四国八十八か所霊場巡り〜��土佐編9〜
高知県
ojamamusi97
- GPS
- 80:00
- 距離
- 159km
- 登り
- 2,122m
- 下り
- 2,162m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 9:05
- 山行
- 11:25
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 12:10
- 山行
- 10:05
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 11:40
| 過去天気図（気象庁） | 2024年08月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
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感想
編集を半年以上さぼってしまい、道中の記憶が曖昧になってしまったが、作成を再開する。
【1日目】
高知駅を始発で出発し、スタート地点荷稲駅に8時40分頃到着し、行程を再開した。今回は足摺岬を始め高知県西南部から愛媛県南予の海沿いの長い行程をひたすら進み、一気に西予市まで進む予定だ。高知県の遍路道は「修行の道場」なそうだが、この酷暑の中、まさに今行程は修行そのものである。行程期間は7日間を予定しているが、果たしてどうなることやら。
歩き始めは線路や国道に並行しながら川沿いを進んで行くが、伊与喜駅を過ぎてから国道を外れ峠越えの山道に進入していく。実は10日ほど前に突然激しい腰痛に見舞われ、ようやくここにきて普通に歩けるまでに快復したが、山道など腰に負担がかかる区間では不安が残る。そこで、事前に腰の負担を軽減すべくモンベルでストックを仕入れてきた。早速ここで使ってみるが、ないよりあった方が楽であるのは間違いない。※しかし、いちいちかばんから出すのが手間なため、この後2回ほどしか使わなかった。
道の駅なぶら土佐佐賀で休憩した後、しばらくは国道沿い、海沿いを進む。これはさらに次の道の駅であるビオスおおがたまで延々と続いた。海沿いなので基本的に日影がなく炎天下にさらされ続ける道である。おおがたには13時半ころ着くが、早くもビールが飲みたくなってきた。（←実際飲んだ）
土佐西南大規模公園内を進んで行くうちに雲行きが怪しくなってきた。黒潮町から四万十市へと越えるあたりではかなり雨が降った跡が見受けられたが、ほぼ雨の影響を受けずにようやく今晩の宿泊地中村市街地に到着。時刻は16時を回り、早く投宿し汗を流しビールを飲みたいが、マップのコースはなぜか中村市街をぐるっと大回りに5〜6キロかけて遠回りするようになっている。バカらしいが、コース通りに歩くことにしたので、中村駅前の宿到着は18時近くになった。1日の歩行距離は40キロ近くになったと思う。夕方でも中村市街地はひときわ暑かった。宿は和室だったので、地べたに座ったり立ったりの動作で少し腰が痛む。
【2日目】
今日は足摺岬及び金剛福寺まで歩くので、なるべく早朝にということで4時半過ぎに出発した。まだ暗かったが、四万十川橋を渡ったところで明るくなったので、ローソンで買った朝食を河川敷の堤防でとることとした。
野鳥自然公園を過ぎると、土佐清水市との境界峠越えへ向けて山間部に入る。遍路道は途中で国道から旧道へ入り、最後は完全な山道を越える。土佐清水側に降り切った地点に三原村経由延光寺方面への分岐があるが、それをしり目にひたすら足摺岬へ向けて南下する。岬と入江を繰り返しながら、サーファーの集まる大岐海岸に着く。ここからは少し変わった道となっており、海へ注ぎ込む小河川を沈下橋のような小さな木橋で渡ってから、海岸の防砂林の中を突っ切っていく。
やがて国道から外れ足摺岬の半島部へ入るが、顔の周りをぶんぶん飛びまわる不快な虫が増えてきた。以布利、窪津などの漁港を過ぎ、時折旧遍路道を称する荒れ道が現れてくる。いずれもかなりな荒れ道であり、叢との区別がつかないような箇所もあった。最初の内は忠実に荒れ道をたどっていたが、道が判然とせず足場も悪く、まともに付き合っていたら足摺岬に着く前に日が暮れてしまいそうだった。地点は不明だが、途中で道を完全に見失ったため、強引に獣道以下の荒れ道を通り、海沿いの車道へとようやく脱出できた。
そんなこんなでいつの間にか時間が経過しており、金剛福寺への到着時間が気になりだした。中村から足摺岬までは約43キロあり、疲労も限界に近付いてきたが、最後の力を振り絞り急ぎ足で進む。足摺岬まであと〇キロの看板を励みに歩行を続け、何とか16時に足摺岬・金剛福寺へ到着した。記帳の際中村から歩いてきたことを告げると、ねぎらいの言葉をかけてもらった。宿に入る前に足摺岬の展望台まで足を運んだが、当然のことながら疲労のためこれ以上歩きたくなかったためすぐ引き返し、ジョン伴次郎の銅像付近で野ネコとたわむれながらビールを飲んで疲労を癒した。
宿は多少奮発し、温泉ホテルに宿泊。屋上の露店風呂から眺める夕闇の海は格別だった。
【3日目】
今日の予定は一応大月町としているが、宿もまだ決めておらず、そもそも大月まで行けるかどうかも自信がなかった。2日間それぞれ40キロ以上の長い距離を酷暑の中歩き続けてきたので当然ながら疲労もたまり、何よりも右足の裏の血豆がひどいことになっている。何とかだましだまし歩けないこともないが、まともに踏み込むと痛いので、少し重心をそらしながら痛み箇所を刺激しないよう努めることとした。
今朝も長丁場となるため日の出前に出発。自分の足の状態など一切関係なく今日もまた晴天である。足摺岬近辺には昨日同様、旧遍路道が時折現れるが、足の状態等考慮し、できるだけ無視して歩きやすい車道を選ぶようにしたが、一か所ガイドマップにルートとして表示されている旧遍路道があり、そこだけは山道を通ることとした。車道はトンネルでショートカットするが、遍路道は低い峠を越え、降り切ると狭い湾に出た。しばらく行くとジョン万次郎生家があったのでそこで休憩。ベンチでくつろいでいると、足摺岬発の始発バスがクラクションを鳴らしながら通過して行った。
その後はひたすら車道を進み、左手に清水港が見え始めるが、湾をぐるりと回っていくので、市街地までは時間がかかった。海に面した空き地で朝食をとりながら、今日の行程について再検討した結果、とりあえず市街地の国道沿いにある民宿に荷物を預け、身軽な格好で行けるところまで進み、バスで土佐清水の宿に戻ってくることとした。身軽にはなったが暑いことに変わりなく、重い足取りで土佐清水市街地を後にした。ここからは、竜串海岸など風光明媚な風景の続く海沿いの道である。2時間ほどでその竜串海岸に到着したので大休止とした。ここから先しばらく飲食店などないが、食欲など全くないのでカフェでカキ氷を食べるのみで出発。
また1時間ほど進むと、叶崎という小岬に着く。先端近くまで行くと眼下に太平洋の大海原がド迫力で広がり、道の両端が狭いので崖っぷちに立っているかのような迫力を感じる。足摺岬とはまた違った趣の名勝である。
そこから3キロほどで大浦という国道と遍路道との分岐に着く。大浦漁港の小集落を抜け、旧遍路道となっている山道を登っていく。眼下に街並みを見下ろしながら、その後は景色の見えない山林をひたすら進むが、「お遍路さん頑張れ」等と書かれている地元の小学生が作って設置した案内板に励まされながら歩いていく。やや荒れていたので昨日ことがトラウマになりかけていたが、案内板が充実していたので道を間違える心配はあまりせずに済んだ。役小角が開いたという月山神社にしばらくして到着。人がいるかどうかも分からない規模の小さな社だった。そこから林道のような道を進み、最後一気に下って赤泊の浜に着く。少し前に行ったばかりの奄美大島を彷彿させるような静かで美しい南国の浜だった。
最後の力をふりしぼり、国道と合流する大月町姫ノ井を目指す。時間的にも今日はそこまでとし、バスで土佐清水に引き返すこととした。16時42分のバスを目指したが、何とか20分程度前に倒れこむようにバス停に到着。今日も40キロ以上踏破したが、空荷でなければ難しかったかもしれない。バスに乗り込んだ途端に緊急地震速報が流れた。震源は日向灘で土佐清水や大月を含む高知県西南部に津波注意報が出たとのこと。特に揺れは感じず、バスは1分ほど停車したのちに発車。宿に着いてから詳細を確かめると、宮崎県では震度6弱を観測し、南海トラフ地震臨時情報が初めて出されたという。
【4日目】
南海トラフ地震臨時情報を受け、遍路を中止することを検討したが、津波の心配もなくなったようだ。血豆の方も激痛一歩手前状態ではあったが、何とか歩けないこともなかったので、予定通り歩くこととした。
土佐清水を6時20分に出る宿毛行バスで、まずは昨日の中断地点である姫ノ井を目指す。姫ノ井から1時間ほど歩くと道の駅大月に着き、すぐ近くに当初泊ることを考えていた宿がある。昨日歩き続ければ18時前には着けたかとも思ったが、荷物を背負っていたらどうなっていたか分からない。また10キロほど進み、宿毛湾が現れ、宿毛にもある道の駅に着いた。これから宿毛市にある第39番札所である延光寺を目指すが、市街地を通り抜け、さらに8キロほど進まなけらばならない。よって、宿毛市街地には昼過ぎに着いたが、そこから延光寺まではさらに2時間ほどかかった。その少し手前に喫茶店があり、「氷」ののぼり旗が見えたので迷わずに入店。店主のおばちゃんにお品書きに書いてあるレモンのカキ氷を注文するが、イチゴか抹茶しかないとのこと。仕方なくイチゴを頼んだはずが、抹茶が運ばれてきた。
延光寺は国道から外れ、小高い山に分け入った場所に立っていた。美しい庭園や目洗い井戸が売りのお寺である。
同じ道を通って宿毛市街地へ引き返す。距離も長く、血豆も限界を越え、這う這うの体を通り越した状態となった。予約したホテルは宿毛駅から数百メートル程度離れた場所にあった。敷地内にとんかつ屋があったので、そこで食事したかったが、運悪く定休日だったため、ホテルの自転車を借りやや離れたスーパーまで買い出しに出かけた。
ここから先、愛南町から宇和島までの間で宿の選択が難しかったことと、何より血豆がひどく普通に歩くことも難しくなっていたため、西予市まで進むことを断念し、今回はここまでとした。
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