ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 597695
全員に公開
講習/トレーニング
磐梯・吾妻・安達太良

【冬山セルフレスキュー講習】安達太良山

2015年03月01日(日) [日帰り]
 - 拍手

コースタイム

2015/3/1(日)
8:15開講式−8:30奥岳登山口発−9:45勢至平東端(講習)−16:30閉講式
天候 2015/3/1(日) 雪→霙
過去天気図(気象庁) 2015年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
8:00〜8:15に奥岳登山口付近で受付、8:15より開講式。
2015年03月01日 08:06撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 8:06
8:00〜8:15に奥岳登山口付近で受付、8:15より開講式。
例年同様、勢至平に乗ったところが講習会場。最初は全員でテキストを見ながら、雪崩事故、雪崩のメカニズム、雪崩地形、安全な行動(滑走時、救助時)などの説明を受ける。
2015年03月01日 10:03撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 10:03
例年同様、勢至平に乗ったところが講習会場。最初は全員でテキストを見ながら、雪崩事故、雪崩のメカニズム、雪崩地形、安全な行動(滑走時、救助時)などの説明を受ける。
断面をつくり指を垂直に立てて凹み具合をみる。

★★上から降ってくる積雪よりも、他から運ばれてきた積雪のほうが弱層ができやすい。テストを行った斜面は、上部が平らで、安達太良特有の強風で平らなところから雪が運ばれて積もっている場所のため、より弱層ができやすい、とのこと。
断面の上で2名で飛び跳ねてみたが、飛び跳ねる位置が2mも違うと弱層破断具合も異なる(積雪下の樹木の生え方の違い、他)。
弱層テストをしても、慣れた専門家でも判断は困難なことが多く、地形や気候を考慮のうえ、通過方法に気を付ける等、多重な備えが必要である。
2015年03月01日 10:32撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 10:32
断面をつくり指を垂直に立てて凹み具合をみる。

★★上から降ってくる積雪よりも、他から運ばれてきた積雪のほうが弱層ができやすい。テストを行った斜面は、上部が平らで、安達太良特有の強風で平らなところから雪が運ばれて積もっている場所のため、より弱層ができやすい、とのこと。
断面の上で2名で飛び跳ねてみたが、飛び跳ねる位置が2mも違うと弱層破断具合も異なる(積雪下の樹木の生え方の違い、他)。
弱層テストをしても、慣れた専門家でも判断は困難なことが多く、地形や気候を考慮のうえ、通過方法に気を付ける等、多重な備えが必要である。
簡単にテストするとき。
2015年03月01日 10:37撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 10:37
簡単にテストするとき。
小枝を使ったアンカー作成。
3mくらいのロープ(結びは解く)を準備。まずロープ中央で枝束中心部にガースヒッチ、ロープを左右に振り分けハーフヒッチをつくっていく。
2015年03月01日 11:14撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 11:14
小枝を使ったアンカー作成。
3mくらいのロープ(結びは解く)を準備。まずロープ中央で枝束中心部にガースヒッチ、ロープを左右に振り分けハーフヒッチをつくっていく。
二等辺三角形の頂角が60度より小さくなるような位置で結び(ラビットノットにすると後で解きやすい)をつくりカラビナをかける。
2015年03月01日 11:16撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 11:16
二等辺三角形の頂角が60度より小さくなるような位置で結び(ラビットノットにすると後で解きやすい)をつくりカラビナをかける。
しっかり踏み固めたプラトーをつくり、★深さは程々に深く、しかし30cmよりも浅い位置★に埋める。ロープに沿って溝を掘る。
★★雪面を人間が踏み固めたとき、30cmよりも深い位置には荷重が届かないため、30cmよりも深い位置に埋めるとかえってアンカーが安定しない。
2015年03月01日 11:19撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 11:19
しっかり踏み固めたプラトーをつくり、★深さは程々に深く、しかし30cmよりも浅い位置★に埋める。ロープに沿って溝を掘る。
★★雪面を人間が踏み固めたとき、30cmよりも深い位置には荷重が届かないため、30cmよりも深い位置に埋めるとかえってアンカーが安定しない。
正しく作成すれば、小枝を束ねただけでも大人2名の荷重に耐える。
2015年03月01日 11:27撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 11:27
正しく作成すれば、小枝を束ねただけでも大人2名の荷重に耐える。
小枝に直接支点を取る場合。
中央にガースヒッチ→根元側にハーフヒッチ(2本そろえて)→ハーフヒッチの根元側で割りを入れる→最初のガースヒッチよりも枝先側でハーフヒッチ2か所→支点完成。
2015年03月01日 11:57撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 11:57
小枝に直接支点を取る場合。
中央にガースヒッチ→根元側にハーフヒッチ(2本そろえて)→ハーフヒッチの根元側で割りを入れる→最初のガースヒッチよりも枝先側でハーフヒッチ2か所→支点完成。
自分でつくってみた。
★★笹で支点を取る場合は、1m四方の笹原で1か所、が目安(∵これ以上密に取ると、地下茎で繋がっている笹が耐えられない)
2015年03月01日 12:00撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 12:00
自分でつくってみた。
★★笹で支点を取る場合は、1m四方の笹原で1か所、が目安(∵これ以上密に取ると、地下茎で繋がっている笹が耐えられない)
土嚢でアンカーを作成する場合。
人頭1人分の雪を土嚢に入れる→余り・隙間のないようねじりあげる→ガースヒッチ→ねじりあげ部を引き返すように折り曲げる→最初のガースヒッチより根元側にハーフヒッチ→逆側にハーフヒッチ→ロープの端を折り曲げの中を通す→完成
★★入れる雪の量は頭1人分より多くしない(∵土嚢の表面積が増え、荷重に耐えられなくなる)
2015年03月01日 12:07撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 12:07
土嚢でアンカーを作成する場合。
人頭1人分の雪を土嚢に入れる→余り・隙間のないようねじりあげる→ガースヒッチ→ねじりあげ部を引き返すように折り曲げる→最初のガースヒッチより根元側にハーフヒッチ→逆側にハーフヒッチ→ロープの端を折り曲げの中を通す→完成
★★入れる雪の量は頭1人分より多くしない(∵土嚢の表面積が増え、荷重に耐えられなくなる)
ヒトココの紹介&実演
(詳細は感想↓へ)
2015年03月01日 12:30撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 12:30
ヒトココの紹介&実演
(詳細は感想↓へ)
プローブで人体を突く感触を確認
2015年03月01日 13:23撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 13:23
プローブで人体を突く感触を確認
一応、負傷者です。呼吸経路(顔)以外は雪で覆ったままにする(∵外気にさらすよりも雪で覆われたほうが暖かい)
2015年03月01日 13:35撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 13:35
一応、負傷者です。呼吸経路(顔)以外は雪で覆ったままにする(∵外気にさらすよりも雪で覆われたほうが暖かい)
ツェルトを被せ、手を入れて身体まわりの雪を掻き出す。このあいだに収容する救護所をつくっておく(テント・雪洞など)
2015年03月01日 13:37撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 13:37
ツェルトを被せ、手を入れて身体まわりの雪を掻き出す。このあいだに収容する救護所をつくっておく(テント・雪洞など)
人の腕の鎖で持ち上げて
2015年03月01日 13:38撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 13:38
人の腕の鎖で持ち上げて
救護所へ運ぶ
このあたりは号令をかける人が必要。
2015年03月01日 13:38撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 13:38
救護所へ運ぶ
このあたりは号令をかける人が必要。
シート担架
2015年03月01日 13:41撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 13:41
シート担架
頭のまわりはシートで覆ったほうがよい
2015年03月01日 13:42撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 13:42
頭のまわりはシートで覆ったほうがよい
搬送時に通路脇の木の幹で摩擦ブレーキをかけスピードコントロールする
2015年03月01日 14:20撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 14:20
搬送時に通路脇の木の幹で摩擦ブレーキをかけスピードコントロールする
1/3引き上げシステム
2015年03月01日 14:53撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 14:53
1/3引き上げシステム
荷重の移動を行うためにムンターミュール
2015年03月01日 15:05撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 15:05
荷重の移動を行うためにムンターミュール
(このへんは難しすぎて覚えられず)
2015年03月01日 15:06撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 15:06
(このへんは難しすぎて覚えられず)
全員で搬送しながら下山します。初級班が担架作成と搬送を担当。
2015年03月01日 15:26撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 15:26
全員で搬送しながら下山します。初級班が担架作成と搬送を担当。
ポイント(負傷者が少しでも楽なように)
・ひざ下にクッション ・足(つま先)、手を縛る ・ハーネスを装着している場合はスリングを繋いでおく(すっぽ抜け防止)
2015年03月01日 15:32撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 15:32
ポイント(負傷者が少しでも楽なように)
・ひざ下にクッション ・足(つま先)、手を縛る ・ハーネスを装着している場合はスリングを繋いでおく(すっぽ抜け防止)
メインロープで担架作成
2015年03月01日 15:37撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 15:37
メインロープで担架作成
搬送開始
2015年03月01日 15:44撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 15:44
搬送開始
前後に2名ずつ+号令1名で搬送
2015年03月01日 15:48撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 15:48
前後に2名ずつ+号令1名で搬送
馬車道まで下ろしました
2015年03月01日 15:56撮影 by  TG-850 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/1 15:56
馬車道まで下ろしました

感想

冬山レスキュー講習会@安達太良山
主催:茨城県山岳連盟・日本山岳協会山岳共済会
主管:茨城県山岳連盟 遭難対策委員会
講習内容:雪崩のメカニズム、雪質観察、弱層テスト、小枝・土嚢支点、埋没者救助(V字コンベアベルト)、ツェルト搬送、「ヒトココ」紹介と実演
参加者:初級班10名、中級班10名、講師2名

4回目の受講。今年ははじめて中級班にて受講。
特別な道具を使うことなく、「セルフ」で「レスキュー」するには、まだまだ多くの現場経験が必要であると感じた。
最新の技術に触れる機会を与えてくださる、主催者と講師の方々に、心から感謝いたします。どうもありがとうございました。


「ヒトココ」について:
【ざっくり仕様など】
・オーセンティックジャパン製 http://www.authjapan.com/
・価格:親機1台+子機2台で3万円弱
・重量:親機70g 子機20g (親機はスマホ大、子機は60x40mm)
・電池寿命:親機6か月 子機3か月 (充電式)
・電波飛距離:100m〜5km(目安上空から5km、地上では100m)
・子機登録:親機1台につき子機10台
・事前に子機IDを親機に登録しておく(けっこう面倒なので現地では難しそう)
 事前登録がない子機はIDがわからないと探索不可。
 一度に探索できるのは1台のみ。
・探索開始し見つけると、距離と方角が表示される。
 近づくほどピーピー音の間隔が短くなるらしい。
・ビーコンとは周波数が異なるため混信はしないらしい。
【実際に使ってみた】
・軽い。紐をつけておかないと紛失しそう(子機には紐を通す穴がない)
・(ビーコンに慣れた立場で)距離や方角の精度が非常に悪い。
 ⇒親機の持ち方で感度が大きく変わるらしい。
  上半分にアンテナがあるため、下半分を持つようにする必要あり。
【今後の展開は?】
・ビーコンは高価、の理由でビーコンを持たずに山に入る人たちに対して普及を目指す、の向きがあるそう。
・近距離短時間セルフレスキュー=ビーコン、ヘリで上空から探索=ヒトココ、の棲み分けになるかも。
・ビーコンに慣れていると、「使えない」の印象を持ってしまうが、空身で山に入る層には充分有益と思う(登山届にIDを記入しておけば、ヘリ捜索もかなり有効になるのでは)
・日山協でもレンタル運用を検討しているらしいです

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:517人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら