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記録ID: 6635149
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ハイキング
甲信越

【北信濃】若槻山城址~源義家の孫・頼隆が興した若槻氏とは~

2024年04月08日(月) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
02:46
距離
9.7km
登り
436m
下り
407m
歩くペース
とても速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
2:52
休憩
0:21
合計
3:13
14:15
30
スタート地点
14:45
14:46
38
15:23
15:45
104
17:29
ゴール地点
天候 曇り→小雨☔️
過去天気図(気象庁) 2024年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
◯行き
北しなの線「三才駅」下車

◯帰り
長野線「信濃吉田駅」乗車
コース状況/
危険箇所等
特になし
その他周辺情報 ♨️若槻温泉
三才駅から出発。3歳になる子を連れてくるとご利益がある?
2024年04月08日 14:16撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 14:16
三才駅から出発。3歳になる子を連れてくるとご利益がある?
蚊里田八幡宮の入り口。この辺で若槻地区に入る
2024年04月08日 14:36撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 14:36
蚊里田八幡宮の入り口。この辺で若槻地区に入る
参道は結構長い
2024年04月08日 14:41撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 14:41
参道は結構長い
蚊里田八幡宮へ。桜は満開だ
2024年04月08日 14:46撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 14:46
蚊里田八幡宮へ。桜は満開だ
本堂はこんな感じ
2024年04月08日 14:47撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 14:47
本堂はこんな感じ
左側を通る
2024年04月08日 14:58撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 14:58
左側を通る
一旦は舗装道路へ出る
2024年04月08日 15:04撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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一旦は舗装道路へ出る
取り付きへ。ここから急坂になる
2024年04月08日 15:06撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 15:06
取り付きへ。ここから急坂になる
登山道らしくなる
2024年04月08日 15:10撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 15:10
登山道らしくなる
いよいよ城郭の跡地へ
2024年04月08日 15:18撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 15:18
いよいよ城郭の跡地へ
若槻山城の主郭
2024年04月08日 15:21撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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若槻山城の主郭
主郭からさらに登ったところにあった。
2024年04月08日 15:34撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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主郭からさらに登ったところにあった。
2024年04月08日 15:46撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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笹だらけのゾーンも
2024年04月08日 15:56撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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笹だらけのゾーンも
帰りはここを通る
2024年04月08日 15:59撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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帰りはここを通る
堂沢出城跡
2024年04月08日 16:04撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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堂沢出城跡
2024年04月08日 16:16撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 16:16
若槻温泉へ寄る
2024年04月08日 16:20撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
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若槻温泉へ寄る
若槻大通り。振り返るとさっきまで登っていた若槻山城跡が見える
2024年04月08日 16:57撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 16:57
若槻大通り。振り返るとさっきまで登っていた若槻山城跡が見える
信濃吉田駅で帰路へ
2024年04月08日 17:29撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
4/8 17:29
信濃吉田駅で帰路へ

感想

今日は長野市の北部・若槻地区にある若槻山城跡へ登る。
天気は曇りからやや小雨で、コンディションはあまり良くない。

長野市に来るにあたり、若槻地区について調べたところ非常に歴史的に興味深かったため、山行記録の前にまずは若槻の歴史について書いておく。


【若槻山城と若槻氏】
若槻山城は、鎌倉時代初期に武将・若槻頼隆によって築城された城とされている。
若槻頼隆は、河内源氏・源義家(八幡太郎でお馴染み)の七男・義隆の息子である。父義隆は、源義朝(頼朝の父)の身代わりとして平治の乱で討死している。

頼隆は、幕府の命で信濃国若槻庄へ地頭として派遣されたあと、若槻を称した。これが若槻氏の始まりである。
(ちなみに織田信長に仕えた森長可や森蘭丸の先祖でもある。森氏は若槻氏の支流。)

戦国時代になると、若槻氏は信濃村上氏に仕える。村上氏は北信濃を拠点とする武将であり、甲斐武田氏と対立していた。武田信玄と信濃で雌雄を決するも敗れ、村上氏は滅んでしまう。
それに連座する形で若槻氏は、ついに故郷の北信濃を追われることになる...。


【山行記録】
北しなの線「三才駅」から出発。
この時点で14時を回っているため、なるべく急いで向かう。
寂れた平家が並んでおり、曇り空も相まって鬱屈とした雰囲気を感じさせる。

駅から四十分歩いて蚊里田八幡宮へ着く。
鳥居をくぐり、長い階段を登ると境内に着く。

蚊里田八幡宮は、鎌倉時代初期、上述した若槻氏によって創建された若槻地区の総鎮守である。
現在もなお当地区で由緒ある寺院として親しまれており、毎年五月には例大祭が行われている。


本堂を少し逸れて、そのまま林道を登っていく。
やがて樹林の中へ入り、一旦は舗装道路を出た後に登山口が現れる。ここでようやく登山道らしい道になる。

笹だらけの坂道を少し登った後は、スギの木の道になる。スギ花粉に戦慄しつつ、なだらかな坂を登っていく。
スギに加えアカマツも見られ、落ち葉で滑りやすい。

取り付きから十分ほどで、城郭の跡が見られるようになる。12世紀に若槻頼隆が築いた山城は、900年が経過した今でも山城の片鱗を残している。

幾つもの土塁が重なり、大きな階段のような様相になっている。五の郭、四の郭、...と登っていき主郭に着くと一段と開けた広場になっていて、ど真ん中には若槻山城の標識が突っ立っている。

南側には長野市の市街地が一望できるが、木々が邪魔してしまっている。
ここの醍醐味は山城の形状なので眺望には目を瞑るとする。


主郭が一つのピークではあるが、この先にも何かあるらしい。ということでこのまま進む。
堀切を乗り越えた後、少し下りがちになるも、登り返しで一気に傾斜が急になる。

十分ほど急坂を経たあと、少し開けた場所に着く。
そこには「若槻山城番所跡」と書かれた標識だけが立ってある。標高785mにあるここもまた山城の一つであり、土塁や堀切も見られる。
番所ということは、昔はここで見張りをしていたのだろう。

この先も三登山という里山につながるトレイルコースがまだ続くらしい。

しかし今回は時間がないため、番所跡からそのまま来た道を引き返す。明日、朝から行けたらよかったが、あいにく雨の予報だった。いままさにこの瞬間も小雨が降っている。


麓へ降りたら、若槻温泉で一旦湯に浸かり、そこからは若槻大通りを歩いて、長野線「信濃吉田駅」で帰路に着く。


山行記録はここまで。ここから若槻氏は今日に至るまでどうなったのかを書いていく。


【若槻氏の現在】
戦国時代に武田信玄によって故郷を追われた若槻氏はその後どうなったのか。

詳細は定かではないが、上杉氏の庇護を受けたのか、越後国へ逃げ延びたようだ。

現在の若槻という苗字は、確かに新潟県に比較的多い。(それでも珍しい苗字には変わりないが...)

しかし興味深いのは、若槻さんの人口は新潟県より島根県に圧倒的に多いのである。
これにはワケがある。


若槻氏は一度、故郷の信濃国へ戻っており、江戸時代には松本藩に従属していた。
(そのまま越後に留まる集団もいたのだろう。)

ところが、松本藩主が出雲の地へ飛ばされる事態が起こる。若槻氏もまた出雲への移住を余儀なくされる。
これが島根県に現在も若槻が多い理由だ。
(総理大臣の若槻禮次郎も島根県出身。彼は若槻氏の養子になった身ではあるが)


ちなみに若槻氏の当主は連綿として今日も存在し、現在は長野市に籍を置いている。

他にも、少ないながらも若槻さんは長野市にいるにはいるらしい。
現地の方にも聞いてみたが、知り合いに若槻さんは一人いるかいないかという感じのようだ。


故郷を追われ、各地を転々とした歴史はありながら、現在も若槻氏は確かに此処に存在しているのだ。

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