前日光・霧降高原から大山コース(ヤマビルパニック)
- GPS
- 04:02
- 距離
- 9.6km
- 登り
- 273m
- 下り
- 843m
コースタイム
天候 | 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所:猫の平から霧降川にぶつかるまでの林道にヤマビルの巣窟があります |
その他周辺情報 | 登山後風呂:日光ステーションホテルクラシック(JR日光駅前) |
写真
装備
個人装備 |
雨具(レインウェア)
着替え
マグカップ
入浴セット
飲料
|
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備考 | スパッツ(ゲートル)は必須。持っていかなかったのが悔やまれました... |
感想
栃木県の西北部に位置する日光は、言わずと知れた日本を代表する観光地で、徳川家康公の霊廟を祀る日光東照宮をはじめ、二荒山神社、輪王寺の〔二社一寺に属する建造物群及びそれを取り巻く自然環境〕は、何しろ、1999年に「日光の社寺」として世界文化遺産に登録され、今や世界の日光といった感があります。
かくいう弊方の持つ日光の思い出は、昼の観光はそこそこに、夜の鬼怒川温泉で上げ膳据え膳のどんちゃん騒ぎの末、翌日へとへとの二日酔い。癒しに行ったのか疲れに行ったのかわからない、若かりし日の社員旅行となりましょうか…。
日光は、地域の通称として、奥日光・表日光・裏日光・前日光と分けて呼ばれていますが、今日は、日光市南部に位置する前日光・霧降高原から大山コースをハイキングする計画を立てました。霧降高原といえば、キスゲ平に「日光」の名を冠した「ニッコウキスゲ」の大群落が有名ですが、近年、鹿の食害によって激減してしまったとか…。まだ少し残る希少なニッコウキスゲは、6月いっぱいでピークを過ぎていました。
大型の台風11号は、北上して勢力を弱めつつも、余韻引きずるままの天候状態で週末となり、薄暗い曇天が覆う中、東武日光駅ではかろうじて曇りを保っていたものの、タクシーで霧降高原まで上っていくと、その名の通り〔霧降状態〕で、霞の中に突入しました。
霧降高原レストハウスの休憩室で駅弁の昼食を済ませ、前回(ときがわ)に続けて〔天然ミスト〕の中を歩いていきます。こんな天候なので、弊方以外誰一人歩いておりません。辺り一面が霧に覆われながら、クマザサの藪を掻き分けて進むうち、何となく熊が出そうな雰囲気におそわれて熊鈴を付けます。途中、コースの一部路肩が崩落しており、テープが貼られて進入禁止となっていたので、迂回路を進みます。沢を渡り、しばらく歩いていくと、霧降牧場のゲートが現れて牧場の中へ誘われます。この辺りから本格的な雨降りになり、林間を抜けて直接雨に打たれながら、牧草地を黙々と上ります。天候が良ければ、この開けた台地から赤薙山や女峰山が望めたはずですが、いっそう靄は濃くなるばかり。コースの歩行跡だけを頼りに、何とか大山(1,158メートル)に辿りつきましたが、本当の「五里霧中」はこれからでした。この時は予想だにしませんでしたが…。
霧降牧場から猫の平へ向かうコースを逆に出て、居場所を見失いかけましたが、ここは冷静にコンパスと地図、そしてGPSで確認し、コースの軌道に乗りました。苔むしてつるつる滑るアスファルト道から山道へ入り、夏も前なのになぜか蜩(ヒグラシ)が寂しげに鳴く中、鬱蒼と生い茂ったクマザサ藪を掻き分けて進み、膝下がびしょびしょに濡れます。足元が見えない何とも不快な道でした。
猫の平からはクマザサ藪を抜けて、今度は杉林の林道を下ります。滑りやすく湿った泥道は、時々倒木が道を塞ぎ荒れた状態。コースの標識も少なく、迷いやすい不安な道のりを歩いている時でした。ふと、足首にチクリと刺激を感じたI幹事が立ち止まり、ズボンの裾を巻くって靴下を下ろして見ると、黒いナメクジのような生物が肌に張付いているではありませんか。一瞬でヤマビルと判りました。よく見ると、靴底から何匹も這い上がってきます。皆にそれを伝えると、皆の靴周りにも取り付かんとするヤマビルが多量存在するのが判明。その瞬間「キエ〜〜〜!!」というO島部長の悲鳴。その狂気じみた大声に驚く3人と近くの野鳥。普段聞いたこともないような声で何やら喚き散らし、駆除しようと引っ張っても吸い付いて離さないヤマビルのゾンビ的なおぞましさに、ますますパニックを起こすO島部長。あまりの阿鼻叫喚ぶりに、笑いすぎて涙を流しながらヤマビルを退治するI幹事。わりと冷静なY嬢K嬢。とにかく、むしり取るしかなく、それでも薄暗い森の中で完全に駆除したとはいえない状態でしたが、ヤマビルがうようよと襲いかかってくるこの場を一刻も早く逃げ出したいと、足早に立ち去ります。途中、神経が極度に過敏になったO島部長が、ふとしたことで、熊か大蛇でも出たかのような悲鳴を上げながら飛び跳ねるもので、さすがに3人も辟易しました。
ところが、一難去ってまた一難。今度は霧降川の激流を前に立ち往生。コースの丸太橋が崩壊していて渡れません。選択肢は二つ。一、ヤマビル道を一時間半かけて猫の平まで引き返す(しかも上り)。二、激流を渡る。橋を破壊したほどの川の急流は、降り続く雨により濁流化しています。浅瀬とはいえ、流れに持っていかれたら危険です。迷いに迷いましたが、川沿いを辿り、流れの緩やかな箇所を探して川を渡りました。膝上まで浸かりましたが、コースも終盤に来て、もう一度ヤマビル道へ引き返すのはどうしても避けたい一心でした。
つつじヶ丘までの壊れた木段の上りは、早くゴールしたい気持ちを遮るかのように、やたらと長く続き、しんどく感じました。最早、霧降の滝をゴールとせずに、車道に出、つつじヶ丘のバス停で、今回のアドベンチャーのゴールとしました。
〔感想〕
ヤマビルに襲われたのは初めてでした。
集団?で猛然と襲いかかり、いったん吸血したら離さない漆黒のナメクジ野郎は、たっぷりと血を飲むと身体がもとの3倍くらいに膨れ上がり、その不気味さは尋常じゃありませんでしたが、深く吸われたあと、とめどもなく血が流れ出て、血小板が機能しないのに難渋しました。
幸い、I幹事以外は、O島部長が一箇所だけで、女性二人は全く被害が無く安心しました。
O島部長は、卒倒しそうなほどのウルトラショックで疲労困憊。写真係としての任務も放棄し、ヤマビルのくだりからは、とても撮影どころではなかったらしく、今回のヤマレコ写真が少量低品質なのをお許しいただきたいとの詫び言を申しておりました...。
コメント
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178_tomoさん、初めまして。
本日、私も猫の平の下で献血しましたので、同じ経験をした方を探していたところ、たどり着きました。今日も雨模様だったせいもありますが、日光にヒルとは意外でびっくりしました。
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