四国の照葉樹林巡り4日間� �日和佐編★花いっぱいに驚く
翔亀
体力度について
- GPS
- 03:44
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 376m
- 下り
- 373m
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| 天候 | 1日目から3日目 晴れ。暑い。 4日目 曇り時々雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車
始発の新幹線で西明石へ。西明石8:45-8:53舞子・高速舞子9:10-(JR四国バス・阿波エクスプレス神戸号)-10:33徳島11:30-(牟岐線)-13:02日和佐 ■大岩-恵比寿洞-第23番札所薬王寺(長距離自然歩道「四国のみち」白砂と海亀のみちコース) 日和佐17:05-(牟岐線)-17:51阿波海南 泊)生本旅館 ----------------今回ここまで、以下続く-------------------------- 2日目(12/9) �⊆偽�編 ■明現神社-愛吾山-那佐展望所-鈴ヶ峰 -竹ヶ島-海の駅東洋町(「四国のみち」洋々と広がる松原のみちコース、水床探求のみちコース、甲浦ポンカンのみちコースをつなぐ) 泊)HOTEL RIVIERA ししくい 3日目(12/10) ��室戸岬編 ■室戸岬-御厨人窟-第24番札所最御崎寺 泊)高知駅のビジネスホテル 4日目(12/11) �げＯ家湘臺� ■横浪半島の第36番札所青龍寺と奥の院(不動明王) 高知から岡山経由で帰宅 ★四国みぎした55フリーきっぷ利用(3日間 徳島駅-高知駅間フリー 5800円) |
| コース状況／ 危険箇所等 |
〇金毘羅神社から大岩、大浜海岸まで よく整備された登山道。 〇恵比寿洞 よく整備された遊歩道で1周できる。岩場を降りれば海岸に出られる。 〇薬王寺の社叢林には左手奥の墓から道があり入れたが、もっと良い道があるかもしれない。 これら以外は車道歩き |
写真
約2時間ガタゴト走って、日和佐駅で途中下車。徳島県南部の古くからの中心の町だという。旧日和佐町は、今は合併して美波町(新しい町名はどこにもありそうな名前で覚えにくい)。
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金毘羅神社とある。さすが四国。讃岐が金毘羅様の本拠だしな。(金毘羅とはガンジス川の鰐のことで、アーリア人侵入前のインドの先住民ドラヴィダ人の蛇神信仰に源流がある、とちょうど読んでいた古代インド史の本にあった。えらい古いね)
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葉がテカテカでぶ厚い。長い葉もある。狭義のスミレの海岸型のアツバスミレみたいだ。千葉から鹿児島までの太平洋岸に咲くという。にしても、この時期に咲くとは、返り咲きにしても遅いな。
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人工林は、外から見ても、全国どこでも同じ。日和佐では、森は利用尽くされていて、本来の照葉樹林は社叢林以外にはほとんど残されていないという(徳島と高知の平地全域も似たようなものみたいだ。全国そうだろうな)。人工林でないところも、伐採後の二次林ばかりだという(照葉樹林であることには違いないが)。
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しかし、社叢林は、立ち入りが禁止されていたり、道が無かったりする場合が多い。ここも道が見つからずあっさり諦めたのであった。
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さて、今回は長距離自然歩道「四国のみち」のルートを辿っている。左下から右上に向かい恵比寿洞で引き返す。この地点は、大浜海岸。ウミガメが上陸する浜として有名だ。
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大浜海岸。徳島のみぎしたは、岩礁が多く、砂浜は少ない。ここもそう長い砂浜ではない。ウミガメの上陸は年々少なくなってきて(500匹→ヒトケタ)、今年は0だったという。
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黄色い菊も咲いている。黄色い菊は南関東では見かけない。西日本にはいろんな種があるようだが、普通に咲くというシマカンギクとしておく。近畿以西。
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総苞外片が卵型ならイソギク、線形ならシオギク。うーん微妙。シオギクなら徳島南部と高知南部でしかみられないという。どうも雑種も多いというが、ここはシオギクとしておく。
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波切不動明王は空海が彫り上げたという高野山南院のご本尊。利剣と羂索を持つ。この石仏は航海の安全祈願ということなんだろうが、、、(なお不動明王には4日目の青龍寺で驚かされることになる)
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この先に四国八十八か所の第23番札所薬王寺がある。お遍路さんの歩いている姿も見かけたので、お遍路さんの道だからなのかもしれない。
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じつは、この寺に来たのは、徳島では随一の広い社叢林が照葉樹林の原型をとどめていると聞いたからだ。しかし、社叢林にどう入ればいいのだろうか。ここからは無理っぽい。
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これは珍しい。と思ったが、ナンテンのようだ。中国産というが、西日本には自生という説もあるようだ。高知の他の森でもみかけたので、よく生えているのだろう。
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ここなら森の奥まで行けそうだが、ちょっと不気味。この先に奥の院でもあれば堂々と行けるのだが、躊躇する。時間もなくなってきたので引き返した。(薬王寺の奥の院はかなり離れた別の山にある。それも含めて再挑戦だな)
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今日の宿は、海部の生本旅館。お遍路さんがよく利用されている小さな宿。ご夫婦だけでやられているようだが、すごく親切で、電話をくれて阿波海南駅まで車で迎えに来てくれた。「夜道だと道に迷ってしまうかと思って」、と。感謝感謝。
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感想
<四国の照葉樹林巡り4日間の計画経緯>
奈良・春日山原始林が南関東の照葉樹林とそう違わないように見えたので、本来の照葉樹林を見たくなった。
●「奈良の森巡り5日間�―嫺�山原始林は照葉樹林の展覧会だった」
貼り付け元 <https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6012606.html>
というのも、愛用している『山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花1』のコラムに「照葉樹林との出会い」という小文があり、かねてから一度は見てみたいと思っていたからだ。
「とくに印象に残ったのは須崎市と土佐市にまたがる横浪半島だ。この半島をおおう常緑樹の森は、落葉樹を見慣れた私にはじつに新鮮だった。数え上げればきりがないが、そのほとんどが常緑広葉樹だというのは非常なる驚きで、次々に出現する見慣れない樹木の名前に強烈なパニックに陥ったものだ」
「12月20日に高知を再訪。7月に見た風景そのままが目に前にしていたのである。真冬だというのにである。狐につままれたような気分で、これが本当の照葉樹林の姿なのかと思い知らされた」
そこには、「シイやタブ、カシをはじめ、トキワガキ、コバンモチ、イヌガシ、クロバイ、カギカズラ、ミサオノキ、カンザブロウノキ、ヤマビワ、ツゲモチ、バリバリノキ、ルリミノキなど」と列記されていた。
トキワガキ以下は、初めて名前を聞く樹ばかりだ。なんなんだこの森は、と思ったのだった。
しかし、横浪半島のどこの森かは書かれていないし、いろいろあたっても他に情報はなかった。植生図を見る限り横浪半島は「シイ・カシ二次林」で覆われているようだ。
高知のどこに行けば照葉樹林を観察できるだろうか。
そんな時、多くの樹木図鑑を出している林将之さんのブログで、日和佐の薬王寺の社叢林の観察記が出ていた。ここにも先と同じような聞いたこともない樹木の名前が並べられていて、植生図ではスダジイ群落とあり、確かに典型的な照葉樹林であるようだった。しかし、こちらも詳細の地点やルートはわからない。社叢林は経験上、立ち入りが禁止されていたり、道がなく入れないことが多いのだ。
うーんどうするかと思っていたところ、「阿波学会研究紀要」というのが全巻オンライン公開されているのを見つけた。徳島県の旧町村ごとに歴史・文化・自然などの総合学術調査が報告されていた。旧日和佐町や旧宍喰町の巻を見てみると町内の詳しい植生が報告されていた。例えば、旧宍喰町では「古来、薪炭の生産が盛んで、択伐がくり返され、シイ・カシ萌芽林がかなり広い範囲にわたってみられ、またスギ・ヒノキの植林も広い面積を占めている。」「社寺林がよく保存されているだけで、それ以外の殆ど大部分は人工林及び自然更進のシイ・カシ林である。シイ林は極相林としてよりも萌芽林(二次林ですね)として広く存在している」とあった。そして、それぞれの社寺林(社叢林)の構成樹木が報告されていて、ここでも先と同様の聞いたこともない樹木の名前が列記されていた。薬王寺は「裏山の広い自然林がある。シイ林であるが樹種は豊富で、各層の植被率も高い。互いに競合し日照を求めるので、樹高も高い」。日和佐八幡神社は「平地の社叢林では、県下有数の樹林」とあった。恵比寿洞の特異な植生の報告もあり、珍しい野草の花のことも知った。12月でもまだまだ咲いているようだった。
本物の照葉樹林を狙うには社叢林しかないようだ。しかし、社叢林だけを車道でつなぐのでは面白みがない。
ありがたかったのが、長距離自然歩道「四国の道」の存在だ。高知県では途切れ途切れだが、徳島県は充実している。車道歩きが多くなるのが難点だが、それでも海岸線や低山の遊歩道がかなり含まれていた。社叢林をつなぎながら、車道が少なく、人工林の少ない(シイ・カシ二次林の多い)ルートを選んだ。鈴ヶ峰という少しは山らしい山を含めることができるのも魅力だった。山頂にはスダジイ群落が残っていて、スダジイに寄生するヤッコソウも咲いているかもしれなかった。4日間、徳島南部で十分遊べそうだった。
そうしているうちに、四国みぎした55フリー切符の存在を知った。徳島からJR牟岐線と阿佐海岸鉄道とバスを乗り継いで室戸岬を経由してバスと土佐くろしお鉄道で高知までの間のフリー乗車券だ。これを使って、そもそも気になっていた横浪半島まで足を延ばせそうだった。室戸岬も魅力的だった。
ちょうど室戸岬には第24番最御埼寺、横浪半島の先端には第36番青龍寺が存在し、それぞれタブノキ群落、コジイ群落の社叢林があるようだった。これらも本物の照葉樹林といえそうだ。青龍寺には裏山の頂上に奥の院があり「四国の道」が通じていた。
こうしてコースが決定した。はからずも、四国八十八か所の札所のうち3つをめぐることになる。お遍路さんは、大抵が車道を歩くようで、山道を通り遠回りになる「四国の道」は通らないので、今回のコースはお遍路路とはあまり重ならない。しかし、お遍路さんのおかげで、小さな町でもことごとく宿があるのはありがたかった。東北の「みちのく潮風トレイル」ではこうはいかない。こちらはテントが必要な場合が多いのだ。
<1日目 日和佐編は森の樹よりも海岸の花の世界だった>
初日は、現地に入るのは午後になる上、2か月の休養明けなので、リハビリを兼ねたほんのさわりのコースとした。
懸念していた社叢林は、薬王寺も日和佐八幡神社も森の中に入るのは難しく、外から眺めるだけとなった。枝を伸ばしもこもこと葉をつける森の姿は、スギ・ヒノキの人工林と全く違う。しかし、個々の樹種はわからなかったのは、残念だった。
今回は境内の中から奥の森へ進んでみたが、背後から社叢林に入れたかもしれない。しかしいずれにしても道がないと森に入るのは難しいだろう。それを確認する時間もなかったので、腰を落ち着けて再チャレンジしたい。
それでも「四国の道」が通じている金毘羅神社〜大岩は、二次林とはいえ、普段あまり見かけない樹が多く楽しめた。毘沙門洞の海岸林(ウバメガシ林)も同様だ。タイミンタチバナやトベラがとても目立つ森というのは新鮮だった(4日間同じ)。ただ、この初日は先の聞いたこともない樹木たちはひとつも見つからなかった。歩けたのは二次林だけとなってしまったためだろうか。いや樹木観察の力不足なのだろう。今回は2ヶ月の骨折休養期間中にそれなりに常緑樹種の見分け方の予習をしておいたのに(葉だけだとみんな同じに見える)。
むしろ森の樹よりも海岸の花が沢山咲いていたのが、嬉しかった。シオギクなどこの地域限定の花だけでなく、この時期にさまざまな花が咲いているというのは予想以上だった。そもそも普段、海岸を歩くことは少ないので、この驚きは海岸植生を見慣れていないせいなのかもしれない。伊豆半島や房総半島の海岸の花探しをしても楽しそうだ。(室戸岬ではさらにすごいことになっていたが、��で紹介します)
翌日は、夜明けから日暮れまで、森と海岸を歩き続けた。そこで、はたして何をみつけたか、以下、��海部〜宍喰編に続きます。
「四国の照葉樹林巡り4日間�◆�海部〜宍喰編★ヤッコソウの森とは」
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6295261.html
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