〔東京ぶらぶら散歩〕武蔵野の路から深大寺の森
- GPS
- 05:53
- 距離
- 7.1km
- 登り
- 26m
- 下り
- 8m
コースタイム
- 山行
- 5:54
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:54
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:深大寺(バス)〜JR中央線・武蔵境駅 |
その他周辺情報 | 〔大師茶屋〕昼食・深大寺蕎麦 〔鬼太郎茶屋〕二十一世紀梨ミックスソフトクリーム 〔ミア ボッカ エミオ武蔵境店〕反省会 |
写真
装備
個人装備 |
ご朱印帳
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感想
西武多摩川線の多磨駅。旧称は〔多磨墓地前〕といい、駅の北西すぐには、日本初の公園墓地である東京都立多磨霊園が広がっている。40万坪、東京ドームにして27個分という広大さだ。東側は、人見街道を挟んで、南に武蔵野の森公園、北に野川公園と面積の広い公園が並び、都会の中の緑のオアシスたる感がある。
今日は、”東京ぶらぶら散歩”の第一弾で、関東ローム層を覆う武蔵野台地に、特徴的にみられる河岸段丘”ハケ”のひとつ、国分寺崖線の木立を眺めながら、武蔵野の路をぶらぶらと深大寺まで散歩する計画だ。
多磨駅から東側へ出、踏み切りを渡ってすぐ左の小道に入り、アメリカンスクールの先を行くと、都立野川公園の入口(西門)に出る。
野川公園は、東西に東八道路が横切り、南北に敷地が分かれるが、もとは国際基督教大学のゴルフ場で、広大な敷地を空の上から見下ろすと、なるほど、ゴルフコースとよくわかる。よって、園の大半を芝生が占めている。アオギリやユリノキなどの大木が、陽光を受けて大きな日陰を大芝生上に投影している。清清しい空間だ。散見されるもぐらの穴を、睨みながら上空に待機するカラスが喧しい。
正門を出て、人見街道沿いを歩いていく。新撰組局長だった近藤勇の生家跡には、近藤を祀った小さな祠と、産湯の水に使われたという古井戸がある。更に進むと、大澤山龍源寺に着く。ここは近藤勇の墓所だ。近藤は最期、新政府軍によって板橋で斬首されたが、遺骸はここに埋葬された。本堂裏の竹藪脇に、ひっそりと佇む墓所をお参りし、幕末動乱期の先人を偲ぶ。
次に、御狩野橋から野川沿いの路を行く。野川は国分寺崖線の湧水のひとつで、日立中央研究所内の大池などを水源として、多摩川に注いでいる。この路で散策やジョギングをやる人も多い。この時期ゆえ、紫陽花が見頃である。水面で仲良く遊ぶ鴨をしばし観賞する...。
「はしきやし、妹がありせば、水鴨なす、ふたり並び居…」
と、大伴家持の歌の一篇(万葉集)が、ふと頭に浮かぶ。私には、無論”はしきやし妹”は居ない。羨ましくて目を細める。
川歩きは満更でもない。中州で亀が甲羅干しをやったり、大きな鯉がゆったり泳いでいくさまを眺めたりしながら、のんびりと歩を進める。近所へ買い物に行くという地元の女性に声をかけられる。何でも今日は雲があるので望めないが、八幡橋付近では、富士山が見える場所があるそうな。そういえば、野川の東八道路に架かる橋の名は、〔富士見大橋〕とあった。
御塔坂橋で野川に別れを告げ、住宅地の路地を深大寺へと向かう。東京都環境局による〔雑木林のみち 野川・深大寺コース〕を辿り、ハケに残るクヌギやコナラなどの木々の木漏れ日を浴びて行く。坂が多い路だ。
深大寺通りに出ると、売店や蕎麦屋が立ち並んで賑やかだ。深大寺蕎麦であまりにも有名なこの地には、歩道沿いに白い蕎麦の花が咲いている。江戸時代、深大寺周辺の土地が、米の生産に向かず、米の代わりに蕎麦粉を寺に納めていたという。そして、深大寺の総本山である、上野寛永寺の門主第五世公弁法親王が、深大寺蕎麦をたいへん気に入り、名が高まって、やがて〔献上そば〕といわれたらしい。
「蕎麦はまだ、花でもてなす、山路かな」(芭蕉)
今は新蕎麦の時期とは真反対の暦だが、ここまできて蕎麦を食わぬ者も居るまい。
蕎麦を手繰る前に、まずは山門をくぐり、浮岳山深大寺の本堂を参拝。朱印所で御朱印をいただく。朱印は本堂の無量寿(阿弥陀如来)や、釈迦堂の白鳳佛(釈迦如来)など目的(無病息災、厄除けなど)によって三書類が選べる。
参拝後には、〔むさし野深大寺窯〕で”らくやき”を体験。茶碗、猪口、花活けなどから選んで、十色まで彩色できる。各人それぞれが思うようにつくり、個性的な彩色が完成。焼きあがるまでに、〔大師茶屋〕で蕎麦と酒を楽しむ。まずは、そばがきや鴨ロース焼きで純米酒〔金婚〕を一献。〔酒を飲まぬくらいなら、蕎麦屋へなんぞ入るな〕とは、故池波正太郎の名言。けだしよく言ったものだ。
仲見世や門前をぶらぶら。同行のT嬢に勧められるまま、甘味処〔鬼太郎茶屋〕の二十一世紀梨ソフトクリームとやらを舐める。
出来上がった〔らくやき〕を受取り、北の深大寺門から神代植物公園へ。紫陽花や薔薇園をひとしきり眺め歩き、程よい疲れ具合を感じて帰途につく。武蔵境駅の駅南ビル2階にあるイタリアン・カフェ〔ミア ボッカ エミオ武蔵境店〕で反省会。ワインで締めくくりとした。
低山トレッキング部による、スピンアウト企画として〔東京ぶらぶら散歩〕がはじまった。
6月初めから9月終わり頃までの夏場は、低山トレッキングには向かない。低山ならではの高湿度に蒸され、蚊や毛虫が襲い、見晴台からの眺めも悪い。低山トレッキングはオフシーズンといってよい。
そこで〔東京ぶらぶら散歩〕となった。どうせならテーマを設けようということで、
(一)東京の風景(二)歴史(三)季節感 の三つを浮き彫りにしていこうと思う。
今回は第一回ということで、〔武蔵野の路〕を深大寺までぶらぶらと約7キロほど歩いた。三つのテーマはそれなりに主張できたように思う。
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