神室連峰 東荒倉沢左岸尾根〜烏帽子山〜槍ヶ先
- GPS
- 09:44
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,031m
- 下り
- 1,033m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登りに使った東荒倉沢左岸尾根は雪山バリエーションです。 ■アプローチ 駐車地点から薬師原登山口まで雪の林道をツボ足で歩く。 刀場川の橋を渡り、ワカンを履いて刀場沢の左岸沿いの林道を歩き、堰堤を利用して対岸に渡渉。 この渡渉だが、刀場沢の沢幅はかなり広く、堰堤を利用しないと渡渉は不可能だ。堰堤にこんもり雪が積もってる場合はかなり危険な渡渉になると思われる。 対岸に渡ったら刀場沢と東荒倉沢の中間の尾根の末端に取り付く。 ■東荒倉沢左岸尾根 取り付きから急登。下部は根雪になっておらず、20センチ程の腐った雪を拾いながら登る。藪はもちろん出てるがそれほど煩くない。 上に行くにつれ積雪は増すが、雪は締まっておらず急登のラッセルが続く。 岩場などの難所はないが、地形図では読み取れない二重尾根や細かいアップダウンあり。 800mを過ぎた辺りから雪は締まってきて沈み込みはなくなったが、斜度がキツい登りでは沈むのでワカンは脱げない。 稜線が近くなってくると雪庇が出てくるが、それ程大きくなく視界があれば問題ない。 稜線手前からは左に八森山、右に烏帽子山の東壁が眼前に迫り、最高の展望の中主稜線のp1040に到達する。 ■p1040〜烏帽子山〜槍ヶ先 この区間は、火打岳から神室山の影に隠れて主稜線縦走路としては影が薄いが、神室連峰の主稜線縦走路としては屈指の区間である。 特に烏帽子山に至るまでのヤセ尾根は、東側はスッパリ切れ落ちており、雪庇が張り出して危険な区間だ。 今年はまだ雪庇がそれ程発達してはいないので、安全な所は雪庇側を歩き、危ない所は灌木側に入り急斜面のトラバースで通過した。 烏帽子山から槍ヶ先は視界があれば危険個所はないが、二重尾根になってるので、視界がない時は東側に引っ張られないように注意。 ■槍ヶ先〜薬師原登山口 槍ヶ先からは夏道がある親倉見方面へ進む。まだ灌木が出てる区間はあるが、積雪はそれなりにあり、下山時はモフモフの雪の斜面を駆け下りる事が出来る。 p677まで来たら、親倉見方面へは下らず、南側の支尾根に入り刀場沢方面へ進む。 途中から雪に覆われた林道が出てくるが、遠回りになるのでそのまま尾根を下り、刀場沢左岸の林道に合流。 あとは朝歩いた林道を戻り駐車地点へ帰還。 |
写真
装備
個人装備 |
ビバーク装備
ワカン
アイゼン
ピッケル
行動食
補助ロープ
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感想
冬の神室は静寂に包まれている。
標高を上げるにつれ、聞こえるのは自分の荒い息遣いと雪を踏みしめる音くらいである。
そんな中黙々と登っていると、上空からけたたましい鳴き声が聞こえて思わず空を仰いだ。
白い鳥が何十羽も縦に編列を組んで飛来している。
「白鳥?」
思わず呟いたが、この時期に白鳥が飛来するのかも知識がないので分からないが、その群れは何隊にも編列を作り北に向かって飛び立って行った。
思わず写真を撮り、その姿、その鳴き声が聞こえなくなるまで空を見上げていたが、そのうち、また山は静寂に包まれた。
特に鳥が好きでもなく、白鳥だろうがなかろうが特別な感動がある訳ではないが、今目の前で見た神室連峰の上空を飛び去って行った群れから、何故か強いパワーみたいなエネルギーを感じて、立ち止まっていたその場所からまた一歩を踏み出した。
この日は風も微風で暖かく、絶好の冬山日和であったが、神室連峰の主稜線に合流するころには体力も時間も限界が近付いており、予定していた烏帽子山から槍ヶ先の周回はやめにしようか悩んでいた。
合流ピークに腰をおろし、烏帽子山へ続く稜線を見ると、切れ落ちた東壁の迫力ある山容と雪庇を持つヤセ尾根が続き、吊尾根のような景観が続いている。
左に目を向ければなだらかな稜線が八森山まで優しく続いている。
八森山のピークを踏み周回する考えもあったが、気持ちは烏帽子山方面に向いている。
やめるならピストンで戻ろう。周回するなら烏帽子山へ。
烏帽子山、そしてその先の頭が見えた火打岳方面を見てると、ふと思った。
さっきの鳥の群れも北へ飛んで行ったんだろう。じゃあ私もそちらへ行こう。
時間も体力もギリギリではあったが、まっさらな雪庇の稜線に足を向け進んだ。
雪庇の迂回と灌木急斜面のトラバース、そして烏帽子山への急登と息も絶え絶えではあったが、冬の神室を歩いている充実感に満たされながら無事に槍ヶ先まで辿り着き、ようやく一安心。
槍ヶ先山頂から鳥の群れが飛び去って行ったであろう方角を眺めると、先ほどよりも少し近付いた火打岳が頭を覗かせていた。
「また来ます」
そう呟いて、モフモフの斜面を駆け下りた。
丸1日大好きな神室で戯れたこの日は、久々に雪山をやったと云う感じであった。
帰りの道中、稜線上からは見えなかった小又山が西陽に照らされ光り輝いていた。
コメント
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31,35の写真が素晴らしいです🏔勿論稜線も😍
雪たっぷりに見えますが例年に比べるとここもやはり少ないんでしょうね…😣
今シーズンから雪山歩きを始めたので神室連峰の何処かの頂きに登りたいと思っておりました💪
神室も雪は少ないですね〜。これからまた降雪すると思うので、また状況は変わると思います。
いよいよaohachiさんも厳冬期突入ですね👍
冬の神室は夏とは違った素晴らしさがあるので、神室の1番好きな時期はやっぱり冬ですね私は❄
記録楽しみにしております😊
いつか冬の神室を縦走してみたいけど、吐血しすぎて輸血が必要になりそうな予感がします。。。:( ;´ཫ`;):
沢もいいけど、冬の神室は本当に素敵ですね。何回登っても飽きません。
冬の縦走いいですね!輸血は酒で補いましょう笑😁
残雪期だと人もチラホラ入りますが、厳冬期はまず人がいないので、そこがまた魅力でもあります。
是非厳冬期縦走やっちゃって下さい👍
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