小川谷右岸上段歩道 四軒小屋尾根〜喜右衛門小屋窪左岸尾根
bistari
その他1人 
体力度について
- GPS
- 10:41
- 距離
- 24.7km
- 登り
- 1,845m
- 下り
- 1,834m
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- 山行
- 10:24
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 11:23
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
四軒小屋尾根〜滝谷 大カツラまではテープがあるが、以降滝谷F2までテープ類なく小尾根や小ルンゼを越えて行くのが判りにくい。傾斜は緩いので眼下の滝谷を目指せばF2近くに下りられる。 滝谷〜喜右衛門小屋窪左岸尾根 テープ類など目印になるものは全く無い。尾根、谷をいくつか越えるが、この高度の尾根はどこも広々として踏み跡を追うことが難しい。高度を保って（1200〜1250m）進むしかない。よく探すと踏み跡を追えるが今の時期落ち葉が多くかなり困難である。谷越えは対岸をよく探せば薄いながら踏み跡は見つかる。 |
写真
かなりの規模で最上部の法面補修部から崩れ落ちている。
ここで美味しい自家製干し柿をいただく。
右が崩壊地、真ん中の立木の右にM師が設置したトラロープが見えている。
対岸は岩壁で取り付く島もない。
F2の20mほど上流から対岸を見ると、中央斜めの大木から斜め左に一筋のラインが見える。これが滝谷からの上段歩道の続きだった。
これが滝谷からの上段歩道の続きだった。
目視ではこの先も踏み跡が判然としない。
大量の落ち葉と崩れた足場に難儀する。
ワタシのパワースポット三又（ミマタ）。右手前に酉谷を渡る橋台が片方だけ、中央奥には滝谷を渡る橋台が残されている。
2019年の台風19号により酉谷を跨いだ橋桁は流され50mほど下流に無残にとどまっている。
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右手前に酉谷を渡る橋台が片方だけ、中央奥には滝谷を渡る橋台が残されている。
2019年の台風19号により酉谷を跨いだ橋桁は流され50mほど下流に無残にとどまっている。
感想
今回は小川谷右岸上段歩道の四軒小屋尾根から旧酉谷小屋までの未踏区間の踏破を計画。
事前調査の結果
�‐�川谷林道（車道）ができるまで、日原から三又（みまた）までの右岸下段歩道を「小川谷林道」、人形山東尾根で分かれ旧酉谷小屋までの右岸上段歩道が「タワ中段新道」と呼ばれていた。新道は昭和29年に拓かれたが（※1）、昭和35年の地図ではすでに「荒廃」となっている（※2）。
��滝谷F2には「吊橋（地図の中では釣橋）」がかかっており新道はそれを渡っていた（※3）。
��いくつかの古い登山案内等の地図にも四軒小屋尾根から旧酉谷小屋まで自然に経路が繋がっている（※4）。
�じ什澹�開、非公開の中で閲覧させていただいた資料にも同様のルート記載があったが、これらは近年の資料なので信頼できる。
これらを考察し、酉谷、滝谷周辺に詳しいM師に同行を願い踏査することにした。
本来は人形山東尾根からスタートしたいところだが、日が短いこととアプローチの時間短縮を考え、小川谷林道から四軒小屋尾根を上り、1250m圏の上段歩道の続きから踏査することとした。
今年5月の藤小屋窪右岸尾根以来のM師を奥多摩駅に出迎え日原へ。
今日で今年99日目の山行というが、腰痛にひるんでいる私など足下にも及ばないほど古希を越えてもパワフルである。
小川谷林道にはクマのフンがいくつも落ちているが、M師は今年奥多摩でクマに4度出会っているそうだ。
クマとユーレイに遇うのは平気らしい（こちらもパワフル）。
久しぶりの小川谷林道は長く感じられ、ようやく着いた広場で奥様お手製の干し柿をいただく。
売り物の倍以上の大きさの甘い干し柿はとても美味だった。
広場から先は以前より荒れていたことと落ち葉が多くて思いの外時間がかかったが、三又手前から小川谷に下り徒渉後下段歩道に登り上げ、四軒小屋尾根の31回のジグザグを繰り返し1250m圏の上段歩道交差地へ11時半ようやく到着。
ここから滝谷まではM師の案内で安心して進める。
到着した場所は滝谷F2のすぐ上で、ここからが本題。
F2の左岸側は岩壁でとても「吊橋」が架けられていたとは思えない。
F2の20mほど上流に容易に徒渉できる場所があり、滝谷に下りる直前、対岸を見渡し落ち葉の中にトレース状に見えたものがその場所に下りてきていた。
水量の多い時季には徒渉が困難のためここに「吊橋」があったと推定される。
落ち葉で埋まってはいるが確かなトレースをたどると上滝尾根1300m圏あたりから南東へ派生する顕著な支尾根に乗り上げた。
続いて一つ浅いルンゼを越え1210m圏で上滝尾根に到着。
この辺りは緩傾斜で踏み跡が判然としないが、高度を保ち目を皿のようにし勘を働かせながら落ち葉の中にわずかな踏み跡を探す。
涸れ沢を一つ越え、水流は細いがワサビ田跡が残る喜右衛門小屋窪に到着。
遠目には判らないが対岸にわずかな落ち葉の段差の踏み跡を拾いながら1240m圏で喜右衛門小屋窪左岸尾根に乗り上げた。
すでに2時となり帰路のことを考え今日はここまでとする。
滝谷から2時間半あまりの踏査だったが深い落ち葉の中にトレースをみつけ、かつての古道をたどることができ高揚した満足感を得た。
左岸尾根からわずかの酉谷径に下りればあとは楽勝かと思われたが、最近歩く人がいなかったせいか落ち葉が多量で斜面のトラバースや喜右衛門坂の下りに気を遣った。
小川谷林道でヘッドランプのお世話になったが心は充実しており、M師と次回旧酉谷小屋までの続きを約して分かれた。
※1 奥多摩ー登山地図帳ー 山と渓谷社 162頁
※2 奥多摩の山と谷ー登山地図帳ー 山と渓谷社 81頁
※3 奥多摩ー登山地図帳ー 山と渓谷社 163頁
※4 奥秩父の山と谷ー登山地図帳ー 山と渓谷社 79頁、83頁
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拙ブログをご高覧いただきありがとうございます。
小川谷林道ではＭ師についていくのがやっとでした。恐れ入谷の鬼子母神です。
小川谷深部はアプローチが不便なためヒトも少なく原始の雰囲気が味わえて魅力的ですよね。
体調が回復されましたら小川谷へもお出かけください。
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