる道。地割れと火の手で逃げ場を失った一家は、この辺りから崖を滑り落ちるように降りたようだ。

2/18 15:05

新山下弁財天跡。崖を降りた一家は、数年前にできた埋め立て地を通って何とかフランス波止場にたどり着いた。地震発生から3時間ほどの話であるという。

2/18 15:21

山下公園にやってきた。公園は、大震災の瓦礫を埋め立てた上に造られた日本初の臨海公園（昭和5年（1930）開園）。

2/18 15:30

氷川丸。日本郵船が1930 年にシアトル航路用に建造した貨客船で、太平洋を254回横断した。

2/18 15:59

このホテルの前あたりに、フランス波止場（元治元年（1864）供用）があった。

2/18 16:10

「インド水塔」は、昭和14年12月に完工したインド式水飲場。大震災で被災した在留インド人が横浜市から受けた援助に感謝して、当時の横浜インド商組合が寄贈したもの。ちょうど修理中だった。

撮影機器：

TG-6 OLYMPUS CORPORATION

感想

fengsan

　最近、横浜の瀬谷・泉地区の養蚕・製糸の跡をたどり、先週は相模原の養蚕の面影を訪ねたので、仕上げに横浜開港後の生糸貿易の本拠地となった関内・山手地区を巡り、その足跡を訪ねようと準備調査を始めると、改めて横浜の関東大震災の被害の大きさに気づかされた。
　その調査過程で、英国貿易商社ドットウェル商会の日本総支配人だったO. M. プール（当時43歳）という人物が、震災当日の1923年9月1日と翌日の行動の記録を1966年に『The Death of Old Yokohama in the Great Earthquake of 1923』として発行したことを知った。（日本語訳は、1976年に『古き横浜の壊滅』（金井圓訳、有隣堂）として発行)
　私もこの機会に大震災を追体験してみようと、横浜開港巡りのプランに避難コースを組み入れてみた。
　お陰で、横浜の発展の歴史における大震災の影響を、他の事跡とも結び合わせてリアルに体験できるよい機会となった。

（参考1）
「実は被害甚大だった横浜の関東大震災を知っておきたい」
https://allabout.co.jp/gm/gc/457984/

（参考2）
シリーズコラム　歴史的大規模土砂災害地点を歩く　
　「コラム37　関東大震災（1923）による横浜の土砂災害　9月1日のプールの逃避行ルートを歩く―」
https://isabou.net/knowhow/colum-rekishi/colum37.asp