下の廊下
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
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写真
感想
歩いてみたかった下の廊下。
扇沢駅で昨年も頼んだ回送業者「三渓社」に車を預け、車の鍵を失くさないよう、よっちゃんに念を押し、始発の電気バスに乗り込み黒部ダムへと向かう。
頼むよ、よっちゃん!
この日は立山室堂で気温が-4.7℃。
ライブカメラで雪が積もって真っ白になっているのが映し出されていた。
黒部ダム付近も朝は少し寒かったが、心配していた天気も晴れてくれ暑くなりそうな感じだ、来て良かった。
黒部川を渡る手前で入山者をカウントしているおじさんに今日の入り具合を尋ねると既に100人を超えていた。
流石は三連休、のんびりしていると阿曽原温泉がカオスになるので今日も頑張って歩く。
黒部川を渡って暫くは樹林帯が続くが、それを過ぎると川沿いに水平歩道が始まる。
そして徐々に川との標高差を付けながらスリリングなイベントも出現し、段々と楽しくなってきた。
最初の見所は白竜峡。
川がゴウゴウと激しい音を立てて流れる様は黒部の大自然を身をもって感じる事ができる。
たまに際どい断崖絶壁での対向者とのすれ違いもスリルがありイベントと化した。
十字峡では世界的にも珍しい谷が四方交差する景観を眺める事が出来た。
が、調子に乗って既設ロープで最下段の岩場に降り立とうとしたところ、濡れた岩場に足を着いた瞬間にツルん!と滑って危うく黒部川に滑落しそうになった。
もし片手でロープを握っていたら死んでいただろう。
本当に危なかった。
その後はS字峡(いまいち)を抜け長い長い東谷吊り橋を渡り仙人ダムへと続く。
仙人ダムでは噂の関電施設内を通り、蒸し暑い高熱隧道を横目にトロッコの軌道を渡る。
渡ろうとしたら目の前にトロッコが居たのでビックリして一旦停止。
どうやら停車しているようなので、しばらくトロッコを眺めてから先に進むと、今度は動き出したようで慌てて戻り写真を撮る。
レアなやつを拝ませて貰った。
関電施設を抜けると寄宿舎を回り込んで権現峠までの急登を150mぐらい登り上げる。
この時初めて登山に来ていることを思い出した。
水平歩道があまりにも長く下り基調なため、すっかり登ることを忘れていたのだ。
権現峠のトンネルを抜けると阿曽原温泉小屋までは近い。
一刻も早く小屋に降りて温泉に入りたい。
自分が汗臭い事が気になる時間帯だった。
小屋に到着すると時刻は14:00を少し回ったところ。
小屋番のおばちゃんに「男は風呂!」
「女は受付!」
と急かされるまま露天風呂へ急行し汗を流す。
この次の男湯は16:00からで、カオスに成ることは間違いない。
事実、16:00に入った人に話を聞くと、定員10名程度の湯船に24名が鮨詰め状態で入り、その湯船の周りを裸の男達が取り囲んでいるという世にもおぞましい光景だったとか・・・カオスだ。
早々に風呂に入れた我々男子の後に、今度は女子が入る事になるのだが、黒部ダムから阿曽原まで歩いて来た汗と埃の出汁が出た温泉に入って貰うのには少し申し訳ない気がしたが、16:00以降のそれは凄い事になっているのだろうと想像力を膨らませる。
夜はお風呂の関係か、少し遅い18:00からの食事となる(小屋泊)。
メニューは阿曽原小屋名物、名水ポークカレー(30分食べ放題)と簡単なコロッケサラダ。
カレーを三杯お代わりしたので翌日の朝食は不要となった。
部屋は全部で4部屋あり各12名が雑魚寝をし、この日は食堂にも宿泊客が泊まっていた。
小屋で荷物を整理している時に、もう一度車の鍵を確認する。
頼むよ、よっちゃん!
下の廊下、2日目。
前日の夜にトロッコが混むから明日は5:00に出発しようと言って就寝したが、3時に目が覚めて辺りを見渡すと12名居るはずの同室の客が半分居ない。
抜け駆けされた!と感じ、よっちゃんとドン助さんを無理やり起こして予定よりも1時間早い4:00に小屋を出る。
つまらん林道を登っているうちに夜が明けて、何だかんだで丁度良かった。
今日の見処は大太鼓と志合谷トンネルとトロッコだ。
大太鼓は想像していたまんまで、それ程楽しくはなかったが、志合谷トンネルはなかなか面白かった。
その後は消化試合宜しく欅平まで黙々と歩き、最後の激下りでよっちゃんを放置して先に駅へと向かう。
欅平駅に8:30に到着すると関電関係者が近寄って来て、通勤電車の折り返し便で宇奈月駅に行けますが乗車されますかと聞いて来た。
普通の観光トロッコとちょっとだけ異なるレアなやつだ。
もちろん乗りたい。
でも放置したよっちゃんがまだ降りてきていない。
発車時刻まで残り13分。
果たして間に合うのだろうか?
駅員さんと交渉して発車時刻を30秒だけ遅らせて貰う事に成功。
後はよっちゃん次第。
頼むよ、よっちゃん!
待つこと13分。
痺れを切らしたドン助さんが迎えに登り返して荷物を肩代わり。
本当に発車ギリギリで降りて来た。
交渉した残り30秒で改札をくぐり抜け、何とか客車に乗り込んで事なきを得た。
水平歩道よりもハラハラドキドキしたよ。
トロッコに乗ること1時間16分。
無事に今回の縦走を終えて宇奈月駅まで到着した。
駅のホームでも車の鍵を最後の確認。
善し善し、ちゃんと持っているな、やれば出来るじゃないか、よっちゃん!
駅の改札をくぐり、お土産を物色。
とりあえず荷物を回送して貰った車に置いて温泉街へ繰り出そう!
よっちゃん、車の鍵を出して。
・・・・・・・・・・・・。
ない。
無い。
ナイ (;゚;Д;゚;;)
クルマノカギガナイ・・・
どうしたらこの短時間で鍵を失くすんだ!?
さっき駅のホームで確認したばかりなのに。
流石はよっちゃん、侮れない。
これがよっちゃんたる所以なのか・・・。
鍵は遺失物として駅事務所に届けられており事なきを得たが、最期の最期まで緊張感溢れる旅となった。
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