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記録ID: 60406
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ハイキング
北陸

富山湾海岸線

2009年05月04日(月) [日帰り]
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GPS
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距離
27.3km
登り
24m
下り
25m
過去天気図(気象庁) 2009年05月の天気図
アクセス
ハマナス(08年)
常願寺川のハマダイコン(08年)
常願寺川のハマダイコン(08年)
射水の巨大煙突(08年)
射水の巨大煙突(08年)
美しい富山湾(08年)
美しい富山湾(08年)
海老江港(08年)
富山新港架橋工事・射水川
富山新港架橋工事・射水川
富山新港架橋工事・射水側(08年)
富山新港架橋工事・射水側(08年)
富山新港架橋工事・向こう側(08年)
富山新港架橋工事・向こう側(08年)
富山新港(08年)
小杉駅付近から射水の煙突を見る
小杉駅付近から射水の煙突を見る
送電線作業中
送電線作業中
余呉の浦公園
『手』の像がある橋
『手』の像がある橋
余呉の浦大橋
新湊魚港
庄川河口
マス,サクラマスの捕獲制限
マス,サクラマスの捕獲制限
庄川を渡る電車
獅子頭の橋
万葉線電車
マンモスクレーンの下に
マンモスクレーンの下に
キジがいた
如意の渡し
伏木大橋を見る
渡れば駅は近い
橋から下流を望む
橋から下流を望む
数奇屋風回船問屋
数奇屋風回船問屋
棚田家(国定有形文化財)
棚田家(国定有形文化財)
マツバウンラン
伏木漁港
テングサを干す
越中国分駅
忍者ハットリ君電車
忍者ハットリ君電車
雨晴海岸・雨晴岩
雨晴海岸・雨晴岩
初めて夕陽
首切り地蔵尊云われ
首切り地蔵尊云われ

感想

 出発にあたって 
 昨年5月3日にスタートした『日本海海岸線行脚』の続き。『行脚』は単純に旅と考えていいのだが、何となく『修行』を意味しているように誤解されかねないので。『日本海海岸線を歩く』と改める。なお『日本海』と言う呼称も狭義の『日本の海』と言う意味ではないが、よりよい呼称を模索しつつ当面はこの呼称を使うことにする。

 前回は計画後半の富山市から能登半島に入る地域の地理の把握が大雑把過ぎて、富山から伏木までを1日で歩けるものとし、あわよくば次回を氷見線伏木駅からと考えていたのだが、実際には最終日に30kmも歩いて射水市の七美と言う中途半端な場所に到達したものの、そこを終点として最寄りの小杉駅まで更に6km弱の道を無駄に歩く羽目になってしまった。
 富山市と高岡市伏木の間の海岸線には、神通川、庄川,小矢部川と言う大きな3つの川があり、その河口とに海岸線に富山港、富山新港、伏木港と言う3つの大きな港がある。この河川河口と港湾が海岸線を入り組んだ複雑なものにしており、歩く上で非常に分かりにくい地形となっている。加えて新湊と言う地名が新港と交錯して地名上の紛らわしさをもたらしている。
 因みに、新湊はかつて新湊市と言う市名だったものが、平成の大合併の流れの中で消滅してしまったという不遇な地名なのである。 
 一方、射水市はこの企てを始める前には聞いたこともなく読み方も分からない地名だった。調べてみると2005年に射水郡の全町村(小杉町、大門町,下村,大島町)と新湊市が合併して発足した新市で、新湊市もかつてはその全域が射水郡に属していたところから、新市名は一般公募を経て射水市となったとある。つまり射水郡が古くからの地名で、それがそっくり市になったのであるから『射水市』は歴史的にも住民にとって納得の行く市名だったと言えそうだ。
 もとよりこれらのことはこの企画を始めてから分かったことであり、それだけでも意義があったのであるが、本来なら富山市から伏木駅まで2日間を充てるべき距離であったため、中途半端な場所を中継点として今回に引き継いだ次第である。
 全海岸線を歩くという途方もない着想に出来るだけ忠実に従う意味で、特に港湾のような複雑な海岸線を延々と歩くことは決して単調なつまらないことではなく、どんな道でも歩いてやろうと言う気はあるが、大きな港には必ず大きな港湾施設があって海辺を歩くと言う点ではままならないことが多い。加えて泥の色をしてすえた臭いのする海は決して快いものではない。けれどそれが河川河口、とりわけ大きな港の現実であり、経済活動の一大拠点なのであるからそれはそれで見る価値があるし、そのすぐ傍にも赤提灯の下に花を植えたプランターが置かれていたり、防波堤のすぐ内側でナスやトマトを植えたり、小さな祠を丁寧に掃除していたりする人々の日々の営みや、橋の欄干に彫り物が飾られたりしているのを見るのも面白い。

 富山湾の複雑さ
 そう言う経緯で中途半端な出発点になったが、まずその中継点を探すために前回歩いた道を車で辿って見た。
 射水を象徴するものと言っていいかどうか分からないが、遠い町からでも『あの辺りが射水』と一目で分からしめるものに火力発電所の巨大煙突と、もう1つ,建造中ではあるが、富山新港をまたいで右岸港のある射水市の竜王町と、対岸の左岸港のある同市海竜町を結ぶ大橋梁がある。
 この富山新港の左岸と右岸のそれぞれの突端は、海竜町,海王町と、町名は違うのに共に『堀岡新明神』であるのは単に面白いだけでなく、2つの町は1つなのだとの思いがこめられているような気がしてならない。
 その橋脚工事を真上に見上げる場所に立ってみると工事はわずかながら進展しているように見えたが、完成にはまだ相当の年月を要するように思われた。

 そんな訳で、前回,終点の七美と言う所から最寄りのJR小杉駅まで6km弱を余分に歩く羽目になったと書いたが、それは今回も同様で、七美と言うR415の信号のある地点まで行く交通機関はなく、中継点はその七美であるが事実上の出発点は小杉駅と言うことになるのである。

 奈呉の浦
 5月4日(祝)
 3日早朝に出るつもりが4日の深夜2:05発となる。7:23に前回の終了点である七美を確認した後、予定のコースを通って伏木駅へ,8:25着。デイパックに雨具と食糧,飲料のみ詰めて伏木発9:32の電車に乗車。高岡で乗り換えて10:08小杉着。すぐにスタートする。
 駅前からまっすぐ北に進む。見渡すかぎり田圃が広がる中,50分でR8にぶつかると、はるか彼方に見えていた馴染みの巨大煙突がすぐ目の前となる。さらに35分で七美着。ここからが正式なスタートになる。
 11:25発。R415を道なりに進み、1時間50分(13:15)で余呉の浦と言う海岸線に出て藤棚のあるベンチで昼食を摂る。
 13:40発。余呉の港(新湊漁港)でイカ釣り船の写真を撮った後余呉の浦大橋を渡る。そのまま直進すると庄川の川べりに突き当たる。そこから射水方面を望むと火発の巨大煙突とともに建造中の富山新港をまたぐ大橋梁の工事が見え、その橋が将来どのように港に架かるのかがよくわかった。
 一方、目を足元に転じると海岸は打ち寄せられたゴミでびっしりと覆われて目を背けたくなるような惨状である。

 庄西の出島
 出島の先端をぐるりと再び水路を渡るその橋の欄干に、今度は獅子舞の獅子頭をかたどった像が据えられているのを見る。なぜ獅子頭なのかと訝りながら通過したが、後で調べてみると富山県一帯は獅子舞の盛んな所で、各地に獅子舞の保存会が
あり競演会なども催されていることが分った。特に4月,5月に獅子舞が集中して行われ、新湊や射水,高岡辺りでも盛んに行われており、隣の六渡寺にも保存会があるようだ。
 越後獅子と言うのは歌にもあったが、ここでは越中獅子であろうか・・。
 出島から中州の本土に戻るとそこに『六渡寺(ろくどじ)』と言う電車の駅があり、おりしも電車が近づく音が聞こえ、走って写真に収める。
 この電車は氷見線と併走する万葉線の路面電車であるが、正確を期すと万葉線は高岡駅前駅から六渡寺駅までの高岡軌道線と、六渡寺駅から富山新港左岸突端、海王町『越ノ潟』までの新湊港線と言う別々の線の総称である。
 新湊港線は元々,富山駅から海岸線の海老江や堀岡,越ノ潟を経由して現六渡寺駅に至る富山地方鉄道射水線と言う線の一部だったが、次のような経過で現在に至っている。
 1966年の富山新港建設によって堀岡駅〜越ノ潟駅間が分断のやむなきに至った。分断された堀岡駅〜越ノ潟駅間を富山県営渡船で結ぶために新港東口駅が設置され、堀岡駅〜新港東口駅間の営業が再開されたが、乗り換えの不便のため射水線の乗客は半減した。その後、富山駅前駅への乗り入れを再開したが乗客増につながらず、1980年に射水線は全線廃止されるのであるが、越ノ潟〜六渡寺間は加越能鉄道に譲渡され新湊港線として存続したのである。

 小矢部川河口・如意の渡しなど
 15:00発。中州の反対(西)側に出るとそこは小矢部川の河口であり伏木港の右岸にあたるという複雑な地形になっている。
 600mほど先の青い橋は建造中で渡れず、その橋の手前に『如意の渡し』と言う船があって対岸の伏木左岸港に近道することが出来るが、歩く旅なのでパスする。最奥部までは更に1.5km歩かねばならない。
 六渡寺付近から小矢部川を2.4km遡ってようやく右岸港の最奥に達する。最奥部からさらに400m歩いて15:50に伏木港大橋に着く。これを渡って小矢部川の左岸に出ると、そこから伏木駅まで左岸を下って1.6km,伏木港へは2.4kmである。
 16:15伏木駅着。深夜から230kmの走行と20km余りの歩きでさすがに疲れて1時間ほど車で眠る。だがまだ陽は高い。

 文化都市〜万葉のふるさと・高岡
 伏木駅で1時間の仮眠の後、もう2駅分くらい歩くつもりで17:30に伏木駅を出る。駅前の道を直進して氷見線の踏み切りを渡りきらないうちに右折すると伏木錦町の小路を通って伏木左岸港の道路に出る。
 その細い路地に国の登録有形文化財である『棚田家』住宅がある。棚田家は今から120年近く前に建てられ、明治時代から昭和初期まで栄えた回船問屋で、建物は明治の代表的な数寄屋造り建築で、代々伝わる調度品や美術品は見ごたえがあると言うことだが、見学には予約が必要〜とあり、パスする。
  左岸港の川沿いに進み海岸線に出ると万葉埠頭と言う大きな埠頭に至る。万葉埠頭にはロシアの各都市と結ぶ貨物や旅客船の定期航路があり、大型船が寄港するそうだ。緑地公園もあり釣り場としても人気が高い
『万葉』の名は大伴家持が越中国々守として伏木にいた時に詠んだ和歌『奈呉の海人の釣する船は 今こそば 船棚打ちて あへて漕ぎ出め』(奈古は射水市の放生津周辺の海の古名)が万葉集に収録されていることによる。高岡市は万葉の詩情あふれる文化都市を目指し、大伴家持ゆかりの地として『万葉のふるさと』づくりを進めている。
 埠頭の隣には漁港があり、ここにも天草が干してある。漁港を過ぎて小さな川を渡ると越中国分駅でここまで2.7km。18:10,駅で伏木方面行きの電車の時刻を確かめ、18: の電車に間に合うよう雨晴海岸駅まで行くことにする。

 雨晴海岸
 前方に海に迫る小高い丘があり、氷見線は海岸線を走ってトンネルに入る。国道は海岸線より内陸を通ってやはりトンネルに入るが、丘の上に道らしきものが見えたのでトンネルの入り口付近で道を尋ねるともう1つトンネルがあると言う。そのトンネルを通るつもりが別の道に入ってしまい丘の上の道を歩いていると下方に教えられたトンネルが見えた。
 おりしもその道を足早に歩く人が見えたので、意識的に急いでその人の前方でその道に出て雨晴海岸駅までの距離を尋ねると『2000歩ほど』だと言った。女岩や義経岩を教えてもらったりしながらつかず離れず足早に歩く。
 18:31,義経岩。伏木駅から4.1km。通算5日目にしてここで初めて真っ赤な夕陽を見た。だがまだ海に沈む夕陽を見ていない。
 18:38,この日の終点,雨晴駅着。伏木駅から4.7km。小杉駅からの距離は26.2km。18:54発高岡行きの電車を待って伏木駅に戻り、スーパーで夜の食糧を買った後、氷見の道の駅まで走って温泉を探す。あちこちウロウロしたが日帰り温泉が見つからず、朝1番の電車の時刻を調べるために氷見駅を探していて偶然見つけた温泉に入浴。駅の駐車場で眠る。


      


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