蔵王山
- GPS
- --:--
- 距離
- 4.5km
- 登り
- 263m
- 下り
- 256m
コースタイム
天候 | 雪、くもり、強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
新宿から夜行バスにて山形 山形からペンションの車にて送迎 【帰り】 かみのやま温泉までペンションの車にて送迎 かみのやま温泉から東京は新幹線 |
コース状況/ 危険箇所等 |
新雪、風雪によりガリガリ |
その他周辺情報 | ペンションにて宿泊 |
写真
感想
常宿としているペンションから届いたのは2014年11月下旬のこと。
青空のもと蔵王の樹氷の写真に心を奪われた。それ以来、遊びに行きたい思いが頭から離れずにいた。
12月の寒波が去った日本列島は例年よりも早く雪が積もり、スキー場のオープンを迎えた。
12月5日。スキー場で小一時間ほど滑って、11時からの安全祈願に参加した。山形の奉献酒は根知男山だ。
(余談だが、本当に美味い酒で駅から歩いていける距離にある。)
そんな銘酒がギンギンに冷える雪のなか、一時間近く安全祈願で立ったままの状態は当たり前だが急激に体温を奪った。
奪われた体温は自ら生成するしかない。午後を過ぎてから、体を温めるべく山頂駅へ移動した。スキーの板にシールを貼り付けてハイクアップをスタートする。火山の噴火の恐れがあるとの懸念からか、天気があまり良くないからか、スタート時間が13時半過ぎのも当然要素のうちだが、誰もロープを超えて地蔵岳へ行った様子はみられない。よって、トレースなどはもちろんない。
とりあえず保険のためにGPSを起動させまずは地蔵岳を目指す。ハイクアップすること20分、地蔵岳山頂へ到着した。
天気が悪く何も見えない。そして地蔵岳山頂で時間をつぶす気にもなれない。というのも、視界は10メートル未満で風が強くバグラバで防寒対策をしないと寒すぎるのだ。よって出来るだけ早く熊野岳を登頂して山頂の様子を確認してくることが目的になった。地蔵岳からは目印となる立ち木が等間隔にあるので道に迷う事は無い。この先は過去の記憶を呼び起こしながら進む。単独かつ午後スタートの条件が登頂への気持ちを焦らせ、無意識のうちにオーバーペースになっていた。乱れる呼吸、滴る汗、それを一瞬で奪うような風。負のスパイラルに陥りながら、ただひたすら目の前にある立ち木を追い続けた。
しかし行けども行けども山頂にはつかない。高度も稼いでいるようで上がっていない。先入観を棄て、地図とコンパスを照合するも現在地の特定が出来ない。GPSを持っているからいいものの、これは道迷いの遭難である。あせらず落ち着いていられのは手元にGPSがあるから。仮にそうでなければ元来た道を帰ることしかできなかったであろう。
なむなくGPSで現在地を確認し、一挙に方向転換し、直登する。高低差にして150メートルほど。だだっ広い山頂付近に出た。近くに御堂があるはずだが、記憶という先入観が邪魔をしてホワイトアウトによって方向感覚を失った私には正しい判断ができなくなっていた。
こうなると、もはや地図など役に立たないのだ。GPS様に本日2回目のお世話になる。大まかに自らの位置を特定し、コンパスを振って、あるはずである御堂を捜す。しかし、それらしいものは見つからず、結局15分程の時間を費やした。
今回は完敗だ。もう方位も距離も総てをGPS様々に頼ることにした。そして2分後に雪に埋まりかけた御堂を発見し、撮影を終えて下山したのである。
師匠ともいえるGPSに頼った悔しさと過去の記憶の先入観が脳を支配する様と、計画に十分な時間を費やせなかったことへの反省を改めて考えさせられた山行であった。
良い子は真似してはならない。
最後に。この度の経緯は12月5日昼にペンションへ連絡し承諾をいただけたことで急遽決まったが、その時点てはまだ山形までのアクセスさえも詰め切れておらず、そもそも仕事が終わるかどうかもわからなかった。
しかし、たまたま仕事が片付き夜行バスの確保ができたため決行した。山形に着くのは朝5時、蔵王温泉までの第一便は7時前、その約2時間を何もない駅前で過ごさねばならいが、オーナーが片道40分かけて車を走らせ朝5時に到着するように駅まで迎えに来てくれた。これには感激したが同時に申し訳ない気持ちになった。ただ、こんな方は普通居やしない。
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