下街道(善光寺街道)その1 〜名古屋から春日井〜

2024年02月09日(金) [日帰り]

• GPS: 06:42
• 距離: 22.4km
• 登り: 28m
• 下り: 7m

コースタイム

日帰り

• 山行: 6:35
• 休憩: 0:00
• 合計: 6:35

距離 22.4km 登り 14m 下り 4m

8:44 名古屋宿（札の辻）
9:31 0:00 佐野の辻道標
10:45 0:00 大曾根の道標
11:26 0:00 天神橋（矢田川）
12:14 0:00 勝川橋（庄内川）
13:24 0:00 城北線勝川駅
14:45 0:00 春日井郷土館
15:19 春日井駅

天候

晴れ

アクセス

利用交通機関：

電車

コース状況／危険箇所等

往時の下街道の生業、暮らし、信仰などをできるだけたどろうと考えると、事前の調べが欠かせないと思います。

写真

2/9 8:32

本日は、地下鉄桜通線「丸の内」からスタート。

2/9 8:45

下街道のスタート時点として札ノ辻に寄る。

2/9 8:44

伝馬会所・札ノ辻の解説板のみがあった。

2/9 8:50

魚の棚通にある料亭川文。創業は、元禄年間にさかのぼるとか。

2/9 8:54

那古野神社にもお参り。その歴史は、延喜年間（901-923）にさかのぼる。織田信秀が再建。

2/9 9:00

再び京町通と本町通の交差点にある道標。西に行けば,
歩いたことのある美濃路である。今日は東に。

2/9 9:03

少彦名神社。この辺り安政の大火後、薬種問屋街となったことから、少彦名命と大国主命を薬祖神として崇めた由。

2/9 9:18

尾張藩鋳物師頭水野太郎左衛門宅跡。初代は信長によって尾張国内で鐘、鰐口等を鋳造する特権を与えられたという。

2/9 9:18

加藤忠三朗も藩許の鋳物師であったが、5代目のとき御釜師として名字帯刀を許された由。今も生業としているとは、すごい。

2/9 9:21

御菓子司も江戸末（弘化年間）からの生業。

2/9 9:27

圓明寺。戦時中の金属類回収令によって銅製の鐘は供出されたため、石でできた鐘が吊らされた由。

2/9 9:25

戦争の記憶を伝えるため、今もつらされている。

2/9 9:25

その経緯が解説されていた。

2/9 9:31

佐野の辻（代官町交差点）の道標。

2/9 9:40

薬碑。明治時代の広告塔といったところ。元々上街道沿いの小牧駅付近にあったものが移設された由。

2/9 9:47

享保年間創業の油商の熊野屋。奥に資料館がある。

2/9 9:50

赤塚の神明社。

2/9 10:01

了義院。境内に芭蕉の句碑がある。「有るとあるたとへにも似ず三日の月」

2/9 10:07

片山八幡宮。江戸時代名古屋の鬼門除けの社として徳川家の庇護を受けた。

2/9 10:16

大曾根のオズモールを駅に向かう。

2/9 10:45

駅の手前に延享元年（1744）の道標がある。「右　いいだみち」「左　江戸道　ぜんこうじみち」。移設されている。

2/9 10:55

山田天満宮。2代藩主・光友が学問祈願諸並びに名古屋城鬼門守護神として菅原道真を祀ったのが始まり。

2/9 10:56

入試の季節、梅がほころび始めていた。

2/9 11:13

山田次郎重忠舊里の碑が幼稚園の正門にある。重忠は、承久の乱で勤皇の雄として武勇をとどろかせた。

2/9 11:26

天神橋。矢田川を渡る。「山田の渡し」は、少し下流にあった。

2/9 11:27

伊吹山が見える。

2/9 11:38

高牟神社。養老元年（717）に創建、高見天神の称号を賜った。「天神橋」の由来は、天神様が年に2回橋を渡った故とか。

2/9 11:41

境内に高牟音頭の碑があった。1番の歌詞の「御用水」とは、名古屋城外堀に通じる用水で、庄内川の上流で取水され、この瀬古地区から矢田川を伏越していた。

2/9 11:42

石山寺。裏の駐車場に下街道の道標があるらしいが、見逃した。

2/9 11:57

白梅が青空に映える。

2/9 12:06

東春酒造。守山のお酒「東龍」の蔵元。

2/9 12:05

水屋造の蔵が見事。洪水対策である。

2/9 12:14

勝川橋。庄内川を渡り、名古屋とはお別れ。

2/9 12:15

橋の上からは、伊吹山はもちろん見えるが、これは能郷白山だろうか。

2/9 12:17

庄内川の流れ（下流方面）。

2/9 12:26

勝川天神社。南に隣接してあった地蔵ケ池は、今は運動施設になっている。

2/9 12:34

天神社の東側に御嶽講などの石碑群が残されていた。ちなみに、黒沢口を開いた覚明行者は春日井市牛山の生まれ。

2/9 12:43

太清寺。かつては醍醐山龍源寺と呼ばれていた。慶安4年（1651）に再建され、現在の寺名に。

2/9 12:46

庫裡は、明治13年の東春日井郡設置に伴って郡役所として建てられたもの。

2/9 12:48

境内の馬頭観音。

2/9 12:55

十王堂（前身は阿弥陀堂）の内部（区画整理で現在の形に）。小牧・長久手の戦の時に家康が阿弥陀堂で休み、勝川の地名を喜んだという。。

2/9 13:24

城北線の勝川駅。

2/9 13:31

お菓子処に、下街道勝川宿の看板。趣があっていい。

2/9 13:50

柏井の八幡社。旧道は、八幡社の前の歩道橋を渡り、斜めに東に続いている。

2/9 14:06

桂林寺。

2/9 14:13

庚申寺のはずだが、すっかり荒廃している。左手に庚申堂が見える。

2/9 14:19

慈眼寺。黄檗宗のお寺は、珍しい。

2/9 14:30

珍しい外観デザインに思わずパシャリ。

2/9 14:41

菜種油商として江戸時代にさかのぼることのできる油茂商店。現在改修中のようだ。

2/9 14:46

街道筋の面影を漂わす宿。今は、長期滞在者向けか。

2/9 14:47

お天王さまと常夜灯。

2/9 14:50

蔦屋。江戸時代には酢と精油を生業とした商家。鳥居松は、いかにもよく栄えたことがしのばれるところだ。

2/9 14:54

春日井市郷土館。もとは、酒造業を営んでいた飯田重蔵宅の離れ。明治天皇の明治13年の巡幸時に使われた。「明治天皇下原新田御小休所跡」の石碑がる。

2/9 14:55

郷土館は土曜日の午前のみの公開。板塀の割れ目から、横井也有の句碑「夜と昼と目は色かへて鳥居松」と道標をパチリ。

2/9 14:59

観音堂。

2/9 15:00

堂内の馬車組合が建立した馬頭観音。

2/9 15:00

33体の仏像を浮き彫りにした石碑（西国三十三観音像）

2/9 15:00

「下街道てくてく双六」マップがお堂の外囲いに掛けてあった。これは面白く、かつ有用だ。

2/9 15:03

お堂の傍らに「飯田重蔵翁碑」も。林金兵衛らとともに、明治9年の地租改正を巡る東京嘆願に功績があったとして42か村の名で建立されている。

2/9 15:06

中央通りで本日の街道歩きを切り上げる。道はさらに続く。

2/9 15:18

JR中央線春日井駅で本日も無事終了。

撮影機器：

TG-6 OLYMPUS CORPORATION

感想

fengsan

　下街道（善光寺街道とも呼ばれる）は、以前恵那から御嵩まで中山道の上街道を歩いたとき、途中の槇ヶ根の追分で名古屋、伊勢に通じる下街道の存在を知って、いつかは歩いてみたいと思っていた。
　今回、街道歩きは、冬に限るとばかりに下街道歩きを始めることとした。
　今日は第1日目。名古屋城下の札ノ辻をスタートする。
　この街道は、小牧、犬山を経由し中山道に至る公用の街道（上街道とも木曽街道とも呼ばれる。）と違って、元々商人はじめ善光寺参り、御嶽登拝、伊勢参りなど庶民の旅に使われた道であることに、興味を誘われる。また、明治期には明治天皇が中山道から、名古屋、伊勢、京都へと巡幸した時に通った道でもある。しかしながら、明治33年に中央線が名古屋から多治見まで開通した時をさかいに、次第に歴史から忘れ去られることになった。
　令和の時代に、果たしてこの街道にまつわる人々の生業や暮らし、信仰の痕跡をどれだけ発見できるか楽しみは尽きないが、うまく歩くには、この道を歩いた先達の記録に大いに頼らなければならない。その点は、「先達はあらまほし」と大いに感謝したい。
　それでも、時々右往左往して時間を費やしてしまい、春日井（下街道の鳥居松の半分まで）で終了と相成ってしまった。
　なお、春日井市の「下街道ガイドマップ(改訂版)」には、大変助けられた。利用の仕方としては、スマホにスクリーンショットしておけば、十分だった。
　今度歩き続ける時は、春日井から内津峠を越えて、どこまで行けるだろうか。下調べをしっかりして歩きたい。

（参考）春日井市の下街道ガイドマップ(改訂版)
https://www.city.kasugai.lg.jp/bunka/bunkazai/1023948/1020637/index.html